20210801

夏のお嬢さん

CHANEL ROUGE COCO FLASH 102

シャネルの口紅って「化粧品の中の化粧品」みたいなイメージがあります。いつの時代もどこか特別な存在。しかしよく考えると昔はともかく、今はとびぬけて高いものでも入手しづらいものでもないわけで。でもやっぱりなんかちょっと特別なんだな。つまりそれが”ブランド”なのだろうなと。

ルージュココフラッシュは軽い着け心地が好きです。102番はシアーな少し深みのある赤。特別落ちにくいわけでも斬新な機能が入っているとかでもないですが、そのぶん気負わずに使える親しみやすさがあると思います。私は深く考えずに普段使いしています。


シャネルの口紅の定番の黒く四角いデザインは、おそらく1960年代にはほぼこの形状で売られていたのではないかと。つまり半世紀以上はこの感じ。化粧品って老舗でも十年や二十年経てばパッケージをリニューアルするのは普通なので、シャネルは破格にブレない会社のようで。ココ・シャネルというかヴェルテメール一族(オーナー)が? 両方か。
あとこの見た目って元はシャネルの香水から来てるんじゃないかなあ。今も売ってるのかな、この口紅をひとまわり大きくしたような黒で四角のシャネルのアトマイザーがありますよね。デザインは多分そっちが先じゃないかな。シャネルの香水類は半世紀どころか一世紀くらい見た目があまり変わりません。

 
私はメイクアップ用品だと口紅が一番好きなのかもと最近改めて思っています。口紅って実はどうしても必要なものでもないんですよね。眉や肌のほうが手を入れたときの印象の変化は大きいし、今は高機能のリップクリーム類なんかも色々ある。そもそもマスクの時代で本当に不要ということもある。
けれど口紅にしかないムードみたいなものが確かにある。メイクの、分かりやすい効果というよりアトモスフィアに作用するのが口紅というものの力のように感じます。
メイクの仕方としても、ほぼすっぴんだけど今一番シックなブランドの旬な色の口紅は知っていてそれをさっと塗って終わり、みたいな人はすごく好きだなあ。お洒落だと思う。私はなかなかその領域にはなれませんが。

無くてもすごくは困らない。「化粧」の象徴である。どこかレトロな存在感。構造からしてガジェットっぽくもある。金属の小さな筒状であるとか、くるくる回すと出てくるとか。なるほど自分の好きそうなものだ。

ついでに2本目。&beのクレヨンリップのテラコッタ。これ、今時珍しいくらいメタリックなんですよ。オレンジ!メタル!ギラリ!みたいな色。なのですが塗ると不思議にナチュラルでもある。スルスルと塗り心地もよくて、ここ最近一番愛用している色です。シャネルが定番好きのお嬢さんだとすると&beはヘルシーなモード女子という感じでしょうか。