20160630

夏の雪


術の森美術館で「有元利夫 10年の絵と譜」展を見に行ってきました。有元さんの企画展が地元で開かれると知ったときは驚きつつ嬉しかったなあ。実物をまとめて見られる日が来るとは。


有元さんの絵は子供の頃から見覚えがあります。おそらく人気が高い画家さんなので本の表紙等によく使われること、あと雑誌MOEに載っていたのが大きいと思います。誌面に有元さんの絵がふわっと存在していたイメージ。
実物の印象は、とにかく色が非常に綺麗なこと、意識的に古びさせる拘り、クラシカルで詩的でありつつも意外なほどデザイン的・グラフィック的であること。おしゃれなんですよね。大学卒業後しばらく電通でデザインをされていたそうで納得。額装も格好良かった。
「THE MOON RIDERS」「BLACK COMET CLUB」等、足穂の影響を感じさせるタイトルの天体的な作品があるのも印象に残りました。アルルカンのモチーフも一貫して描かれていたよう。
私はクラシカルなものが好きですが、そこにモダンでクールな感覚がプラスされたものに特に惹かれます。有元さんはまさにかも。散る花びらの中をふわんと浮遊できそうな有元さんの世界、堪能いたしました。






何がしかの綿毛が雪のように空から舞っていました。夏の雪という様相。花びら舞う有元作品のようでもあり。




落ちていた何物か。ナニ……?ハチの巣?




この椅子のデザイナーが思い出せずウンウン言ってましたが思い出せた。シャルロット・ペリアンという女性家具デザイナーの1955年の作品です。たぶん天童木工製。ペリアンチェアって名前にもなっているそうです。




ポストカードセットを購入したらなんだかすごい枚数入ってました。左手前の「星の運行」という作品が好き。

20160620

コズミックファクトリー


分の過去ログから。2011年にサッポロファクトリーで撮った写真です(その時のブログ)。天球儀や古い工場の巨大な部品を組み合わせたようなこのオブジェがとても好きで。この時初めて説明文を見つけてそれについて書いたのでした。作品名は「コズミック ファクトリー プラズマ エニグマ(宇宙工房のエネルギーと謎)」。


このオブジェを作ったアーティストはピーター・シャイアーという人なのですが、最近彼の名前を雑誌等で目にします。&Premiamとか、今月のポパイにもけっこう大きく取り上げられていました。マグカップが日本でも人気のようで。何に驚いたって名前であっファクトリーのオブジェの人だ!と思い出した自分に驚いた。
2011年の時点では日本語のサイトにシャイヤーさんの情報は商業系で数件あるかないかだったと思います。個人ブログとかだとゼロだったかも。おかげで英語全然できないのに英文を検索して調べる羽目になってウ……となってたので記憶に残ってるんだと思う(笑)。今は日本語の情報も増えたようです。
そんなに注目してる人もいなかったであろう地元の二十数年前のオブジェが、少なくともその作者は人気になっているようでなんとなく嬉しいのでありました。



今月のポパイには創刊号をそのまま復刻したという付録が付いていますが、私も数年前から同じ号のそういうものを持っています。ただしサイズがこんな。タイムスリップグリコのおまけです。超ちっちゃいですが虫眼鏡を使うとわりと読めます。すごい印刷技術。オリーブと4年の学習も持ってます。
今のポパイ、大ファン!とかでもないですが(女だし)、木下編集長以降のポパイは素直にすごいなと思っています。クラス一の優等生をあえて否定しても意味ないよなあみたいな感覚。装丁から違うもんな。ポパイのリニューアル後、日本のファッションのたくさんのことが一気に変わったなと思います。というか、もともとあったものが可視化されたというほうが近いのか。





元の図書館で昔の本を借りるとたまに付いているもの。若い人は何か分かりますかね?学校の図書館ならまだあるところもあるか。「耳をすませば」でも出てきますね。 この文、普通に読めば本汚さないでねってことだろうけど、本の内容を悪用するべからずってダブルミーニングにも取れるような。とかこれに遭遇すると思います。モリスさんは模様の本(?)とかいっぱい持ってたのだろうか。




『駆込み女と駆出し男』
面白くてびっくり。評判は目にしていましたが期待の10倍くらい面白かったです。展開がどんどん転がって、伏線の回収を楽しむミステリー的な面白さもありました。
台詞が凝っている。気の利いた日本語の流れが楽しいです。雰囲気が勝ちすぎてもはや聞き取れない箇所とかあるんですが、それすら味という感じ。凝った台詞って上手く作らないと上滑りすると思うのですが、役者さんも達者な人ばかりでハマってました。
 陽月華さんを見られて嬉しいのと満島さんは迫力あるなあと。陽月さんはスパッと漢らしいのに芯が清純少女的なところが魅力だと思うのですが、まさにそういう役でよかった。大泉さんも軽やかでイイ塩梅。大泉洋というと、道民ゆえ「水曜どうでしょう」の初期とかリアルタイムでなんとなく見ていた記憶。誰だか知らないけどやたら華のある人が出ているので全国ネットの番組だなと思いきやローカル番組で。初見からそういう印象の人ってスターになるものなのだなあ。

