ここの最上階は自由市場というスペースで、フロア全体が蚤の市のように小さくて個性的なお店がひしめいています。街中のビルの中とは思えない、ちょっと異空間のような場所です。
自由市場は氷室冴子さんの『クララ白書』か『アグネス白書』にも登場するし、穂村弘さんも北大時代に通っていたそうです。 地元民は、特に50代40代以下だと若い頃に一度も行ったことがない人はけっこう珍しいんじゃないかな。それくらい知られた場所です。改めて考えると、街の超中心部にいい意味でどこか怪しい蚤の市的スペースが、主に若者のために40年間も存在し続けていたというのがすごい。
私も十代の頃は友達と行っていましたが、大人になってからはほとんど訪れなくなっていました。そういう人は多いはず。しかし十数年前にふとしたきっかけで再び通うようになりまして。少なくとも年に数回は行っているはずです。
最後かもということで初めてフロアの写真を撮ってみました。昔からずっとこういう雰囲気。昔は雑貨屋さんが多いイメージだったけど、今は古着屋さんが多いかな。今でもちゃんとお洒落なお店が多いのも偉い。これ、下が東西南北になってるって二十ウン年で初めて知った。見てないものだなあ。レンガ模様になってたり街灯があったり、ヨーロッパの街をイメージして作られたフロアだということがディテールにも表れているのだなと気づく。昭和の日本の人が思う異国風ですね。
街は移り変わっていくものだし、私が無くなりゆくものをすごく惜しむタイプかというとそうではないのかもしれません。けれどどこか不思議な、ちょっと異世界のような匂いのする場所が日常の中にいつでもそこにあったということは、とてもありがたいことだったのだろうなと。
一番最近購入した青いストーンのブローチ。なんかどうしても青とか水色が好きなのだな私は。矢車菊のようなデザインでお気に入りです。鳩山郁子さんの漫画を思い出します。コーンフラワー・ブルー。ノヴァーリスの『青い花』とか。こういうヴィンテージのアクセサリーって大きいものも多いし結構独特ではあるんですけど、個人的にカジュアルなTシャツやセーターにあえて着けるのが好きです。で下はデニムとか。パールのネックレスもTシャツやスウェットに合わせるのが自分の昔からの定番。
もともと服がカジュアルだからこそ古めかしい小物がむしろ使いやすいとも言えるかも。クラシカルすぎずに済むわけなので。