20170915

mcシスターおもひつ記



前からいつか書こうかなと思っていた『mc Sister』の話。かつてそういう少女向けファッション誌がありまして。私が十代だった90年代に最も愛読し、影響を受けた雑誌です。2002年に休刊しています。今手元に残してあるのは1997年の2冊のみ。たまーにめくります。


私がmc Sister(以下シスター)を初めて買ったのは1994年9月号。ライオンキングとモデルさんの表紙がかわいくてレジへ持っていった光景を覚えています。この号(高!プレミア!)。当時のシスターは一応の知名度はあるけど大人気ではない、クラスに1人2人読んでる人いるかなあくらいのポジションだったと思います。
ちなみにオリーブは姉が買ってくるのを読むものだった。田舎町の一番大きな書店に毎号2冊しか入荷せず、うち1冊を姉が買っていたらしい。




シスターに載る服はトラッド・定番。時代によってディテールは違うと思いますがトラッドがベースなのは1966年の創刊から不変と思われます。私の頃だとセントジェームスにリーバイスにエルベとか。時代的にフレンチ寄りかな。
私はシンプルでベーシックでどこか制服的な感覚の服が好きですが、シスターの影響が大です。当時誌面を見て買ったようなものって本当に10年20年使えるものが少なくない。エルベ今も持ってるし。上の写真も97年のものですが今見ても古くないと思います。


そもそもmc Sisterのmcとはメンズクラブの略で、つまり雑誌『メンズクラブ』の妹分ということです。メンズクラブといえばアイビー。当然シスターも少女版のアイビーファッションの雑誌ということになると思います。真面目な婦人画報社の老舗男性誌の妹ゆえか、シスターは真面目で質実剛健な印象。西海岸の気楽な兄ポパイの妹オリーブがパリで音楽を聴いているとき、東海岸の大学へ生真面目に通う兄メンズクラブの妹シスターは受験の準備をしつつタータンのスカートについて考えていた……的な違い。
ちなみに創刊号はこういう感じらしい。「街のアイビー・リーガーズ」の女性版が。ネクタイ女子もいますね。創刊号からして「ジーン・パンツとスニーカー」「男ものを着る」「アメリカン・スクール訪問記」とか、なるほど~な特集が。



だからかティーン女子向けの雑誌としては珍しくスペック主義・名品主義っぽさもあったかも。男性誌でまま見る、このメーカーのこれはずっと使える定番!みたいな文言がわりとある感じ。教科書的というか。私がニューバランスなる靴を初めて知ったのもシスターです。95年くらい?確か996が名品としてデーンと載っていて。
別に高いもの買えということでもなくて、作業服店の黄色いウィンドブレーカーが安くてかわいいとかヘインズの白Tを刺繡でリメイクしようとか、チープ・シック感覚があるのも好きでした。あくまで優等生的であったともいえる。 



印象的な特集、97年9月号の「カジュアルおしゃれインターナショナル」。LAの街を歩くティーンの普段着を12ページに渡って紹介しています。ごく普通のカジュアルな少女たちの姿。左ページの上の3人組とか誇張なしで今見ても本当にお洒落だ。
最近思ったのが、これって『TAKE IVY』の女子90年代版では?と。つまり日本ではみんなすごく頑張って洋服を研究して着ているけど、アメリカの子たちは普通のTシャツやジーンズだしそれでいて格好良いよ、という。これもまたシスター的な「教え」であり「海の向こうの"普通"」という異世界であり。そして『TAKE IVY』はシスターと同じ婦人画報社なのだった。



ビジュアルも結構凝っていたかも。安珠さんやヌマ伯父さんのグラビア連載があったり。いつだかサラ・ムーン撮影のグラビアまであった気が(うろ覚えすぎて確証ないです)。
音楽やカルチャーも時折妙に濃い目の特集があって、詳しくない私はよく分からないなーと思いつつ一応読んでいた記憶。シーナさん&鮎川さんのインタビューとか格好良かったな。今思えば結構知識のベースにはなっているのか。



栗野宏文さんのインタビューがあったり。栗野さんだと気づいたのは最近ですが。子供向けに手を抜いたりしていないガチめの内容。



専属モデルたちのキャラクタを詳細に載せるのもシスターの特徴です。女子校ファンタジー感もあった気が。人気シスターモデルであった平山葉子さんのインタビューによると、スタッフの教育も学校的であったようです。
今もたまに田丸麻紀さんの私服ブログ浜島直子さんの私服(ふしぎ発見でも見られます)を見ると、基本がシンプルでトラッドでああ元シスターモデルだなあと思ったり。田丸さんやはまじの私服、思えば20年以上前から見ているな。


シスター現物は古書流通数も少なそうでちょっと入手しにくいかと思いますが、沼田元氣さんの連載が『poemgraphy ほほえみ』という写真集にまとめられています。これ連載から十年くらい経って突然出版されたので当時驚いた。amazonで少し中身が見られます。

20170911

雪と星


幌国際芸術祭の「札幌デザイン開拓使 サッポロ発のグラフィックデザイン ~栗谷川健一から初音ミクまで~」を見てきました。



北海道では開拓の時代から北極星がシンボルとして使われてきました。一番有名なのはおそらくサッポロビールのマーク。雪印のも真ん中に星がある。
札幌市内の建築等にもいろいろ使われていて、私はこれが好きで古い建物に発見するとよく写真に撮っていました。とはいえ地元の見慣れたものなので特に不思議だと思ったことはないですが、道外から来る方には結構独特のものにも見えるかも……?


今回改めて思ったのは、明治や大正の頃に大いに使われていただけでなく、昭和にも平成の今でも意識的に星の意匠が使われ続けているのだよなあということです。公共のものにも商品にも。なのでずーーっと星のマークがある。故に残り続けたということでもあるのだなあと。まあつまりみんな好きなのかもしれない。展覧会のマークもやはり星です。



千秋庵のパッケージ。「ノースマン」の箱は雪の結晶のコースター?入り。私は左上の「月の石」が特に贔屓です。手前真ん中の「北のマドンナ」は北海道ではペン立てとして再利用するという決まりがあります。うそです。



リボンシトロン。かわいい。



NEW ATLANTISさんのロザリオ。かわいい。水色大好きです。
ロザリオってわりあい女性的なイメージであるとかゴスなイメージとかもあるかなと思うんですが、NEW ATLANTISさんのロザリオはどこか少年的で機械的な印象を受けます。直線的なチェーンやシャンデリアのパーツ、鉱物の色合いからそう感じるのかな。