しかしその感覚は説明しづらい。分かりやすい特徴があるタイプでもないし、高級だけどカジュアルだしえらくオーソドックスな服だし。でもなんかイイ、という。デザイナーはエディ・スリマン。
言うなれば「超センスの良いブルジョワフランス人の普段着」なのかなあと。普段着といってもそれを作るのは実際にはきっと全然簡単ではなくて、ハイブランドでハイクオリティで実行できる人となるとおそらく地球上に数人で。その一人が今のエディであると。
エディ・スリマンはずっと大人気のデザイナーですけど、個人的には大ブームだったサンローランやディオールオムの頃よりどの頃より今の彼の服が好きかもしれない。大人になって肩の力が抜けた感じが良いのかな。
ゆえにシャネルを継ぐと知ったときは逆にちょっと意外だったかも。シャネルも普通にセンスの良いマトモっぽい人格の人がデザイナーになることもあるんだなあと(おい)(※私はカールが好きです)。
今のシャネルは、彼女のその大仰でないシックな趣味の良さが出ていて好きです。カールの華やかさとは結構違う。そこが好き。
そしてそこはエディのセリーヌにも共通すると思う。趣味と育ちの良いフランス人が作る最高峰のパリジェンヌ服というような。アジアの島国の庶民からすると、今もパリのこういう世界って実在するんだ!となるのでありました。
あと今のセリーヌやシャネルを見ているとアルベール・エルバス時代のランバンを思い出します。私は当時のランバンで高級ウェアラブル服ならではの迫力みたいなものを学んだ気がする。エルバスの訃報も悲しかったなあ……。コロナよ。
エルバスのランバン2008年コレクションより。この鉱物みたいなネックレスがすごく好きで覚えてます。今見るとかなりアールデコな雰囲気ですね。