20211227

ふしぎな市場

4丁目プラザという札幌市民にはおなじみの若者向けのファッションビルが、2022年1月に閉店し老朽化のため解体されます。
ここの最上階は自由市場というスペースで、フロア全体が蚤の市のように小さくて個性的なお店がひしめいています。街中のビルの中とは思えない、ちょっと異空間のような場所です。

自由市場は氷室冴子さんの『クララ白書』か『アグネス白書』にも登場するし、穂村弘さんも北大時代に通っていたそうです。 地元民は、特に50代40代以下だと若い頃に一度も行ったことがない人はけっこう珍しいんじゃないかな。それくらい知られた場所です。改めて考えると、街の超中心部にいい意味でどこか怪しい蚤の市的スペースが、主に若者のために40年間も存在し続けていたというのがすごい。

私も十代の頃は友達と行っていましたが、大人になってからはほとんど訪れなくなっていました。そういう人は多いはず。しかし十数年前にふとしたきっかけで再び通うようになりまして。少なくとも年に数回は行っているはずです。

最後かもということで初めてフロアの写真を撮ってみました。昔からずっとこういう雰囲気。昔は雑貨屋さんが多いイメージだったけど、今は古着屋さんが多いかな。今でもちゃんとお洒落なお店が多いのも偉い。
 

これ、下が東西南北になってるって二十ウン年で初めて知った。見てないものだなあ。レンガ模様になってたり街灯があったり、ヨーロッパの街をイメージして作られたフロアだということがディテールにも表れているのだなと気づく。昭和の日本の人が思う異国風ですね。

街は移り変わっていくものだし、私が無くなりゆくものをすごく惜しむタイプかというとそうではないのかもしれません。けれどどこか不思議な、ちょっと異世界のような匂いのする場所が日常の中にいつでもそこにあったということは、とてもありがたいことだったのだろうなと。

一番最近購入した青いストーンのブローチ。なんかどうしても青とか水色が好きなのだな私は。矢車菊のようなデザインでお気に入りです。鳩山郁子さんの漫画を思い出します。コーンフラワー・ブルー。ノヴァーリスの『青い花』とか。

こういうヴィンテージのアクセサリーって大きいものも多いし結構独特ではあるんですけど、個人的にカジュアルなTシャツやセーターにあえて着けるのが好きです。で下はデニムとか。パールのネックレスもTシャツやスウェットに合わせるのが自分の昔からの定番。
もともと服がカジュアルだからこそ古めかしい小物がむしろ使いやすいとも言えるかも。クラシカルすぎずに済むわけなので。

20211216

都会の薔薇

の薔薇。つぼみはつくのですが気温的にもう流石に外で咲きはしない。のでちょこちょこ拝借しては家の中で切り花の状態で開花させるということをやっています。けどこれはもう咲かなさそうだなあ。この状態でしばし愛でたいと思います。

 
薔薇は薔薇でもケーキ。どこのお店だったっけ。バタークリームの素朴な味で美味しかったです。私おいしいものならば生クリームよりバタークリームのほうが好きなのかもしれない。
というか生クリームにもバタークリームにも基本的にそんなに興味がないので、どちらにしろおいしいもの(言ってしまえばお高めなもの)なら好きだしそうでないならばそんなに好きではないということだな多分。



川美代子さんという方について考えるとき思い浮かぶのは、女性雑誌の歴史に燦然と輝く大編集者であることや淀川長治氏の姪御さんであること等……はもちろんなのですが。
実はここ数年私の中で印象深かったのは、淀川さんがクロムハーツの愛用者だということかもしれません。

クロムハーツ。皆さんどんなイメージでしょうか。なんか高いやつ。シルバーで十字架とか星とかのやつ。芸能人がつけてるやつ。ロックなやつ。大体こんな感じかな。
格好良さと、言ってしまえば微妙に中二病っぽさをなんとなく感じる、有名なアクセサリーブランドというのが大方のイメージではないでしょうか。ちなみに私は一つも持っていません。

淀川美代子さんといえばOliveやanan等の数々の雑誌をヒットさせ社会現象にもした伝説のエディターであり、シックでエレガントでコンサバティブな大人の女性でもある。つまり、彼女が愛用するブランドとしては一般的には少し違和感があるのではないかと思うのです。
けれど私は淀川さんがクロムハーツの愛用者でありコレクターであることを雑誌のインタビューか何かで知ったとき、やはり只者ではないのだと感じたのを覚えています。

それはエレガントな大人の才女がクロムを愛用してるなんて!という単純な違和効果とかギャップ萌えみたいな話でもなくてですね(それもありますが)。
むしろ、私個人がもともとクロムハーツというブランドをどこか不思議な、無視できない対象だと思っているのが大きいと思います。
一般的なイメージとはある種反するように、実はDistrictで扱われ、カール・ラガーフェルドが終生身に着けてもいたブランドなわけです。物への選別眼がある人がアクセサリーとして許せるのがクロムハーツなのでは。
淀川美代子さんとはまさに選別眼の人であり、故にクロムハーツに対しても本質をさくっと理解してしまうのだろうなと、彼女についてふと考えるたびに思っていました。

