20161223

異国から


し前に初めて行ったハリネズミ珈琲店。たまたま通りがかってここにあるんだね!と4階まで。お洒落なカフェには疎いほうで、なんとなく店名は知っていてもどこにあるかとかわからないままのお店がいっぱいあるのです(モノグサともいう)。なので通りがかりで発見すると嬉しい。
お茶も手作りケーキも美味しくてゆったり和めるお店でした。オーブンの中でケーキが焼けて膨らんでいくのが見られて楽しかった。




この日は4丁目プラザで開かれていたアンティークマーケットに行きました。買ったのはフランスのピンズ。水色でロケットモチーフです。買ってから趣味丸出しと気づいた(笑)。シンプルなグラフィカルな絵柄なのも好みです。なんかどうしてもこういうのが好きなんだな。
タンタンと手塚治虫とドラえもんで育っているからか線がシンプルな絵が好みで、正チャンとかクシー君とか高野文子さんとか、つまり「目が点」みたいなキャラが好きです。この世で一番要素を盛りすぎたみたいな世界である宝塚も好きですが。ああでも全部を等しく盛りすぎた絵ってある種のフラットでもあるかなあ。超細かい曼荼羅みたいな(?)。





寒第一的な足元。今年はマーチンを履くことがわりと多いかな。これ自体は買ったのはもう10年とか前ですが。丈夫すぎて永遠に履けそうだけど逆に言うとやめ時がわかりにくい(というか基準がない?)なこういう靴って。雪国人的には靴底がボコボコしてるので滑りにくいのが好きです。同じ理由でLLビーンのビーンブーツもちょっと欲しい。


スカートは古着のカナダ製のウール100のタータン。カナダ製の服って初めて買ったかも。色調がちょっとポップでしっかりした作り。いわゆるヴィンテージショップではなくリサイクル的なお店で買いました。古いものを買うときは特に、ラベルの生産国や素材はチェックします。服の素性を知る保険の意味と、あとオタクなのでラベル見るだけで楽しいから……。欧州製と北米製は基本ハズレはない印象です。あと日本の昭和の服。最近のはものによりけり。
お洒落なものをセレクトしてあるヴィンテージショップも好きですが、玉石混交のリサイクル系はまた違ってテンションが上がるのはあるなあ。宝さがしの感覚ですかね。この間は同じ店で80年代のアツキオオニシのコートを発見しました。買いはしなかったけど。当時のオリーブ的で今のロリータさんも着られそうなクラシカルガーリーでした。


80年代のアツキやビバユーっていつかリバイバル的に人気が出たりするのだろうか。80年代的ピンクハウスはここ数年で一部でリバイバルした気がします。こういうのとかあったそうで。好みが分かれそうな雰囲気だけど私はおしゃれだと思う。あとガーリー系でいうとクードゥピエの古着は別格にずっと人気が高い印象。リバイバル的にというより、物自体がいつ見ても素敵だもんなあ。

20161207

ダイヤモンド電燈飾



けたり降ったりを繰り返していましたがいよいよ積もりました。不思議なもんでこうなるとむしろあまり寒くないんですよね。寒くなりかけが一番寒い。体が慣れるのだろうか。







雪かきが上手い大人ってイケてる大人に感じる。誰に文句を言うでもなく知らぬ間にサクサク除雪を終わらせてる人を見るとちゃんとした頭のいい人なんだろうなあと思います。すっごい早朝でももう綺麗になってたりとか。子供でもそういう子いたりする。その意味では私はまだ全然イケてないな。




月を撮る用のズームレンズ欲しいなあと思いつつ何年も買ってません。これはキットレンズの最大ズーム。多分ガチの望遠って月を撮るくらいにしか使わないのでランクも手軽なものでいいんだけど。とはいえ月マニアでもないのに月を撮るくらいにしか使わないだろう物を買うのがちょっと抵抗ある(笑)。いや好きですけどねお月様。



沢賢治展を見た影響で中島公園の歴史についての本をいくつかパラパラと見ていました。でちょっとインパクトを感じた大正・昭和初期のイベントについての一節。
★『二月十一日の紀元節には大きな池で氷上仮装舞踏会(カーニバル)が行われた。一年のうちでもっとも寒い時期である。』(「札幌 街並み今・昔」)
紀元節に博覧会がよく開かれる公園のスケートリンクで氷上仮装舞踏会(カーニバル)……物語っぽいなあと。これについては以前も本で読んだことがあるのですが、子供たちがサーカスのピエロの格好をした写真なんかもあって本当にちょっとおとぎ話っぽい感じで。


あと中島公園の博覧会関連の文章で気に入っているのは、大正15年の国産振興博覧会についてのこんな一節。
★『ピラスター上部には星形装飾がつけられ、また中央部屋根を段状に葺いて「ダイヤモンド電燈飾」を飾り、屋根上にそびえる中央塔には「北斗星装飾」がつけられた。』(「さっぽろ文庫84 中島公園」)
星形装飾!ダイヤモンド電燈飾!北斗星装飾! もはやどんなんかよくわかりませんが、綺羅綺羅しくてときめくなあと。長野まゆみの世界のような。大正時代のセンスと星マークが多用された北海道のデザイン傾向と博覧会だから立派なもの作るぞーという気合いが合わさってこういう世界観だったのかなあと。


何度も行われた博覧会は札幌の町の発展にとても大きな役割を果たしていて、市電も中島公園の天文台も北大植物園にある博物館本館(南極にいた樺太犬タロの剝製がいる)もそもそもは博覧会を機に作られています。



田今日子の旅行エッセイ「外国遠足日記帖」。岸田さんの文章ももちろん面白いのですが、久世光彦の解説文がまた好きだったなあと最近読み返していて思い出し。これもちょっと書きぬいてみます。

『――たとえばここに、少年の日の秘密の小筐があるとする。この中には細々としたいろんな物が入っている。――ピカピカ光った細身のナイフに、分解しているうちに手のつけようのなくなったバラバラの鉱石ラジオ。万華鏡の中から出てきた色とりどりのガラスの破片に、黒光りした軍艦の文鎮。女の子みたいだと馬鹿にされそうで誰にも見せなかった、蕗谷虹児の便箋に、展翅された片翅だけのミヤマカラスアゲハ。もう音の出ないハモニカと、はじめて吸った煙草の青い空箱。――いまになってそんな物、持ち出してみたって何になるとも思うのだが、かと言ってそんなに場所をとって邪魔になるわけではなし、捨てるほどのこともあるまいと放っておいたら、年月のうちにこれが透明な水の怪物みたいに私のあちこちに染みついて離れない。ちょっと判りにくい喩えかもしれないが、今日子さんは私にとって、そんな少年の日の秘密の小筐のような人なのである。』


引用長すぎた。のですがこれは中略すると意味がなくなるかなあと思いそのまま載せてみます。
昔から岸田今日子という人のことがやたら好きで、上手すぎるお芝居はもちろん、岸田・吉行・富士の旅行番組なんていったらもう夢中で見ていたのですが。なぜ自分が岸田さんにそんなに惹かれるのか自分ではいまいち分からなかったのですが、なんだかこの久世さんの解説を読んで、理由が分かったような気がちょっとしたのです。