20160611

白黒モダン


の森美術館で「東松照明 太陽の鉛筆」展を見てきました。建物がとてもモダン。外壁はギヨム・ポタジの直筆のペインティングがしてあります。昔は入り口が結婚式場と同じでわりと混乱したのですが(面白かったけど)今はちゃんと分かれてます。


写真展を見るのは久しぶりだったかも。やっぱり好きだな。東松さんの写真だけを見られるのだと思っていたら、春に開催されていた森山大道展の作品も少し見られたのでうれしい。ちょっと行きたかったけど行けなかったので。
東松さんの写真はシンプルに言ってとてもきれいでした。上手いなあーという感じ。今の若い人が70年代にタイムトリップしてその時代を撮ってきたかのようなタイムレスさ。題材はシリアスだけれどどこかおしゃれというか。もちろん計算のものでもあるのだろうけど、おそらく東松さんは体質とか無意識レベルでおしゃれな人なのでは。現代の人がカッコイイ写真を撮りたいときにつくる構図や世界観の、そもそもの理想像ってこういうものなんだろうなあとか。
森山さんはよく北海道を撮られる方で、今回のもそう。北海道を最も生々しく撮れる写真家が森山さんだと思います。リアル感が強すぎてある意味ファンタジックかもしれない。物語的というか。



MIMASに行くミマス……。宮の森美術館の通称?略称?がMIMASといいます。一応言っておくと私のHNのほうが命名は先です(笑)。上のポストカード2枚は森山さんの。工場地帯みたいな煙突が並んでいる風景と、青函連絡船の船上からの風景。



紫陽花珈琲。初めて行きました。広々しててよい雰囲気。カップの形がおもしろかった。




年前にネットで見てから面白いなあと思いつつ詳細を忘れてしまっていた写真の正体がやっと判明。ティム・ウォーカー撮影の2011年の伊VOGUEでした。言われると確かにティム・ウォーカーだ。
「メカニカル・ドールズ」だそうで。靴下留めも使われてるし半ズボンだったりピエロ的だったり機械だったり、かわいい。でっかい発条を持ってるのもかわいいな。日本のストリートファッションの影響も感じます。



動画も発見。これ紙で欲しいなあ。まだあるだろうか。

20160604

ボーイとガール



花亭の「六花のつゆ」。たまに食べたくなります。砂糖の中にミントやコアントローなどいろいろな味のお酒が入ったボンボンです。硝子細工みたいで好きです。並んでいる感じは標本のようでもあり。そのまま食べても甘くておいしいですが、私は紅茶にひとつ入れるのが好きかな。




http://www.fashionsnap.com/collection/takeo-kikuchi/2015-16aw/

ケオキクチのコレクションに靴下留めが。このモデルさんかっこいいな。13年ぶりということもあってか注目されたコレクションだったようで、「ファッション通信」とか映像でも何度か見ていて菊池さんてやっぱかっこいいな~とかぼんやり眺めていたんですが、靴下留めには最近気づきました。ルードボーイがテーマだそうで、イギリスの伝統的な小物が使われているのはそこから来ていると思う。スタイリングもイギリスの人。
メジャーな東京コレクションで靴下留めが外から見えるスタイリングで使われているのは初めて見たかも。私が知らないだけで他にもあったかもですが記憶の限りでは。





菊池武夫さんといえばメンズビギの人であったわけですが、靴下留めといえば当時のJUST BIGIで思い出すものが。


1987年のオリーブ掲載のガーター。上のがJUST BIGIで、下のはMILKだそうで。JUST BIGIってビギグループの若い女性向けラインという認識でいいのだろうか。MILKのは吊り下げ式と思われる靴下留めが少女向けで1987年にあったというのが(「1999年の夏休み」は1988年公開)ほお~となります。



同じ特集に載っていたクードゥピエのガーター。このシーズンにこのあたりのブランドでガーター系のアイテムが一斉に出たのかな。クードゥピエってなんでもきっちりお洒落でかわいくてすごいなあと思います。




ふと思い出したので突然の荻野目洋子さん。1986年。当時の少年系ガーリー衣装という感じ。ショートカットにリボンタイに半ズボンにハイソックス。今でもアイテム的にはほぼ変わらないと思う。こういうある種の「定型」が成立した時代とも言えるのだろうか。曲はダンシング・ヒーローだけど大人っぽいというよりは中性的でどこか人形っぽいイメージで売っていた人なのだなあとちょっと面白い。