少女的なOliveを作った人が首元には王道の真珠のネックレスを、手首にはクロムハーツの十字架のブレスレットを着けていた。意外なようで個人的にはとても納得し、さらには改めて彼女の眼力に嘆息する事実なのです。

かつてあった「dia STANDARD」というサイトのページより。人選が面白くて読み応えのあるサイトだった。

20211209

シューシャインボーイ

しぶりに靴磨き。革靴はまあまあ履くのでたまにはやります。しかしモノグサなのでこまめにやるという感じではない。帰宅したときに玄関で馬毛ブラシで泥や埃を払うのだけは普段からやっておいて、磨くのはひと月に一度とか数か月に一度とかです。
そして冬の玄関は寒くてすべてのやる気が削がれていくので、室内で新聞敷いてやります。

磨き方はステインリムーバーで軽く拭く→クリームを塗る→豚毛ブラシで馴染ませる→ワックスを塗る。普通だ。クロスは古いシーツを切ったものを使ってます。
私は靴磨きがわりと好きなのでワックスまで一応やりますけど、基本的には汚れ落としの馬毛ブラシと栄養のクリームがあれば十分じゃないかな。どっちも千円とかで買えると思う。
この感じって人間のスキンケアに似てるなと思います。汚れ落とし(洗顔)と保湿はやっておくと清潔感があっていい感じ。それ以上のワックスや細かい道具(化粧品)へのこだわりは人によりけりで、やったらやったで綺麗だしやらなくても特別問題はないよね的な。

個人的には服がカジュアルなほうなので、靴だけがやたら光っていると浮いてしまう気がしてワックスはあまり光らせないようにはしています。そんな技術もないが。

写真の靴。ローファーはアウトレットで買った歩きやすいリーガル。紐靴はフランス製のサービスシューズ。ブーツは15年とか前のマーチン。当時はイングランド製しかなくて普通に買ったら自動的にそうなったんですが、今マーチンのイングランド製って倍くらいするはず。ちゃんとした質の普通の靴とか服って高くなったよねえ。
 
サフィールのワックス。見た目がかわいくて好きです。蜂マーク。以前はワックスって楽しいけど匂いが苦手だったのですが、これは平気です。原材料が天然系だそうで、そのぶん蜜蝋等の強い匂いはするんですけど石油系のツンとくる感じではないので。ものによって違うのだなあ。おフランス製ですがお手頃です。



菓楼の札幌本館。久しぶりにお友達と。すごく洋館という感じですが、実際元はすごく洋館です。大正時代に建てられた北海道庁図書館でそのあと美術館になったり文書館になったりした建物。私の世代だと文書館のイメージで、上の世代の人は美術館のイメージらしい。
数年前に菓子ブランドの北菓楼が安藤忠雄設計でリニューアルした店舗ですが、外観はほぼ変わらず写真のような特徴的な部分も残してあります。カフェもあり。中心部から遠くない場所に雰囲気のある古い建物のこういう場所があるのはなかなか嬉しい。

ちなみに写真の奥に鎮座する球体、なんか不思議な感じがしません?これ、本当に何なのか謎らしいです。昔からこの建物にあるんだけど資料がなくて何なのかよくわからないらしい。そんなことあるのか(笑)。

20211203

今日とヴィンテージ

のガクアジサイがいい感じに枯れていたので拝借。アジサイって生のままでももちろん綺麗だけど個人的にドライフラワー化したときの花弁の色が更に好きです。渋くていい色。
花を挿した硝子瓶はどこのご家庭にも必ずある古い石鹸カンフル擦剤の医療瓶。昔骨董市で買ったもの。部屋を見まわしたらあったので採用しました。隣の箱も古いもので鉱物標本が入っています。石がやたらでかい。

ヴィンテージなものって好きですけど、同時にゴリゴリの現代デザインも好きなので絶対に古いものにこだわっているわけでもないです。というかその両方を混ぜた感じが好きなんですね。
けれどヴィンテージ風ではなく本当に年数が経っているものの持つ迫力はやっぱり代替が効かないなあとは思います。それを御して「今の部屋」にする難しさも含めて。その力の強さを借りて全体のアクセントにするみたいな感じもあるかも。

そしてこの感覚って私の服の着方も同じかもなあと。私は基本的には全身新品のすごく普通のカジュアルな服を着て生活しているのですが、なにかアクセントのような癖のようなものが欲しいときにヴィンテージの力を借りる感じがあります。アクセサリーとかジャケットとか革靴とか、一点二点だけ入れる感じで。



んとなく気づいてはいたのですが、白いものにネイビーのラインが入っているものが昔から好きだなあと最近改めて思いました。この3つは買った時期が全然違うのですが似ている。
あとこういうデザインって服も好きではあるんですがこれに関しては食器やファブリックのほうが好きらしい。アメリカのダイナーとかミリタリーで使われてそうな武骨なライン入りの食器とかすごく好きです。ぼってりしたいかにも丈夫そうなやつ。

