20180623

ピカビアな夜に捧ぐ


『XIE’S CLUB BOOK ~鴨沢祐仁イラスト集~』 

鴨沢祐仁さんのイラスト集が発売されました。嬉しい。しかも大きめでカラーが多いです。非常に精緻で見ごたえのあるイラストを描かれた鴨沢さんの絵が見開きでたくさん見られて素敵です。
鴨沢さんの本は今は絶版のものが多いと思うので、興味がある方はまずこの本をおすすめしたいです。それで『クシー君の夜の散歩』『クシー君のピカビアな夜』等の名作もぜひ手に取ってみてほしいです。


鴨沢祐仁さんは私がとてもとても好きな漫画家さんです。稲垣足穂の世界をそのまま絵で出現させたような少年的な世界。好きになったのはいつ頃だったかなあ、十数年前だとは思います。
当時は鴨沢さんもまだご存命で、Mixiからちょっとしたやり取りなどもさせていただいていました。意外と?コレクション欲の強くない私が珍しくグッズを集めた対象でもあります。文房具系はもちろんトートバッグとか腕時計とかピアスまで持ってる。私はクシー君にずっと憧れているんですね、きっと。
ちなみにミマスという私のHNもここから来ていまして。クシー君の友達であるうさぎのレプス君はうさぎの星座名です。ミマスとは土星の衛星の名前なのですが、レプス君みたいにカタカナで読みやすくて星に関係のある名前……と考えてミマスになったのでした。


久しぶりにクシー君の世界に触れて、ああやっぱりここが大好きだなあと改めて感じました。煙草をくわえて夜の街を歩くおしゃれな宇宙的少年の世界。ずっと憧れです。





ごく久しぶりに着たワンダフルワールドのトップス。ワンダフルワールドとは、ピンクハウスのデザイナーであった金子功さんがピンクハウス退社後にデザインされていたブランドです。今はもうないのですが、まだお店があった頃に購入したもの。店舗で普通に買った金子さんの服はこれだけのはず。あとメンズのコサージュ。
綿で黒で無地でざっくりした感じなのでぱっと見ピンハ系のものだとわかる人はあまりいないかも。私の着方もいかにもガーリーという感じではないですしね。


明らかに普通でないのはピンタックの細かさ。袖口と裾に十段くらいダーッとミリ単位のピンタックがあってその上に刺繍まで載っている。近くに寄らないとわからない細かさで。ピコフリルも微細。でズレやヨレが一切ない縫製。見るたびに感心もするしちょっとギョッともします。今もこれ作れるのかなあ。十年ちょっと前ですが、既にロストテクノロジーだったりするのだろうか。
縫製技術である時期のカネコ系に勝る服ってあまりない気がします。「日本の最も優れた工業的技術で作られた謎ガーリー」みたいな面白さがある。マシンメイドの少女趣味、みたいな。で超適当に洗濯機で洗っても全く大丈夫です。すごいなあ。


これは綿ですが、カネコ系で自分が興味があるのは基本的に80年代のポリ物だったり。水玉や独特のプリントで丈短めの時代のもの。このジャンルの趣味としては異端……? なのかな。そうでもないか? スカートも広がらないストレートなフォルムのぱっと見普通のレトロワンピ的なやつがモガみたいで好きです。古着で買ったことがあるのもそういうのだけかも。



ちなみに足元はこんなんでした。スカートですらないという。サービスシューズはアメリカではなく仏製だそうで。デッドストックだったのできれいな状態で買えて嬉しかったです。なんかどうしてもこういう靴が好きなんだなあ。