20241214

記憶の建物

く行くスーパーがある日グッドデザイン賞を受賞していた。よく行くスーパーがある日グッドデザイン賞受賞していることあるのか。
確かにお洒落というか、古い工場をリノベーションした施設で雰囲気が好きですが。というとなんか意識高い店ぽい?ですが、スーパー自体はすごい普通です。あと小さい。そこが好きなのですが。


グッドデザイン賞、北海道は明らかに施設や建物が多いと思うんですが、まあ単純に土地が余って、いや余裕があるのが大きいんだろうなあ。過去に大賞を受賞しているイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園とか、そもそもあの土地の広さがなければあのスケールにならないわけですし。

そういえば最近モエレ沼公園の建設に携わった方の本を読んだのですが、「イサム・ノグチが途中で亡くなられたために建築がスムーズに運んだ面もあるのではないか」的なことが書かれていて、なんだか納得してしまい。
これ、個人的にも昔から不思議に感じていて。あの巨大な施設を、いかにも癖の強そうな天才を擁して官民で作り上げるって絶対難しそうだけど、よくスムーズに完成できたなあと。実際イサムは過去にも、一度立てた計画を途中で何度も変更して現場が中断されるようなことも結構あった人らしく。アイディアが浮かんじゃうんでしょうね。
がモエレ沼は、イサムがランドスケープや根幹の哲学のような大筋を決定した直後、つまり計画全体の初期に亡くなっています。結果、他の人では替えの利かない重要な芯の部分は天才に作ってもらった上で、その後の建設自体はサクサク進められたのでは。結果的にですが。納得。



のスカートJaneのドンルなんですけど、マジで20年は経っている気がする。着る回数が多くはないしデザインや長めの丈が年齢選ばないし、気づけばそれくらい経っていたなあという。若い頃に買ったのにドンルというのもなんだか自分ぽい。(※ドンル=Jane Marple Dans Le SalonはJaneの大人ライン。シンプルめやカジュアル系が多い) 改めて見るとレースが繊細だなあ。

とはいえJaneはスカートより圧倒的にパンツを持っていました。少年的なトラッドなデザインでクオリティにも納得できるものってあまりなくて、結果的にJaneが多くなっていたんですよね。セールや中古でも買っていたのでそんなすごい合計とかにはなっていないと思う。パンツはガーリーなJane界ではニッチなので、むしろお手頃に入手しやすくもあったかも。

Jane Marple札幌店はその昔MALSA2というファッションビルに入っていて、上のスカートはそこのお正月セールで買った記憶があります。MALSA2はケイタマルヤマも入ってたしルミノアのボーダーやエルベシャプリエも揃ってたし、謎のサイバーパンクみたいなお店もあったし、面白いビルだったなあ。1階は広いトランスコンチネンツの店舗だったはず。THE90年代だ。

20241127

着用水晶

ラックルチルクォーツの指輪。一年くらい前? 買ったものです。ずっとなんとなく大きめの鉱物の指輪を探していて、ルチルなのも存在感のある大きさも気に入って。なんか未来っぽくもある。カジュアルな服や古着にこういうのをポコンと着けるみたいなコーディネートが好きです。


最近ふと、私はモノを買う時に「鉱物っぽい」というのがひとつの基準になっているかもしれないなあと思いました。この指輪はぽいというかまんま鉱物ですが。
どこか鉱物的な印象の茶碗とか。箱とか、シャツとか、デニムとか。素材自体はまったく鉱物とは関係がなくても、受ける印象がどことなくそういう感じのするもの。インテリアでも照明や棚や椅子も総じてそういうものを選びがちだと思います。無意識ですけども。
鉱物が好きだから……というより(好きですが)、自分の中に嗜好のコンセプトがなんとなくあるとモノを選びやすいということですかね。基準点みたいな。それが私はたまたま「鉱物っぽい」であると。

 
そういえば今よく使う香りも「クリスタル」だなと思って一緒に撮ってみました。シャネルのCRISTALLE。これ古いんだけども。最近ボトルデザインが変わったはず。シャネルなのでどちらにしろ大幅には変わりませんが。
そういえばシャネルもどこか「鉱物っぽい」ブランドだなあ。

クリスタルは結構独特の存在だと思います。シャネルだし昔からの定番ですが、No.5のオーラやCOCOの華やかさやCHANCEのようなモダンさには及ばないし、とはいえ軽んじられるほど無名でもないし、なんか古いのにパルファムではなくトワレだし、等々。
香りも、いい香りといえばいい香りだしクリスタルというだけあって爽やかですけど、どうも根本的に癖がある。モス(苔)ですし。なかなか好みが分かれる気が。愛用している私でもいい匂い!という時と、う~む……という時があります。そもそもこの香りがロングセラーというのが不思議といえば不思議。唯一無二なのは確かだと思います。
薄暗い森の奥深く、泉のほとりに苔と水晶が生えていて、もはや家に帰る道はわからないような、辺りに漂う香りはあくまで爽やかな仮面をかぶっているような、そんなイメージ。