20211119

宇宙のランキング

ブンイレブンで売っていた北見産和ハッカのチョコミント餅なるもの。こういう地域密着しかもミントのスイーツってセイコーマートの専売特許かと思っていたけどセブンもやるのだなあ。味はセブンイレブンのスイーツらしい堅実でハズレのない感じ。ふつうに美味しいです。




2014年の記事なのでちょっと前ですが。オールタイムベストなので今もまあそんなに変わらないかな。顔ぶれもかなり定番の作品が並ぶ感じ。 

>1.「2001年宇宙の旅」(1968) 
>2.「ブレードランナー」(1982) 
>3.「エイリアン」(1979) 
>4.「未知との遭遇」(1977) 
>5.「エイリアン2」(1986) 
>6.「スター・ウォーズ」(1977) 
>7.「未来世紀ブラジル」(1985) 
>8.「メトロポリス(1926)」 
>9.「ターミネーター」(1984) 
>10.「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980) 

SF映画のランキングだと「2001年~」て映画全体のランキングでいうところの「市民ケーン」くらい絶対1位付近にあるよね。「東京物語」とか? 未来世紀ブラジルは3位以内にはそんなにならないけど10位以内くらいには入るイメージ。
この手のリストを見るたびに思うのが、私はエイリアンを全然見ていないんだなということです。他はなんだかんだ見たorなんとなく流し見くらいはしてるのですが、エイリアンだけは全然縁がない。避けてるわけでもないし名作なのも知ってるんだけど。なぜだろう。こういうのって結局永遠に見なかったりするよな。一生の内には見たい気がする。

すごくSF映画好きというわけでもなく、好きな映画の中にSFものもまあまああるなあというくらいですが、やっぱりいいものはいいよね。この中だと2001年、ブレードランナー、ブラジル、メトロポリスが好きです。スターウォーズは森の中を空中バイクでヒュンヒュン飛ぶやつとイウォークが好き。
入っていないのだと「不思議惑星キン・ザ・ザ」と「銀河ヒッチハイク・ガイド」が好きかな。どっちもコメディだ。私はたぶんSFにはビジュアルとある種の自己ツッコミを含めた諦念みたいなものを求めているんだと思う。で結果的にコメディになる気が。
SF?に入るのかな、最近のだと「竜とそばかすの姫」のビジュアルが気になりました。見てないんだけど映画館のスクリーンで見てみたいなあ。



NCT127 'Regular (Korean Ver.)' MV 

KPOPのアイドルグループのMVなのですが、ソウルの街を猥雑な未来都市っぽく描いていて、これつまり少年版のブレードランナーだよなあと。こういう映像でブレードランナーの影響を全く受けていないものを探す方が難しいかもしれませんが。少年なので賭け事の代わりにゲームセンター、スポーツカーの代わりにゴーカート。
ダークなSF都市的なものを描くなら今は東京よりソウルや北京だし、アイドルでもJPOPよりKPOPの子に歌わせるよねというのもなんか分かる。JPOPなら今はもう少しライトでノスタルジックなシティーポップでしょうか。

20211020

本日の薔薇園

にしては華やかめの花柄ワンピース。今年はわりとなんにでもローファーとソックスを合わせる感じが気分かなあと。まあどうせすぐに雪が降って履けなくなるのですが……。

 
を見に行ったらば、もう相当寒いのに薔薇園の薔薇がまだわりと盛りですけど?みたいな顔でたくさん咲いていました。そういうものなのか。手入れの腕がすごいのか。このピンクの品種が可憐でかわいかったんだけど名前を忘れた。クイーンオブスウェーデンとかなんかそういうのだったはず。王室・皇室関連って薔薇の品種名にはよく見かける気がする。一般的なんですかね。

 
移築された古い邸宅。秋だなあ。苗木や種を売っているお店兼研究所みたいな施設で誰でも無料でこういう広々とした景色の中を散策できます。人もそんなにいないので改めて思えば贅沢な場所なのかもしれない。



しぶりにカフェなんかもあまり気兼ねなく行けるようになって嬉しい。こういう洋館で見るような昔ながらのガラスの照明(この形なんていうんだろう?)好きです。自分の部屋に飾るにはちょっとサイズとかで無理かなあと思うけど、見かけるとちょっとときめいてしまう。

20210927

秋明菊

の間は結構ずっと花を飾っていました。花瓶を買ったので。花はどれも庭の。こういうことをやりだして初めて分かったけど、切り花って意外なほど長持ちするのだなあ。水を毎日替えてるくらいで特になにもしていないのですが。日にちが経ってもまあまあ元気なままなのでひとつの花に微妙に飽きてくる(笑)。経済的で良いですが。

 
は花でもプラスチックのヘアクリップ。300円アクセショップみたいなところで買ったような。ちょっと変わった形のヘアクリップ類が妙に好きでたまに買ってしまいます。バレッタとかヘアピンも好き。ヘアアレンジが好きというよりそういうこまごまとした物体が好きなだけなので、実際にはそんなに使わなかったりもするのですが。 


クチン2回接種終わりました。発熱と腕の痛みは2回ともそれなりに。長引かなかったので特別大変ではなかったかな。2回目の接種ははっきり体温が上がった時点でとっとと解熱剤を飲んですぐ効いたので、はっきりとした症状は打った翌日の一日くらいでした。

