20160726

カラー・パレット


しく?コスメ話など。最近気に入っているNARSのチーク4033番です。とても薄い色で重ね付けしてやっとふわっと色があらわれるくらい。その薄い桃っぽさが自然で使いやすいし、カジュアルでもあり不思議ときちんと感もありで、絶妙な色だなあと。ピンクともオレンジともいえる中間色。ここまで薄いチークは多分初めて使うので、新鮮で楽しいです。普段にもきちんとな時にも。


ちなみに、そうだNARSでチーク買おう!と思い立ってお店で最初試したのはこれより濃い、一番人気という色でした。おしゃれで素敵なパールで、BAさんに試しづけしてもらいウキウキと鏡を見たらばえらく顔色の悪い女がいて衝撃を受けました(笑)。で結局4033にしたのですが。
そんなに人気の色がそんなに似合わない自分とは……と後で思わず調べてみたところ、ブルーベースの人はかなり合いにくい色だとかで。イエローベース向きなんですね。ちゃんと診断とかしてもらったことはないですが、十数年間の数々の経験から察するにまあ私はブルベかなあと。しかしそんなにはっきり違うとは思わなんだ。




NARSはこのパッケージがとても好き。シンプルモダン系だと一番好きかなあ。NARSやボビィブラウン等のメイクアップアーティスト系コスメって、90年代の私がファッション誌を読み始めた時期に出始めでブイブイ言わせていた記憶。揃って黒くてね。NARSは特に格好良さがオトナの世界という感じで憧れていました。見たことがないような色味の粉ものとかあって。
今はもちろんとっくにいい年なわけですが、未だにオトナのものを買う感じがして緊張するなあ。最初にそういうイメージだったものって、どれだけ年をとってもずっとそうかもしれない。





シャドウは最近はマキアージュを。これは春に出た「ブルーレディ」という名前のセットです。そういえばこれも別の色がいまいち似合わなくてこの色にしたのですが、夏らしくてよかったかなと。商品名が好きだしね。
この白まじりっぽい薄い水色と茶ピンクの組み合わせの感じ、とても資生堂なカラーパレット感覚に思えます。ヌーヴとかビバーチェとか、多分もっと昔からずっとあるであろう色のラインというか。薄いグリーンも資生堂のイメージ。エルセリエのパッケージとかロスタロットの蓋の色。あとパッケージならなんといってもボルドー寄りの深い赤。資生堂って連綿と続く色味の基準があるんだろうな。

20160716

むかしのはじめ


イリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット 「自然の鉛筆」

ダゲレオタイプで知られるダゲールよりも前に写真を発明していたといわれるタルボットの、1844年から出版された世界初の写真集をもとに編まれた本。今数多ある写真集というものにも「世界初」はあったんだよなあ。この本の出版は今年です。赤々舎ってどうしてこんなに格好いい写真集ばかり出版できるのだろう。
初期の写真って想像よりずっと画像が細かいし濃淡も繊細だったりして、今とそんなに変わらない感じがします。意外と荒くないというか。今適当に撮った写真で当時より荒いものも普通にあるかも。


タルボットの写真や文章もよいのですが、個人的に好きだったのは写真家の畠山直哉さんの文章。知的で難しいといえば難しいのですが、なんとなくああ分かるなあということを書いてらして。写真史を学ぶ意味でも面白く感じました。畠山さんは最近ドキュメンタリー映画にも。
特に印象に残ったのが、少し前に海外の写真家を志す若者たちがコンテストに提出した作品の多くが、何故か揃ってフィルム写真だったという話。彼らはおそらくバリバリのデジタルカメラ世代なのに。で、なんだか感覚は分からなくもないような?と。
もっと大人のフィルム世代の写真家のほうが今フィルムに敢えてこだわる人の率はむしろそこまで高くなさそうな気がします。完全にデジタルに移行している人も多いでしょうし。今あえてフィルムってノスタルジー趣味みたいでなんかなあという考え方もあるだろうし。もちろん人と場合によりけりにしろ。
デジタルが当たり前の若い世代ゆえに、一時であれ愚直にフィルムにも触らざるをえないというか、経験としてフィルム使ってなんか乗り越えなきゃみたいな感覚ってあるだろうなあと。これだけSNSが発達すると逆にアナログ志向にとかもありそう。


ちなみに「自然の鉛筆」とは=写真のことだそうで。写真は光(自然)で物体の形を描く絵画ですよね。印画するのも銀とか塩とか自然界にあるものだし。つまり自然の鉛筆。





書するときは耳栓をしているかインストを聞いていることが多いのですが、最近はサティが多いです。「グノシエンヌ」がすごく好き。時代的に現代音楽の初期というか一歩手前というか、「乾いた民族音楽」みたいな雰囲気で。
インストだとサティ、グレン・グールド、ビル・エヴァンスとかが多いです。なんかすごいこだわりがあるとかではなく邪魔にならない嫌いではない音を探したらこの辺だったみたいなことですが。中でもサティは感覚的に一番好みかも。
そういえば10年くらい前はやはり邪魔にならないからという理由でフレンチロリータ系ばかり聞いていたなあ。ジェーン・バーキンとかBBとか、まあゲンズブールを。これ系もやっぱり基本がどこかドライというか、重くない感じが当時の自分に良かったのだと思う。環境音楽みたいな感覚だった。




上のグノシエンヌを別アレンジにした「その男、凶暴につき」の挿入曲。これも好きです。
小学生のころ親に連れられて「48時間PART2」(確か「ゴースト」と同時上映だった)を地元の映画館に見に行ったら、ロビーに「その男~」のたけしの等身大の立て看板があってなんともいえない雰囲気を感じたのを覚えてます。テレビで見るビートたけしだけどなんか違う?ような?という。


20160706

服とビデオ


国VOGUEの公式サイトには「Best Dressed List」という長く続く名物コーナーがあります。「今週のベストドレッサーたち」てなことですね。数年前にコーナーの選出・執筆をしているクロエ・マルというVOGUEのエディターの動画を見かけまして、独特のペースと雰囲気の人だなあと印象に残っていたのですが。
最近ふと見返していて彼女が女優のキャンディス・バーゲンの娘だと初めて気づきました。ということはお父さんはルイ・マルなんですね。そう、つまり「さよなら子供たち」や「地下鉄のザジ」の監督の娘さん。へええ~。そういう人が作っているコーナーを自分が見ていたとは知らなんだ。




あ、こんまり(近藤麻理恵)さんの取材もしている。そして捨て方を注意されている(笑)。お洋服やお部屋もさすがにおしゃれだなあ。やはりどこかフレンチ。
ファッション系の動画も色々無数にありますが、VOGUEの動画はどれもさくっと編集されてて見やすいし画面もきれいだし出てくるエディターや芸能人も洗練されてて話し方も上手い人たちばかりで。なんというかVOGUE力というか資本力を感じる……。



ファッションの動画といえばNYタイムズのビル・カニンガムの写真とトークがもう見られないことが寂しいです。
映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」は私がファッションやドキュメンタリーがとりわけ好きだということを引いても本当に素晴らしい作品です。機会があればぜひぜひぜひ見てください。最高です。出てくる人はもちろんみんなお洒落だけれど、私はビル本人の着ている服が一番好きだなあ。



アナ・ウィンターを黙殺できる男……地球上で唯一なのでは。ましてやファッション関係者では(しかもアナなんかちょっと嬉しそう)。