20190922

街にある知識


「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を見てきました。フレデリック・ワイズマンの映画を見たという記憶が特になかったんだけど、作品リストを眺めるとそれでも3つくらいは見てはいるみたいです。監督で選んだ記憶がない。巨匠ってそういうものか。
図書館の映画、ドキュメンタリー、ニューヨーク。それはやはり見ておきたいなあということで。ちなみにめちゃ長いです。それでもお客さん普通にいっぱいいました。

「ニューヨーク公共図書館」は、数少ない視聴済みのワイズマン作品「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」に基本が似ている感じがしました。巨大な公共の施設、知識詰まってそうすぎな職員たち、さまざまな利用客たち。視覚障害への取り組みなんかも。「ナショナル・ギャラリー~」のわりと内にこもった感じを、がっつり外との関わりの描写へと時間を割いたのが「ニューヨーク~」という風にも見えた。

全体的にちゃんとした映画で是非みなさん見てみてください、という感じなんですけども。賞もいっぱいとってるし。
個人的な印象の中で特に強いのは、「人間ってめちゃくちゃ見た目に表れるんだな……知ってたけど……」ということで。作中では図書館内で盛んに開かれるトークイベントに世界的な著名人がどんどん出てきます。パティ・スミスとかリチャード・ドーキンスとかエルヴィス・コステロとか。
で、基本的に名前のテロップが出ないのです。パティ・スミスレベルのスターとか、話の内容からああこの人ドーキンスなのかって分かる場合はともかく、そうじゃない場合は基本誰なんじゃろな?となりながら見ている。職業すら分からない。
するとどうなるかというと、この人やけにオーラあるなあとか、なんだこのめちゃくちゃ知識ありそうな人とか、この人なんかずっと楽しそうだなあ陽気、みたいにひたすら見た目と話し方だけで個性を感じ続けることになるという。
そして私が登場人物の中で最も何者なんだこの人、顔に「カリスマ」って書いてあるぞ喋り方もオーラも絶対普通じゃない、と思ったのが若めのアフリカ系の男性で作家っぽい人。帰宅してからなんとなくネットで調べて、彼がタナハシ・コーツ氏であることを知りました。あ、ああ~。
あとユセフ・コマニャカア氏という人(多分)もオーラあったなあ。ニューヨーク大学で教えている詩人だそうです。人間は見た目……。





YouTube上にファッション関連の動画が各方面からアップされるようになって久しいですが、その中で最もおしゃれなものをひとつ選んでくださいと言われたら挙げるかもしれないのはこれかなあと。


半年前に何の予備知識もなく見て、なんだこの完璧に洒落た部屋とカップルとセンス良すぎる服しか詰め込まれていないクローゼットは、と思いました。
あとから彼らが話題の美容ブランド「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」をスタイリッシュに生まれ変わらせた仕掛け人と分かりました。女性のヴィクトワール・ドゥ・タイヤックは元コレットのPRであり、名前からわかるように高級ジュエリーデザイナーのマリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックの妹さんでもあるそうで。納得。

YouTubeって「パリの世界一スタイリッシュなカップルの部屋」みたいな動画と「昨日買ったカップ麺を一人で食べます」みたいな動画が完全に同じフォーマットに収まってるのが面白いなあと思います。それがSNS時代ということだろうか。

20190911

夏に雪


Yさんと久しぶりにお会いして札幌を少しお散歩などなど。9月に入ったのに夏がぶり返していたような気温でした。その分晴天でもあり。
Yさんこと嵯峨景子先生は9月末に著書『氷室冴子とその時代』が出版されるとのこと。少女小説はもちろん、宝塚歌劇、ジブリ「海がきこえる」、少女漫画等々に興味がおありの方もぜひぜひチェックを。


上の写真は札幌市民交流プラザで開催中の「鈴木康広 雪の消息 / 残像の庭」展の作品。窓の外で月面のような雪面のような映像がずっと動いていました。この展示とてもよかったです。ノスタルジックでもモダンでもあって、センスが良くて。市民交流プラザの雰囲気にも合ってたなあ。札幌ということで雪や氷にちなんだ作品が多かったのも好きでした。



2001年の「遊具の透視法」という作品。見てから気づいたんですけどこれ私たぶん当時テレビで見ている気がする。NHKのデジタルスタジアムというアート番組に鈴木さんが参加されてグランプリを受賞されていて。緒川たまきさんが特番か何かに出られていたのもあって記憶にあるんだと思う。
子供たちが遊具で遊んでいる映像が立体的に投影されているのですが、おそらく当時の子供たちでしょうから彼らは今はもう大きくなっていて子供ではないんだなあ。儚い。

 この日はなかなか暑かったのもあり、鈴木さんのひんやりとした静謐な世界がとても心地よかったです。




これは市民交流プラザ1階の森彦。博物的なインテリアでした。森彦はちょっと趣味的な要素をトレンドを交えつつ一般向けのカフェインテリアに落とし込むのが上手いなあと思います。




これこの日撮った写真じゃないんですがたまたまほぼ同じ格好だったので載せておきます(笑)。ブルーのコットンワンピは皴にならず着心地が良くて夏はこればかり着てました。
サービスシューズはなんにでも合うししっかりしてて足も疲れないのでこればっかり履いてしまいます。軍ものってすごいなあ。