しかしワクチンを打って毎日マスクをして出かけて、さすがに慣れたのでもはやあまり何も気になりませんが、ほんの2年前の人たちが見るとちょっと異世界みたいな感じなんだろうなあとしみじみ。SFだなあ。

マスクは相変わらず基本アイリスオーヤマの不織布ですが、韓国のKF94やスパンマスクの立体型も試してみてます。新しい形を試すときは近所にまず使ってみて、良さそうなら街中用にもしたり。KF94は口紅がつきにくいのが良いですね。
フィルター性能は日本だと「BFE/VFE/PFE 99%カット」が日常用ならMAX値かなと思うので、パッケージを見てそういうのを買ってます。これはその辺に普通にいっぱい売ってます。アイリスオーヤマのもそう。
今はFLAXというマスクがKF94の形と日本のフィルター規格を兼ね備えていて気になっているのですが、これ1枚170円とかするんですよねえ。さすがにちょっとな~。買うとしても特別心配な時用かなあ。

20210801

夏のお嬢さん

CHANEL ROUGE COCO FLASH 102

シャネルの口紅って「化粧品の中の化粧品」みたいなイメージがあります。いつの時代もどこか特別な存在。しかしよく考えると昔はともかく、今はとびぬけて高いものでも入手しづらいものでもないわけで。でもやっぱりなんかちょっと特別なんだな。つまりそれが”ブランド”なのだろうなと。

ルージュココフラッシュは軽い着け心地が好きです。102番はシアーな少し深みのある赤。特別落ちにくいわけでも斬新な機能が入っているとかでもないですが、そのぶん気負わずに使える親しみやすさがあると思います。私は深く考えずに普段使いしています。


シャネルの口紅の定番の黒く四角いデザインは、おそらく1960年代にはほぼこの形状で売られていたのではないかと。つまり半世紀以上はこの感じ。化粧品って老舗でも十年や二十年経てばパッケージをリニューアルするのは普通なので、シャネルは破格にブレない会社のようで。ココ・シャネルというかヴェルテメール一族(オーナー)が? 両方か。
あとこの見た目って元はシャネルの香水から来てるんじゃないかなあ。今も売ってるのかな、この口紅をひとまわり大きくしたような黒で四角のシャネルのアトマイザーがありますよね。デザインは多分そっちが先じゃないかな。シャネルの香水類は半世紀どころか一世紀くらい見た目があまり変わりません。

 
私はメイクアップ用品だと口紅が一番好きなのかもと最近改めて思っています。口紅って実はどうしても必要なものでもないんですよね。眉や肌のほうが手を入れたときの印象の変化は大きいし、今は高機能のリップクリーム類なんかも色々ある。そもそもマスクの時代で本当に不要ということもある。
けれど口紅にしかないムードみたいなものが確かにある。メイクの、分かりやすい効果というよりアトモスフィアに作用するのが口紅というものの力のように感じます。
メイクの仕方としても、ほぼすっぴんだけど今一番シックなブランドの旬な色の口紅は知っていてそれをさっと塗って終わり、みたいな人はすごく好きだなあ。お洒落だと思う。私はなかなかその領域にはなれませんが。

無くてもすごくは困らない。「化粧」の象徴である。どこかレトロな存在感。構造からしてガジェットっぽくもある。金属の小さな筒状であるとか、くるくる回すと出てくるとか。なるほど自分の好きそうなものだ。

ついでに2本目。&beのクレヨンリップのテラコッタ。これ、今時珍しいくらいメタリックなんですよ。オレンジ!メタル!ギラリ!みたいな色。なのですが塗ると不思議にナチュラルでもある。スルスルと塗り心地もよくて、ここ最近一番愛用している色です。シャネルが定番好きのお嬢さんだとすると&beはヘルシーなモード女子という感じでしょうか。

20210719

異国の少年

K-POPには詳しくないけどBTSの新曲はわかるぞ!(曲がいいよねBTSって。というかガチのトップアイドルは大抵曲はちゃんとしている)という、よくいる日本人くらいの知識の私なのですが。

以前からちょっと思っていたのが、K-POPの子たちっていわゆる少年装的な衣装をたまに着ているよな?ということ。しかもアレンジした感じとかいうよりドストレートにクラシカル少年!な感じのを見る気がするなあと。


これはTXTというグループ。セーラートップスに半ズボンとハイソックスと革靴も合わせる徹底ぶり。BTSも以前似た感じのセーラーを揃いで着ていたと思う。 

これ、ジャパンカルチャーの「少年装」「少年服」とかの影響を結構はっきり感じる着方だと思うのです。二次元とかスーパードルフィーとか女子が趣味で着る少年服の雰囲気。四谷シモンさんの人形や「1999年の夏休み」に遡れるあの感じ。勿論それも元をたどれば欧米の昔の少年服や「ベニスに死す」だったりしますが、K-POPのこれは欧米そのものではなく明らかに日本を経由したセンスだと思う。
あとトム・ブラウンの影響もありそうだけど、トム・ブラウンがそもそも日本的なセンスを取り入れたアメリカ人でもあるだろうし(ややこしい)。

