20220806

こどもの革靴


然YouTubeで見かけて気になったピンクフロイドのMV。映像の質感からして有名どころの映画監督が撮ったものだろうなあと思ったら、やはり1982年のカルト映画『ピンク・フロイド ザ・ウォール』が元になったMVとのこと。監督はアラン・パーカー。成程。

曲や内容云々より、画面のインテリアや制服や建物や雰囲気が楽しいです。列をなして歩く子供たちの足元がみんな小さな黒い革靴。その大量の本格的な質感や形に、(一昔前の)ヨーロッパでしか撮れない映像だろうなあと思う。これを一気に用意できるのがイギリスならではというか。
ところどころフリッツ・ラングの『メトロポリス』っぽくも見えます。「マシンのように動かされる人間たち」描写って今も昔もメトロポリスが引用先の定番なのか、映像に詳しくない私でもそれっぽい演出やセットの他作品を複数回は見た記憶があります。ラングって単純に画面の格好良さを作り上げるのがすごく得意な人だったからこそ、今もクラシックとして君臨しているんだろうなと思う。映画ってつまり画だもんな。



まにファッションの情報ってどこから得ていますか? と訊かれることがあるのですが、改めて考えると自分でもあれっどうだっけ? となると最近気づきました。多分十代の頃から目につくものを乱読する習慣がついていて、絶対的なコレという情報源は特にないはず。

ただ今も昔も雑誌は読む。あれこれなんでもパラ見します。喫茶店や(家庭画報婦人画報&premium暮しの手帖ブルータスetc.)、美容院や(お店がタブレットのdマガジンなので何でも)、本屋の立ち読み(今月のFUDGEのロンドンパリスナップ特集良かったです)、ウェブマガジン等々。つまるところ主に時間潰しなのですが。雑誌だしね。
この雑誌不況の世の中で私ほど雑誌をパラ見とはいえ読んでいる人もそういないんじゃないか。今はそれこそdマガジンとかあるし逆に色々見る人が増えてたりもしますかね。

とはいえ「情報の摂取」的な感覚はあまりないかも。大きな流れをなんとなく掴みつつ、きれいなグラビアを眺めているという感覚です。自分にとってはのんびり街を散歩しているようなものなのです。

そんな適当になんでも見る私のネット上のオススメファッション系をリストにしてみようかなと。
AH.H
元ポパイのスタイリスト長谷川昭雄さんのページ。多分世界有数のお洒落なファッション・ページということになるのでは。
嶽本野ばらちゃんの連載を読んでいます。花形文化通信ってウェブに場所を移してもう何十年も続いてるんですね。『それいぬ』の文庫は今も本棚のどこかにあるはず。
愛読者とまで行かないですが公式サイトが充実しているので。メンズ雑誌ビギンの女子版がララビギンなわけですが、最近その更にメンズ版のメンズララビギンという雑誌が出たそうで。ややこしい。「コムデギャルソン・ジュンヤワタナベ・マン・ピンク」みたい(?)
ブログで紹介したことあると思う。一番好きなインテリアのサイトはこちらです。人選がガチ。特に武末ご夫妻と青野賢一さんのお家が好き。


あとたまに買う書籍系のファッションの本たちなども。
『ファッション・クロニクル』は発売前から気になっていてすぐ買ったのですがまだ積読状態です。カラー写真がいっぱいでかなり詳しそうなのでこれで2000円はお得なのでは。
右は『井上保美さんの365日着こなし見本帖』。井上さんは45Rのデザイナー。私の世代だと45rpm studioのほうが馴染みがあります。日本で最もセンスがよくお洒落な女性の一人ではないかと。
『AMETORA』はここ数年読んだファッション系書籍の中で一番面白かった名著。詳しさも筆致もボリュームも「わかるわ~!」感も全部がレベル違いという感じ。オススメです。