シャネルのフレグランスって安くはないですしここ数年の値上げも激しいですけど、ニッチフレグランスが世界中で勃興し価格が高騰し続ける今となっては、もはや結構コスパが良い気もします。クオリティは折り紙つきではありますし。シャネルより高い香水、今もう全然あるもんね。

20241104

北国のワンストラップシューズ

し前になりますが、道立文学館で開催中の「氷室冴子の世界 ふくれっつらのヒロインたち」展へ行ってきました。氷室冴子は北海道出身の小説家であり、1980~90年代に少女小説で一時代を築いた人でもあります。

岩見沢市で生まれ育った氷室さんの幼年時代を詳しく知られたのも嬉しかったし、小説家として生きていく決意をした経緯、少女小説ブーム、映画や漫画の原作、エッセイや大人向けの作品への展開、と時代の変化と氷室作品の関わりとを時系列で見られたのも良かったです。氷室さんの活躍した時代とは、少女たちを取り巻く社会や環境がさまざまに変化していった時代であったのだなということも感じました。氷室作品もそこに呼応していたのだなと。
あと岩見沢って自分にとってちょっとだけ縁のある町かなとも。父親の仕事の関係で子供の頃に連れられて行ったりもしていたし、岩見沢に住んでいた友達もいました。その友達も利用していたJRの岩見沢駅が火事で焼失して驚いたり、数年後新しく建てられた駅舎がグッドデザイン大賞を受賞してまた驚いたり。


個人的に改めてそうか~と思ったのは、『クララ白書』以前と以後でひとつがらりと時代が違う感じがしたところ。というのも、単純にコバルト文庫の表紙がもう違うんですよね。世界観が。
これを書いていた作家さんが、
こうなる。この間たった一年。
『さようならアルルカン』も内容に合っているしとても好きな表紙ですが、原田治のモダンなポップさは単純に世界が全然違う。というか『クララ白書』が今のエンタメ小説の表紙水準と比べてさえオシャレというか。このままグッズにできそうだもんな。そしてこのシリーズで氷室さんは大ブレイクし、少女小説家のトップバッターになるのですね。この2つの表紙の違いが、少女小説界全体ががらりと別のフェーズに変わった時期だったことを象徴してもいるように感じました。
ちなみに今気づいたんですが、ヒロインがストラップシューズを履いているのだなあ。母が作品のモデルになった寮のOGなのですが、昔は指定靴?上履き?が革のストラップシューズだったそうです。女子校だからね。

たぶん私より下の世代の方だとあまりピンと来ないかなと思うのですが、少女小説における氷室冴子の存在というのはとても大きなものがありました。
まず前提として、ネットもケータイもない時代にはコバルト文庫やティーンズハートといった少女小説は十代の女子の中で広く安定した地位があったんですよね。最盛期であったろう80年代を過ぎた私の十代の頃でも、当時一番有名だったティーンズハートの折原みとはよほど本に興味がないとかでない限り誰でも名前くらいは知っていたし、読んでいる子も多かったと思います。当時のオリーブで少女モデル時代の観月ありさが「折原みと先生の作品が好き」って言ってたなあ。後に超有名ナースになる人が『時の輝き』を読んでいたということか。
そしてその少女小説のポピュラリティの下地を作った一人が氷室冴子なわけですね。

氷室作品は私の頃だと、花とゆめで連載されていた漫画版の『なんて素敵にジャパネスク』が有名だったと思います。小説は『銀の海 金の大地』が雑誌Cobaltで連載中で、これもめっちゃ面白かったんだよなあ(未完)。ただ当時の氷室作品は女子がみんな当然知っているというより、本や漫画が好きな子は知っているという感じだったんじゃないかな。
作品自体がとにかく面白いし、既に少し上の世代の作家さんという感覚でありつつ少女小説の重要な存在として厳然とそこに在る、という印象を持っていた気がします。


あらゆる少女のために、女性のために、誰かのために、古代から現代までを駆け巡って作品を書き続けた氷室冴子。彼女は私にとって、架空の大きな女子校の中で代々語り継がれている伝説の先輩のような存在かもしれません。会ったことはないけれど知的で筋の通った、けれど明るくて優しい行動派の同郷の先輩。
まだ読んだことがないという方はぜひ。