数年前に香港のDEMO.というブランドを見たときも思ったのですが、こういうザ少年服!な着方って日本のアイドルは逆にあまりしない気がします。なぜなら自国のサブカルチャーっぽすぎるから。するとしてももう少しひねりの入った少年ぽい服になると思う。ジャニーズとかでも。 
つまりK-POPの子たちは韓国ゆえにこういうジャパンカルチャー感をストレートに着られるという面白い現象が起こっているのだなあと。日本人がファッションでハーバード大のカレッジトレーナーを着てても何も思われないけど、アメリカだとハーバード卒じゃないのになんでそれを?ってなるみたいな感じだろうか(?)。

あとたぶん大きいのが彼らの容姿ですよね。スリムで手足が長くて頭が小さく色白で髪色も色々で人形めいているK-POPアイドルが着ると、まさにスーパードルフィー的に似合うから。中性的なのだな。



これとか靴下留めを着けている子もいる。そりゃ衣装さんも着けたくなるよなあ。違和感ないもんな。

こういうのを見ていろんな国のファンガールたちが真似をして少年装に目覚めたりするのかしら。それも楽しそうだなあ。というか真似をしている子なら既にいるよねきっと。



ついでに自分の持っているセーラーっぽいものを撮ってみました。15年くらい前?のX-girlのマリンなトップス。セーラーカラーも襟の白線もなくていわゆるセーラー的な要素がそこまでないんだけど、確かにセーラー的に見えるというちょっと面白いデザインかなと。X-girlですがいわゆるLAガーリー感というよりいかにも日本企画な服という感じ。けどこの制服カジュアルポップみたいな雰囲気はこれはこれで好きかも。
当時は夏によく着ていましたが最近はさすがに着ないなあ。かわいいし、今より更に年齢を重ねたら逆に着やすくなる気もする。

タグもマリンだったりボタンが貝だったりでかわいいです。

更にちなみに、X-girlの創始者にして60代でセーラートップスを少年のように着こなすキム・ゴードンはこちら。いくつになってもどこかそれこそ美少年のような人なのだなあ。

20210704

日用品と攻防

スク生活も一年を超えまして。人間ってすごいよね、なんだかんだ慣れるもんな。日本人は元からわりとマスクに慣れている国民ではあるでしょうけども。

去年のマスクと付き合う日々が始まりそうという時期に、自分はどういうものを使うのがしっくりくるのかなと考えたことがあります。で結局普通のただの白い不織布のマスクが一番しっくりくるなと結論づけまして。普通のものが好きだからね。あと服でもなんでも「利便性と普及性を追求したら結果的にこの色形になった」みたいなプロダクトがもともと好きなので。

でまあ感染防止の面でも不織布でよかろうということになり、マスク不足が解消して買いやすくなってからはいくつか試しまして。使い心地と値段と入手のしやすさから最近愛用しているのはアイリスオーヤマのこれ。
サイドに切れ込みが入っているのがミソで、ここで曲がって顔に密着します。若干サイズが小さめなのも良くて、きちんと装着するとかなり隙間ができにくい気がします。
ちなみに表裏がわかるように小さくアイリスヘルスケアの文字が入っているのですが、私は最初使った時それを見ていながらきっちり表裏を逆につけており、帰宅後に気づきました。なぜ。


 
うしても家にいる時間が増えるので花など飾ることも増えました。花ってきれいですけどすごく興味がある人間ではないので変化といえば変化かなあ。田舎なのでもともと花や自然に飢えていなかったのもあると思う。この写真の花も家の庭から取ってきたものです。

で人生で初めてくらいだと思うのですが、自発的に自分用の花瓶を購入しました。以前から気になっていた伊藤満さんという陶芸家の方のもの。というとなんだか高そうですが私がお小遣いで買えるくらいのお値段です。もっと大きいものとかだとまた違うと思いますが。
このきれいな青に惹かれたのですが、なにしろ花を生ける素養がないもので使いこなせるか初めは自信がなくて。でも実際に手にしてみると、逆のこの鮮やかさが使いやすいと感じました。鮮やかな花なら色と色で引き立て合うし、素朴な花なら味を足してくれる。プロの色使いは流石なのだなあ。どこか理化学的な雰囲気なのも好きです。


 
ンダルとかサマードレスとか、夏の服飾品に憧れが強い気がします。たぶんあまり着られないからじゃないか。寒いですからね基本的に。
これはこういうトング型でフラットな形のものが欲しくて、探して買いました。物はなんでもよかったのですがギリシャ製だそうな。夏の靴って突然スペインとかイタリアとかギリシャとか温暖な国の聞いたことのない小さなブランドのものがショップに出てくるイメージ。細かく見つけて輸入する日本の企業もすごい。イタリアの革製のバッグとか、全然知らないマイナーブランドのものがセレクトショップにぽつぽつ置かれてたりするよね。

トングサンダルは昔からの定番の形ですが、個人的に思い出すのは「はじまりのうた」のキーラ・ナイトレイかなあ。
赤い柄ワンピとトングサンダル。オシャレなんだろうけど、オシャレっていうか普通の服だなあみたいなこういう着方って好きです。"普通というファンタジー"としての衣装というか。
ちなみに「はじまりのうた」は流し見しすぎて内容をほぼ覚えていません。歌ってたと思う。タイトルの通りに。

