20200822

鈍い光

スクが必須の今年、耳にかけるゴムが引っかかったり邪魔になったりしづらいイヤーカフが人気なのだそうで。私はあまり気にせずピアスも着けてしまいますが、実際よく引っかけております。フープとか切れ目の部分にゴム入れちゃうのよな。
そんなことも頭にあったある日、たまたま見かけたポップアップで気に入り購入したイヤーカフが写真の真ん中のもの。hermanasという個人ブランドさんのものです。
★hermanas
こちらのブランド、とてもかわいい。ヴィンテージパーツを使ったピアスや真鍮製のリング等、端正で雰囲気が良くて少しだけ主張がある感じ。丁寧なつくりなのにお値段もわりあいお手頃。後日取り扱いのある別のお店でピンキーリングも購入していまいました。両方かなり愛用しております。

真鍮のアクセサリーって好きだなあと。真鍮はシルバーやゴールドやプラチナに比べるとアクセとしてはマイナーな素材だと思いますが、その「道具」っぽい存在感が好きです。家具の取っ手なんかにもよく使われますね。
あと私は純粋なゴールド色は肌に合いにくいことが多いのですが、真鍮は少しピンクやブラウンがかった色味が多いからか、あまり違和感がないようです。しいていえばたまに磨くとかちょっと手入れは必要かな。

そういえば初めて気づいたのが、自分の耳が今風のイヤーカフに向かない形なこと。多くの人の耳って大抵内側に「山」というかフチがあって今のイヤーカフは大抵そこに引っかけるデザインです。で落ちない。
が私の耳はその山の部分が妙に浅い。下手するとスッポンと外れてしまう。調整や着ける場所を工夫すれば落ちないことも分かったのですが、人生で自分の耳の「山」が微妙に特殊な形状だなんて考えたこともなかったので発見ではありました。いくつになっても知らない身体の部分ってあるものだなあ。




年のレモネード。夏に何かしらのレモネードを飲むというのがここ数年なんとなく習慣?癖?になっていまして。これは佐藤珈琲の。とてもおいしかった。
レモネードっておいしいんですよ。いやそりゃそうじゃないのって感じかもですが、ちょっとお洒落なカフェや輸入ものを扱う店の瓶レモネードともなるとまずハズレなくおいしいです。なのでその信頼もあってよく注文するようにもなったかも。あとやはり夏には限りなく似合う飲み物ですね。

20200814

瓶詰めの夏


族が作ったドクダミのチンキ。40度のウォッカに漬けたものです。ドクダミは庭の。虫刺されにすごく良いという噂を聞いたことがあったので、腕にぷっくり刺された箇所を発見した朝に塗ってみたところ、その日の夕方には跡形もなく消えていてびっくりしました。かゆみもなし。そ、そんな効くことある!? ほんとかなー。ほんとなんだけども。すごい。
写真でこう見ると博物館に並んでる植物標本っぽい。というか実際ものとしてはほぼ植物標本ですね。





見ハッカ通商のハッカ飴。ハッカの葉の形になっていてかわいい。
子供のころから見慣れた商品です。私が住んでいた地域や親戚の家が多い地域って多分、日本有数のハッカと縁の深い場所なんですよね。なので他の地域でのハッカとの距離が逆にわからないのですが、物心つく前からハッカを使った飴やクッキーやミントオイル等々が身の回りにごくごく普通に存在していました。スーパーで買う大福とか饅頭みたいな感覚。
なのでこの飴もあああれだなあという感じ。味は昭和のハッカ飴のそれ。「ミントキャンディー」とは明らかに違う、素朴なおいしさです。松本隆が書くところの薄荷キャンディーはどっちの味なんだろうな。都会の人だから舶来のミントキャンディーのほうかなあ。





野宏文『モード後の世界』
ファッション界にはお洒落な方というのはもちろんたくさんいると思いますが、話すこと書くことをきちんと聞きたいなと思う方となるとそんなに多くはないのかもしれず。私にとって、そしておそらく他の服が好きな人たちにとっても話を聞きたい対象の筆頭であろう存在が栗野さんではないかと。
私ももう十年以上憧れているのかな。栗野さんは長くFIGAROでエッセイの連載をされていたのですが、いつか書かれたものをまとめて読んでみたいなあとは思っていて。今回初の著作を出されたということで読みました。

中身はやっぱり好きだったなあ。面白かったです。私のブログを読んでくれてるような方なら好きかも。いちいち納得するしかないことを淡々と書かれている感じ。この現実的なところが私はすごく好き。ファッションってつまるところ客観性のものではあるでしょうしね。
そしてすごく読みやすいです。意識的にある程度誰にも分かりやすく書かれているんじゃないかな。平素かつ冷静というか。意外と敷居は高くない本だと思います。

個人的には「戦後と草食系男子」の章が面白かったです。栗野さんも草食系を自認されるとのこと。そのあたりが世界にも類を見ない日本人のファッション感覚に関係するのではないかという内容。
戦後の日本人男性のモデルは明仁上皇の草食系男子感にあるのではとか、日本でずっと人気のジャニーズ事務所の子たちは中性的でジャニー喜多川はガチの戦争体験者で反戦の人だよねとか。そこまでちゃんと見ているのだなと。視点の持ち方があくまで市井の商人としてのそれなんですよね。そこが好き。



『モード後の世界』というタイトルも好きで。栗野さんは去年の時点で「モードは終わった」と題されたインタビューをされています。「神は死んだ」みたいだ。これを踏まえてのタイトルだと思う。このインタビューも面白いのでおすすめ。