文学館のカフェスペースでココアを頂きました。雨の日だったので温かくておいしかった。文学館や美術館に併設された素朴なカフェが好きです。
 
文学館は私にとっての少年世界的スポットでもある中島公園の中にあります。人慣れしていて遊歩道を横切りまくるカモたち。
 
札幌はもうだいぶ紅葉しています。

20241015

靴いろいろ

んだか4枚撮り溜まっていたのでまとめて載せてみます。夏から秋の足元。今年は久しぶりにハーフパンツを結構着ました。元々ずっと自分の定番アイテムではあるのですが、好きな感じのものを入手できたので秋冬もタイツを合わせたり工夫して着ようかなと。

足といえば、夏に足の薬指にヒビが入ってしまいまして。しかも家の中で家具にぶつけて。超痛いわけでもなかったのですが、内出血していく指の付け根を見てこれ病院行かなきゃいけないやつだな……と。後日整形外科で診てもらったら案の定でした。己のうっかりによる骨ヒビのトホホ感はすごい。ちなみに、日本人は裸足で家の中を歩くので指の怪我の原因としてすごく多いのだそうな。
しばらく湿布とテーピングをしていただけで、今はもう痛みもなくほぼ完治しているのですが。未だに歩いているときに一瞬あっ大丈夫か?となるのが面倒といえば面倒かなあ。多分歩き方に変な癖とかがついてもいけないので普通にしていたほうがいいんですが。




 
ョンキョンの1987年のMV。衣装がヴィヴィアンのミニクリニです。あのミニーちゃんみたいな赤白の水玉のやつ。みたいなというか、実際ディズニーからのインスパイアでもあったはず。
当時のコレクションのデザインについては『VIVIENNE WESTWOOD ヴィヴィアン・ウエストウッド自伝』で詳しく読めます。ルックを詳しく見るなら『Vivienne Westwood Catwalk: The Complete Collections』。ヴィヴィアンについてなら知るならばこの2冊が大方のことをカバーしていると思います。後者は札幌の方は図書情報館にありますよ。貸し出し禁止なので逆にいつでも読める。コピーもできます。

この時代のキョンキョンの衣装は本当にお洒落だし、スーパートップアイドルだったので曲にしろMVにしろCDジャケットにしろお金も手間もかかっていて見ごたえがあります。私はこの時代のヒロミチさんのVIVA YOUが好きなのですが、つまり≒キョンキョンの衣装の時代、ということなんだろうな。



80年代のキョンキョンとヴィヴィアンといえば、映画「怪盗ルビイ」。監督はレミレミの旦那様こと和田誠。相手役はエミー賞俳優・真田広之。内容はあんまり印象に残ってないけど(笑)、衣装がひたすらお洒落でライトだけど全体にお金がかかっていてキラキラしていて、バブル時代の正しきアイドル映画という感じがします。
主題歌の「怪盗ルビイ」も歌番組での衣装がどれもかわいい。作詞は和田誠、作曲は大瀧詠一。YouTubeにいろいろ落ちてるので興味ある方は検索してみてください。


最近ふと思い出したのですが、私が初めてヴィヴィアンのロッキンホースというものを知ったのはおそらく、十代前半の頃に読んだananのキョンキョンの連載『パンダのanan』です。愛用中という私物のロッキンホースの写真を載せていて。この連載は90年代ですね。「セッシュウ・シューズ達」として紹介していたと思う。(※セッシュウ:踏み台に立って背を高く見せること。戦前のハリウッドスター・早川雪州が由来) 靴にしてはなんか変わった形だな??と思ったのを覚えています。

20240916

倫敦少年・露西亜少女

し前に東京で開催されていた高田賢三展。私はもちろんというか行けていないのですが、動画を見ていておおと思ったものがあり。 
この探偵少年みたいなルック、女性が着ているしクラシカルだし少年っぽいですよね。しかもこれ、四谷シモンさんデザインのマネキンなのだそうな。納得。更に言うとシモンさんの作品で「女性が着ている」少年的な服装のものは初めて見たかも。 
ちなみに四谷シモンさんは私が知る限り、最も早く少年×靴下留めを作品として作られた方です。(それについて書いた過去ブログ

数年前に見た1970年のananの創刊号にもまさに探偵少年っぽいコーディネートが載っていて、この時代に既に少年っぽい着方がグラビアで作られていたのだなあと印象に残っていまして。女性が着ている少年的なファッションとしては80年代のオリーブより更に遡ります。でどっちもマガジンハウス。
ロンドン特集。ユリさんは体型がめちゃくちゃ少年なんですよね。これはどのブランドの服かとか分からなかったのですが。現地調達か、金子さんの服かな。KENZOだったりしたのだろうか。