20210616

老舗とコットン・レース

ろそろこちらも暑くなってきました。まだ涼しい日も全然ありますが。ということで今年初めて作ったアイスコーヒー。アイスコーヒーやアイスティーって見た目の存在感がキレイだなあと思います。カップをガラスに変えて氷入れただけですけどね。
ガラスのカップは数年前に大好きな雑貨店のパスキューアイランドで購入したボデガ。美しい・使いやすい・耐熱・安価・スペイン製という強すぎるブランド。

私はわりとコーヒーは飲む方です。こだわりとか特にないですけど、適当にカフェとかで目についた豆を買ってきて家で20年物の電動ミル(フィリップス社は今もうミル自体を作っていない。骨董品)で挽いて紙フィルターで普通に淹れています。
札幌で買える豆でおすすめは「パイン館」かな。味がすごく美味しい。元は老舗の喫茶店だったのが数年前に閉店し、今はマスターが小さな販売専門のお店として再開されています。ずっと熱心なファンがいるイメージ。私はマンデリンが好きです。
あとスーパーとかで買える豆もここ数年で一気に美味しくなった印象があるなあ。鮮度は別としても味自体はもう十分美味しい気が。モノグサにはありがたい。



温が上がると涼しいワンピースなどで過ごしたくなってくるわけですが、そうなると気になるのが中に着るペチコート類。色々なメーカーで色々な種類のものがなんでも売っていますが、探すと意外とないのが綿100%のパンツ型のもの。ペチパンツというのかな。一般的に化繊が主流で綿はなかなかない。私はアトピー持ちなので、基本的には天然繊維がありがたいのです。

で数年前にネットを検索して発見したのが「マルフク」のもの。マルフクって知ってますか?私は知らなかったです。徳島県の創業60余年の老舗アパレルメーカーなんだそうな。たぶんネットがなければ全く知らないままの会社だったと思う。
公式サイトを見ていただくと分かるのですが、とっても素朴な作業着や下着類を作っている会社です。もんぺとか割烹着とか。なんか楽しくてつい色々見てしまう。
こちらのペチコート類がとっても良くてですね。綿100のものが中心で縫製もしっかりしていて着やすいのです。数年前に試しに買って以来すっかり気に入って愛用しています。
 
で今年新しく購入したのがこちら。ひざ丈で便利そうです。レースが昭和のコットンレースという感じでかわいい。シールも昭和で味があります。商店街の洋品店的な雰囲気。機能性もちゃんとしていまして、クレープ生地が使われていて肌にまとわりつかず快適です。着物のしじら織りとかと同じですね。
この形だとスカート型よりは履いていて安心できつつ、外からうっすらフォルムが透けたときのシルエットはスカート型と同じで便利なんですよね。いい意味ですごく普通に使えるすごく普通のインナー。そしてそういうものって意外なほど得難い。
インターネットって本当に色々なものに出会えるなあと、マルフクさんの商品を見ると改めて感じます。


 
「I Told Sunset About You」  OFFICIAL TRAILER 

タイの、BLドラマという区分でいいのかな? 若い男子二人のロマンスものなのですが。これ、異常に出来が良い。なんかすごいらしいという噂は目にしていたのですが、実際に見てあまりに全部がちゃんと良いので驚きました。 
4Kで撮影されたという、90年代のアジア映画のウォン・カーウァイやエドワード・ヤンを彷彿とさせる美しい画面で、脚本もめちゃくちゃよくできていると思います。役者もみんな上手い。

内容はいい意味で王道の青春&恋愛もの。筋自体はシンプルですが、映像や演出や芝居できっちり描きこまれているので、台詞の少ないシーンでもとても見ごたえがあります。タイのプーケットの景色をたくさん見られるのも観光映画っぽくて楽しい。
タイのドラマは結構ブームが来ているようで作品数も多そうですが、クオリティだとこの作品が今の決定打なんじゃないかなあ。おそらくこれから世界中に広まって、玄人筋でも評判を(ついでに賞も)取っていく作品だと思います。

20210604

アジアの花

の牡丹が盛りなので一輪拝借。大きさも香りもすごいです。生花って天然のルームフレグランスなのだな。芳香というよりは生きているものの拡散という感じの生々しさですが。

 
おおきい。子どもの頭くらいあります。
思い立って久しぶりにオールドレンズで撮ったのですが、やっぱり出てくる画の質感が好きだなあ。自分にしかわからないくらいの差ですが。ちなみに古いのはレンズだけでボディはデジカメなので慣れればとても手軽です。本当にデジタルとアナログの中間のような雰囲気になるのが面白い。
こういう遊びをするとレンズというものの持続性に感心します。適当なアダプターさえあれば数十年前のものがさくさくとデジタルに使えてしまう。その製品としての強さがレンズならではというか。カメラはレンズが財産だと言われるだけあるのだな。



