20230126

別世界の普段着

こ一、二年くらい、各国のコレクション写真をざっと見ていてあっこれ好きかも!とブランド名を見ると大抵セリーヌだったりするのです。
しかしその感覚は説明しづらい。分かりやすい特徴があるタイプでもないし、高級だけどカジュアルだしえらくオーソドックスな服だし。でもなんかイイ、という。デザイナーはエディ・スリマン。
言うなれば「超センスの良いブルジョワフランス人の普段着」なのかなあと。普段着といってもそれを作るのは実際にはきっと全然簡単ではなくて、ハイブランドでハイクオリティで実行できる人となるとおそらく地球上に数人で。その一人が今のエディであると。

エディ・スリマンはずっと大人気のデザイナーですけど、個人的には大ブームだったサンローランやディオールオムの頃よりどの頃より今の彼の服が好きかもしれない。大人になって肩の力が抜けた感じが良いのかな。



今のシャネルも結構好きなのです。大帝カール・ラガーフェルドの後を継いだのは右腕だったヴィルジニー・ヴィアール。私は昔から何気に彼女に好感を抱いていて。ドキュメンタリー番組『サイン・シャネル』でカールを手伝う、シックな姿や仕事のできそうな落ち着いた雰囲気に格好良い人だなあと思っていました。
ゆえにシャネルを継ぐと知ったときは逆にちょっと意外だったかも。シャネルも普通にセンスの良いマトモっぽい人格の人がデザイナーになることもあるんだなあと(おい)(※私はカールが好きです)。

今のシャネルは、彼女のその大仰でないシックな趣味の良さが出ていて好きです。カールの華やかさとは結構違う。そこが好き。
そしてそこはエディのセリーヌにも共通すると思う。趣味と育ちの良いフランス人が作る最高峰のパリジェンヌ服というような。アジアの島国の庶民からすると、今もパリのこういう世界って実在するんだ!となるのでありました。


あと今のセリーヌやシャネルを見ているとアルベール・エルバス時代のランバンを思い出します。私は当時のランバンで高級ウェアラブル服ならではの迫力みたいなものを学んだ気がする。エルバスの訃報も悲しかったなあ……。コロナよ。
エルバスのランバン2008年コレクションより。この鉱物みたいなネックレスがすごく好きで覚えてます。今見るとかなりアールデコな雰囲気ですね。

20230114

老舗と若者

喫茶オリンピアに行ってきました。札幌に現存する、歴史あるいわゆる純喫茶というと一番目や二番目に名前が挙がるお店なのではないかな。 
私も存在は十数年前から知っていましたが実際に行くのは初めて。というのも土日が定休日なのです。でなかなかタイミングがないままだったのですが、やっと訪れることができました。経験上、こういうお店は行けるうちにとっとと行くのが吉とほんと思います。

入口から雰囲気充分。ザ・純喫茶という感じ。
ちなみに「オリンピア」とはオリンピックの年に開店したことからだそうですが、五輪は五輪でも札幌ではなく東京のほう。1964年だから59年前かあ。

 
ビルの地下にあるのですが、階段の上のこの店名と装飾がかわいくて好きでした。上に東京オリンピックのポスターが。

 
とっても王道の純喫茶で楽しいです。上の写真、昭和なインテリアの中で隅に「Wi-Fi」の文字があるのがなんか面白いなと。ちなみに繋いでみたら電波バリバリでした。 

興味深かったのが20代くらいの若いお客さんがかなり多かったこと。常連ぽい中高年の方ももちろんいるのですが、半分以上は若者だったかも。昨今のレトロ喫茶ブームもあるのだろうし、そもそも立地や値段も若い人にも気軽に入りやすそうだもんなあ。メニューも色々あるし。老舗というのはこうして続いていくのかも。

 
ザ・喫茶店のプリン。硬すぎず柔らかすぎず美味しかったです。



GuitarricadelafuenteというスペインのミュージシャンのMVらしく。とても綺麗なのですが、見たときに何とも言えず既視感がありまして。
しばし考えて思い出しました。ベルナール・フォコンの写真集だ。全体的な色合いとか、裸に金箔貼り付けてるのとか、廃墟っぽい部屋の中で寝てる感じとか。セーラー着てるし。時代がひとまわりというかふたまわりくらいしたのかしら。

フォコンで思い出した。こちらは日本のバンドのおそらくフォコン風。ガールズバンド・ZELDAのアルバムです。ちゃんと聴いたことないんだけど。ZELDA、すごくおしゃれで私が80年代に16歳の少女だったら憧れていただろうなあと思います。

20230107

凍てつき始め

けましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いします。
12月はこのブログを書き始めてからおそらく初めて一度も更新ができず。もはや自分でも意義もよくわからないブログではありますが(それは元からですが)、月一くらいは書きたいなあと。

近のちょっとしたお買い物。茶道具の「振出」的な、金平糖を入れる小さな瓶的なものが欲しくて、ヴィンテージショップで見つけたこれが蓋もついててなんだか気に入ったので買ってみました。ちょっと怪しい薬みたいだけど面白くていいかな。道具としてちゃんと活用するかは謎。ちなみに本来の振出は全然こんな形ではありません。
写真ではあまりわかりませんが、買ってきた日にゴシゴシ洗っていたらガラスの内側に派手にブラシの傷跡をつけてしまい、アー!ってなりました。


用で旭川市へ行ってきたのですが、札幌を出たあたりで吹雪に見舞われまして比喩的にも物理的にも死ぬかと思いました。昼間に道路の両側に白い雪山が積もった状態で白い雪が吹き荒れるともうね、シンプルに何も見えない。視界の99%が白。ガードレール?センターライン?何それ?状態。
前の車について行くことしかできませんでしたがなんとか無事に帰ってきました。行く道々で道路脇の雪山に突っ込んだ車やパトカーに聴取される車が見えました。冬……。

旭川で通りがかりに入った喫茶店の本棚。古い本が並んでいて面白かった。旭川の作家と言えば三浦綾子ということらしい。
中学のとき『塩狩峠』で読書感想文書いた記憶があります。どうでもいいですが私は読書感想文が結構得意でした。このブログと同じで、なんかそれっぽいことを延々書き続けられるから。「それっぽい」であって基本「それ」ではないのも今と同じだな。