20210525

菫とスーベニール

花亭でポイントを貯めるともらえるマグカップ。時期によって柄が変わり、これは最近もらったスミレ柄です。ミヤマスミレだそうな。北海道はすごく多くの種類のスミレが自生している地域でもあります。80種とかあるらしい。


これは家の庭のスミレ。種類は……なんだったっけ。何かです。おい。野の花だからか特に何もしなくても毎年結構律義に咲いてくれる。スミレって首の部分がくにゃって曲がっているところが一番好きだなあ。頭を垂れている形の部分。スミレデザインの物とかコサージュとかも「くにゃ」部分があるものに特に惹かれます。




ットで2000円くらいだったチャイナシューズ(カンフーシューズ)。ここ数年トレンドなので以前よりずっと手に入りやすいです。この値段だとさすがに靴底とかまあまあペラいので長距離歩くのはキツそうですが、近所にちょっと履くのには軽くていい感じ。そして私が着るような服だとわりとなんでも合います。

こういう形のチャイナシューズはガーリー系のファッションでは何気に数十年ずっと定番アイテムでもあると思います。オリーブとか岡尾美代子さんの本とかに出てくるイメージ。昔だと「大中」あたりでガチの中国のものを買う感じのね。
今一般的に履かれている靴って、フォーマルなもの以外はルーツが運動用・作業用の靴が多いですよね。スニーカーはもちろん運動靴だし、ブーツ類も元は山登りや乗馬用だったり。そしてこういうチャイナシューズ・カンフーシューズも元は運動靴であり作業靴なのでは。

運動靴がルーツといえば、最近改めてふと気づいたことが。バレエシューズって今でこそお行儀のよい革靴として扱われがちですが、よく考えると元はバリバリの「運動靴」なのだな?ということ。バレエって強烈に人体を動かし続けるもので、そのためのあの形状の靴なわけで。もちろん舞台なので見た目の美しさもあるでしょうけども。
年代的にはココ・シャネルとかそのあたりの人たちがバレエシューズをファッションとして取り入れ始めたのだと思いますが、当時は相当画期的かつ合理的!履きやす!って感じだったのだろうなあ。ぺったんこの運動靴だもんな。
あと以前ジャンヌ・ダマスが「バレエシューズはブルジョワな感じがするから、それが嫌いなパリジェンヌは結構多いしそういう人たちは持ってない」と言っていて、な、成程……!となった記憶。たぶん今はコンバースやVANSの方が普通に全然多そうだ、パリジェンヌも。

20210503

バミューダ・パンツの夏

ールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしでしょうか。北海道は感染者数も右肩上がりで私も引きこもっております。少しでも落ち着くと良いのですが……。


沢祐仁『かわいいしっぽのペロくん』

『クシー君』シリーズでおなじみの鴨沢祐仁さんのイラスト集です。ちょっと珍しいのかなということで紹介してみます。
かつて80~90年代にPeeWeeという十代女子向けの雑誌がありまして。音楽誌を出版するソニー・マガジン社なのでポップでカルチャーな雰囲気が特徴だったと思います。傾向でいうとOliveやmcシスターをポップにしたような、カラフルでカジュアルな感じかな。当時のCUTIEにも近かったかも。
私はきちんと買ったりする読者ではありませんでしたが、書店に並んでいたのは覚えてますしパラパラ見てもいたんではないかと。わりと近くて結構遠い、「都会育ちの個性的なご近所さん」みたいな雑誌に見えていた気がする。

そのPeeWeeで鴨沢さんは長くイラストを描かれていました。そのどこか中性的でトラッドでお洒落な女の子はクシー君が現代版の少女になったような雰囲気もあります。
私が鴨沢さんの作品に出合うのはもう少し後ですが、初めて見たときに絵柄になんとなく見覚えがあったんですよね。もしかするとPeeWeeで見ていたからなのかな。

 
こういう感じで、女の子がボーイッシュなお洒落をしている姿が描かれています。かわいいしファッショナブルだし細部まで凝っていて楽しい。鴨沢さんはお洒落なんですよね。クシー君もそうだけど、服を知っている人の絵だと思う。

 
セーラーの絵とか、ファッションの面からもこういう絵が一冊の本に残っているのは何気に貴重かも。


私はカジュアルでトラッドでメンズライクな服をよく着ますが、特に深く考えてそうなわけでもなく、単純に好きだし着ていて自然なのでそうなったという感じでもあります。
それは親がアイビー世代だからとかもあるでしょうし、子供時代や十代の頃に「ボーイッシュな服を着たお洒落なお姉さん」という存在が雑誌やテレビに普通にいたことも関係しているのではないかと。
たとえばキョンキョンとか永井真理子とか東京少年とかOliveとかシスターとか、PeeWeeとか。そういえば菊池亜希子さんが「子供の頃に永井真理子さんがオシャレで好きだった」的なことを話していた気が。同世代を感じる。SEVENTEENで篠原ともえちゃんがJaneMarpleのセーラー&半ズボンを着てたのも覚えてるなあ。

なんとなくですが、トラッドな服が流行る時代はレディースの服がボーイッシュ・メンズライクの方へ寄りがちなのではないかと。90年代前半くらいはその傾向があったのだろうし、今もわりとそうかも。雑誌不況の中でもFUDGE・CLUEL・ララビギンあたりは元気な印象ですが、これらの雑誌ってトラッド&メンズライクでもありますよね。

日本の狭義の"トラッド"をすごく単純に『TAKE IVY』=昔のアメリカの男子学生の普段着とすると、その女子版はもはや「パロディのパロディ」な気も。アメリカの男子学生のパロディをする日本の男性の更にパロディみたいな。女子が男子のアイテムを着る時点で「敢えて」なわけですし。意識的なことを表すために全身メンズライクな中にバレエシューズを合わせたりね。
そういう風にして何度も繰り返すトラッドという流行の螺旋の、今よりひとつ前の波の中で育ったのが自分なのかなあ、などと。