年前に、WOWOWで「ワガノワ 名門バレエ学校から世界へ ~二人の少女の物語~」という番組がありまして。ロシアの超名門バレエ学校であるワガノワのトップの少女2人が競い合い進路を決めていく、王道の青春ドキュメンタリーでした。面白かったと思う。
2人のうちの1人がエレオノーラ・セヴェナルドという生徒。表現力と主役の華のある美少女で、のちにボリショイバレエ団へ入団することになる本物のエリートです。将来は世界的なスターにもなりうる人だと思う。
番組のハイライトのひとつ(の予定であったろう)が彼女のワガノワ国際バレエコンクールへの参加。普通に考えてエレオノーラが優勝するはずで、本人も周囲も番組もそのつもりだったはず。国際コンクールとはいえワガノワ主催で、そこのトップの生徒なので。

私もてっきり彼女が優勝するのだろうと見ていたら、そこからの展開にえっ?となりました。誰だか分からぬワガノワの生徒でもないアジア系の少女が出てきてジゼルを踊り、その子が優勝したから。エレオノーラは2位。番組の予定と違ったからかコンクールのパートはさらっと触れられて終わり。
しかし優勝した子の踊りを見てああ……と納得しました。つまり衝撃的に上手かったから。短い映像でしたが幽玄や憑依というような印象の演技で、舞台上に別世界が出現しているような迫力でした。あっけにとられつつ、そりゃこんな子に出てこられたら審査員たちもどこの誰だろうと優勝させるよりないよなあと。



そんな少女漫画のような本当にあった展開で優勝をさらった、2016年ワガノワ国際バレエコンクールでの韓国のSoo Bin Leeによるジゼルがこちら。全編見られます。6:00~のあたりとか観客も演技に圧倒されて思わず手拍子しちゃっている。コンクールなのに。私がたまに定期的に見てしまうバレエの映像の一つです。
ちなみにSoo Bin Leeはその後アメリカのボストン・バレエに入団し、今はセカンドソリストとして活躍しているそうです。

20210525

菫とスーベニール

花亭でポイントを貯めるともらえるマグカップ。時期によって柄が変わり、これは最近もらったスミレ柄です。ミヤマスミレだそうな。北海道はすごく多くの種類のスミレが自生している地域でもあります。80種とかあるらしい。


これは家の庭のスミレ。種類は……なんだったっけ。何かです。おい。野の花だからか特に何もしなくても毎年結構律義に咲いてくれる。スミレって首の部分がくにゃって曲がっているところが一番好きだなあ。頭を垂れている形の部分。スミレデザインの物とかコサージュとかも「くにゃ」部分があるものに特に惹かれます。




ットで2000円くらいだったチャイナシューズ(カンフーシューズ)。ここ数年トレンドなので以前よりずっと手に入りやすいです。この値段だとさすがに靴底とかまあまあペラいので長距離歩くのはキツそうですが、近所にちょっと履くのには軽くていい感じ。そして私が着るような服だとわりとなんでも合います。

こういう形のチャイナシューズはガーリー系のファッションでは何気に数十年ずっと定番アイテムでもあると思います。オリーブとか岡尾美代子さんの本とかに出てくるイメージ。昔だと「大中」あたりでガチの中国のものを買う感じのね。
今一般的に履かれている靴って、フォーマルなもの以外はルーツが運動用・作業用の靴が多いですよね。スニーカーはもちろん運動靴だし、ブーツ類も元は山登りや乗馬用だったり。そしてこういうチャイナシューズ・カンフーシューズも元は運動靴であり作業靴なのでは。

運動靴がルーツといえば、最近改めてふと気づいたことが。バレエシューズって今でこそお行儀のよい革靴として扱われがちですが、よく考えると元はバリバリの「運動靴」なのだな?ということ。バレエって強烈に人体を動かし続けるもので、そのためのあの形状の靴なわけで。もちろん舞台なので見た目の美しさもあるでしょうけども。
年代的にはココ・シャネルとかそのあたりの人たちがバレエシューズをファッションとして取り入れ始めたのだと思いますが、当時は相当画期的かつ合理的!履きやす!って感じだったのだろうなあ。ぺったんこの運動靴だもんな。
あと以前ジャンヌ・ダマスが「バレエシューズはブルジョワな感じがするから、それが嫌いなパリジェンヌは結構多いしそういう人たちは持ってない」と言っていて、な、成程……!となった記憶。たぶん今はコンバースやVANSの方が普通に全然多そうだ、パリジェンヌも。

20210503

バミューダ・パンツの夏

ールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしでしょうか。北海道は感染者数も右肩上がりで私も引きこもっております。少しでも落ち着くと良いのですが……。


沢祐仁『かわいいしっぽのペロくん』

『クシー君』シリーズでおなじみの鴨沢祐仁さんのイラスト集です。ちょっと珍しいのかなということで紹介してみます。
かつて80~90年代にPeeWeeという十代女子向けの雑誌がありまして。音楽誌を出版するソニー・マガジン社なのでポップでカルチャーな雰囲気が特徴だったと思います。傾向でいうとOliveやmcシスターをポップにしたような、カラフルでカジュアルな感じかな。当時のCUTIEにも近かったかも。
私はきちんと買ったりする読者ではありませんでしたが、書店に並んでいたのは覚えてますしパラパラ見てもいたんではないかと。わりと近くて結構遠い、「都会育ちの個性的なご近所さん」みたいな雑誌に見えていた気がする。

