20200222

町は標本瓶のなか


立近代美術館の「北海道151年のヴンダーカンマー」展を見に行ってきました。古いものもあれば現代美術もありというヴンダーカンマー的な視点による展覧会という感じでした。
基本的にコンサバ(だと思う)な近代美術館にしては今風といいますか、楽しい展示だったと思います。

私は生まれて40年弱なのですが、その間にも結構"北海道"の歴史への社会における捉え方や表し方というものが変わったという感覚があります。変わったというか、変えたほうがいいよねという意識が明確になったといいますか。
ここ数年で個人的に変化を一番はっきり感じたのは北海道博物館のリニューアルオープンかなあ。元は北海道開拓記念館という名称でしたが、アイヌの人たちがいたこと、開拓される前から土地自体は当然ずっと存在していたこと、そういうことをきっちり展示にも出しましょうという意図が見て取れたわけです。
今回のヴンダーカンマー展もそういう意識の上に展示を作られているのだなと。

展示全体にすごく多かったのが「標本」で。江戸や明治の昔から今現在のものまで、北海道はありとあらゆるものたちが様々な人たちによってひたすら採集・標本化されている土地なのだなあと改めて思いました。なんかこう、とにもかくにも採集対象なんだな北海道って。
それは結局自然が広大すぎるからだとは思う。なんだかんだ異常ですもんね北海道の自然って。道民ですらおいそれと見て回れない……。


常設展も良くてですね。前回のアイヌの手仕事展のときにも見ているのですが、二度目でもやっぱり良かった。瀧川嘉子さんというガラス彫刻家さんの作品が多く展示されていて、それがどれもとてもかっこいいのです。無色の未来都市のような。


前回訪れたときに過去の図録を欲しい方に差し上げます!と書いてあって、作品が気に入ったのでちゃっかり頂いたもの。