KENZOといえばやはり柄のイメージがあります。華やかな花柄、民族調の刺繍、布の上に重ねられた布。つまりは全体が柄そして布というものに集約されるデザイナー、それが高田賢三さんなのかなと。
世の中には布という物体に極端に惹かれるタイプの人がいると思っていて。私は多分ちょっと違うし(好きですが)、たとえばKENZOやドリス・ヴァン・ノッテンやミナ・ペルホネンに非常に惹かれる人はそうなのではないかと思う。タイシルクとかヴィンテージのレース生地をすごい量コレクションする方とか。
布や柄へのそこまでの情熱はなかったとしても、そんな自分でもああこれ好きだなあとしみじみ感じる布をやはりKENZOさんは作り出せる方で。柄に本当に惹かれて数年前に購入したのがこちらのワンピース。
形からしておそらく70年代から80年代初頭あたりのKENZO Paris。なのでフランス製です。KENZOさんがパリコレで華々しく活躍されていた頃のものですね。作りがやはり良くて古いものですが着るとすっと体になじみます。
釣鐘型の花の柄が本当にかわいい。私が持っている服の中で一番好きな柄かもしれません。ベースが落ち着いた青色で麻素材なのもとても好みです。
女性のクローゼットの中にあって、毎日着るわけではないけれども大切にしまっておいて何かふとした時に着たくなる、そういう一着を作り出せるデザイナーがKENZOさんだったのかなと感じます。
2011年、アントニオ・マラス時代のKENZOコレクションの映像。1:36あたりからがKENZOさん時代のヴィンテージを使ったオマージュとしてのコーディネートで、民族調でめちゃかわいいです。これ大好き。音楽や演出も良い。アントニオ・マラスってやたらショーの演出が上手い人だったなあ。
KENZOさんの服はベースに伝統衣装の感覚があるからか、本当に時代を超越したものが多いと思います。数年前にあったKENZO×H&Mコラボもこの時のコレクションが下地のひとつになっていた気がする。