そのPeeWeeで鴨沢さんは長くイラストを描かれていました。そのどこか中性的でトラッドでお洒落な女の子はクシー君が現代版の少女になったような雰囲気もあります。
私が鴨沢さんの作品に出合うのはもう少し後ですが、初めて見たときに絵柄になんとなく見覚えがあったんですよね。もしかするとPeeWeeで見ていたからなのかな。

 
こういう感じで、女の子がボーイッシュなお洒落をしている姿が描かれています。かわいいしファッショナブルだし細部まで凝っていて楽しい。鴨沢さんはお洒落なんですよね。クシー君もそうだけど、服を知っている人の絵だと思う。

 
セーラーの絵とか、ファッションの面からもこういう絵が一冊の本に残っているのは何気に貴重かも。


私はカジュアルでトラッドでメンズライクな服をよく着ますが、特に深く考えてそうなわけでもなく、単純に好きだし着ていて自然なのでそうなったという感じでもあります。
それは親がアイビー世代だからとかもあるでしょうし、子供時代や十代の頃に「ボーイッシュな服を着たお洒落なお姉さん」という存在が雑誌やテレビに普通にいたことも関係しているのではないかと。
たとえばキョンキョンとか永井真理子とか東京少年とかOliveとかシスターとか、PeeWeeとか。そういえば菊池亜希子さんが「子供の頃に永井真理子さんがオシャレで好きだった」的なことを話していた気が。同世代を感じる。SEVENTEENで篠原ともえちゃんがJaneMarpleのセーラー&半ズボンを着てたのも覚えてるなあ。

なんとなくですが、トラッドな服が流行る時代はレディースの服がボーイッシュ・メンズライクの方へ寄りがちなのではないかと。90年代前半くらいはその傾向があったのだろうし、今もわりとそうかも。雑誌不況の中でもFUDGE・CLUEL・ララビギンあたりは元気な印象ですが、これらの雑誌ってトラッド&メンズライクでもありますよね。

日本の狭義の"トラッド"をすごく単純に『TAKE IVY』=昔のアメリカの男子学生の普段着とすると、その女子版はもはや「パロディのパロディ」な気も。アメリカの男子学生のパロディをする日本の男性の更にパロディみたいな。女子が男子のアイテムを着る時点で「敢えて」なわけですし。意識的なことを表すために全身メンズライクな中にバレエシューズを合わせたりね。
そういう風にして何度も繰り返すトラッドという流行の螺旋の、今よりひとつ前の波の中で育ったのが自分なのかなあ、などと。

20210405

球形照明

る前の読書灯的なものが欲しいなあと思ったのですが、クリップタイプだと気に入ったものがないか高価、電気スタンドはスペース的に微妙で。 
ふと思いついたのがレセップ。レセップとは電球のソケットに台と接続部分がついただけのものです。昔からある電器のパーツですね。ホームセンターに数百円で売ってます。 つまりこれにコンセントとスイッチがついていればミニ電気スタンドじゃん?と検索してみると、やはり既にそういう商品が存在していました。こういうの。
 
これに電球つければできあがり。 ベッドヘッドに置くことを考えてE17の小さいものにしたので手のひらサイズです。好みで磁器製を。
これがなかなか正解で。LEDで熱くもならず、選んだ電球のワット数(今はルーメンか)もちょうどで明るすぎず暗すぎず問題ありませんでした。スイッチも楽。ネジ穴もあるので気が向けば壁に取り付けるかも。

 
この電球まんまな見た目も好き。こういう「電球と台だけ」みたいなものはデザインとして好きです。私はもともと工業用のパーツ類等が大好きで、ホームセンターのパーツ売り場を延々見て回れるタイプです。昔から使う予定もなく真鍮の取っ手とか碍子とか買ってました。でレトロ風よりヴィンテージそのものか、昭和から売られ続けているようなシンプルで簡素な定番品が好きで。もしくは完全に現代のモダンなもの。 

そういう、下手にデザインされたものより工業用のパーツとかのほうが美しいよねという感覚をお店にしたのがD&DEPARTMENTだったり、より先鋭的なセンスが平林奈緒美さんがやっていたGENERAL VIEWだったりするのだろうなあと。ファッションでいうミリタリーとかワークとかか。 
そしてそういう考え方の創始に柳宗悦がいたりするのでは。民芸ってつまるところ「デザインされてないイケてるデザイン・セレクトショップ」だもんな。あと無印良品は明らかにこの流れの企業だよね。 
ひっくるめると、すごく意識して無意識を装う、みたいな感覚だなあ。禅問答?



ッポロ珈琲館・月寒店。佇まいが好きです。入りやすい気安さと適度な格好良さがあって。北海道っぽくもあると思う。設計は倉本龍彦氏。

内装も好き。このミルクガラスのボール照明がポンポンポンと無造作に並んでる感じとか。私はボール型の照明が好きすぎて自分の部屋もそういう感じです。