そういえばピンクハウスに代表される金子功さんの服ってすごく少女的だけれども、ミューズとして着ていたのは長身で少年っぽいユリさんだったというのも特徴な気がします。
ラルフローレンの花柄ワンピとかに通じる感覚かも。ローラアシュレイとかね。服はロング&フリルで女性的だけどモデルは長身サッパリ系アメリカーナ、みたいな。

 
このあたりのガーリーさもすごくKENZOを感じます。上とかほとんどアイドルの衣装みたい。これは80年代初頭かな。
KENZOはサンローランとの同時代性もとても感じる。民族衣装的なところとかカラフルさとか。同世代のパリのトップデザイナー同士、影響を与えあっていたのだろうと思います。サンローランのパリシックに中原淳一少女印と木綿の素朴さをプラスしたのがKENZO、みたいなイメージもある。
そして文化の同期である金子功とKENZOさんとは、パリと東京に分かれた双子のような対称でもあるかなと。さまざまな面で。どちらもフォークロア+日本的ガーリーの代表例であり、DCブームの先駆けであり。


KENZOのガーリーなドレスを着る1981年のイザベル・アジャーニ。カンヌ映画祭らしい。
KENZOはパリのブランドなので、ライセンスではないピースだと日本よりむしろ欧州のほうがヴィンテージも残っている印象があります。Etsyとかでよく見る。


KENZOさんって改めて考えると、一人の若者が船でパリへ渡って単身デザイン画を売り込んでトントン拍子に取り立てられて店出して仏版ELLEの表紙飾ってパリコレ出て即ブレイクして世界的超有名デザイナーになって日本でも国中あらゆるところに服やグッズが溢れて、という、いや昭和のファッションもの少女漫画でもそんな展開編集者に却下されるよ! な人生を地で行った人なんですよね。モード版大谷翔平。もちろん本人の才能と寝る間も惜しむ努力あってこそでしょうが、わりと普通ではなさすぎるな。

20240827

モードと少年

ラペラ系のトートバッグが好きです。これは最近サブバッグにと思って新調したものなのですが、ぽんぽん何でも入って便利なのでついメインとしてこればかり使ってしまっています。きちんとした革バッグの日常使いが永遠に身につかない気がする。まあ夏らしいしいいかな……。
ちなみにこのバッグ、繊細そうに見えますがナイロン製で数キロとか耐荷重あるらしいです。なので突然ジャガイモとかニンジンとか買っても全然大丈夫。丸見えにはなるが。


は今年はなんだかVANSを履くことが多いです。このオーセンティックは数年前に鮮やかなグリーンが気に入って買ったはいいものの、いまいち服に合わせきれなくてあまり履いていなかったものなんですが、今年はけっこう出番が多いです。以前に比べると色を使うのに抵抗がなくなってきたのかも。

私は昔からいつかは自分の定番のローテクのスニーカーブランドを、ひとつに決めたいなという気持ちがありまして。決めたほうがなんかラクそうだから(笑)。
オールスターやスペルガも好きだけどソールがちょっと不安(いいソールのモデルもありますが)、Kedsは常に同じモデルが入手できるか微妙、スタンスミスは素材的に夏ちょっと不安、トップサイダーほどアイビーの人間ではない……とか色々考えると、VANSってデザインも履きやすさもお値段もほんとちょうどいいなと思うんですよね。入手もしやすいし。
しかし、VANSといえばスケーターに愛されるブランド。私は我ながらスケーター的なノリが一切ない人間なので、ふさわしくないのでは?みたいなところがネックではあります。というかそんなのつらつら考えるあたりがまさにオタクっぽいなあ。




NCT WISHの、ミニドラマ?みたいな動画なのですが。まだ十代の子もいるグループなので半ズボンの少年衣装が多くてかわいいです。むしろ半ズボン以外の衣装の印象があんまりない(笑)。ちょっとした動画やMVなんかも少年版のウェス・アンダーソンみたいな画面が多くてかわいらしい感じ。
メンバーの半分以上が日本人なのも関係してか、ほんとに二次元のようなザ少年!というイメージで作っているグループなのかなと思います。十代だからにしても、ほぼ常にそうなのはKPOPでも結構珍しい気もする。とはいえ今の年齢ならではかもですね。

雑誌の表紙。やはりというかセーラー+半ズボンもあり。ファッション誌なのでセーラーもギャルソンとかだったり。

20240717

VivienneとJUNICHI

本野ばら『ロリータ・ファッション』
鈴木真理子『ゴシック&ロリータ語辞典』

ロリータ・ファッションについての本を2冊読みました。嶽本野ばらちゃんの本とゴシック&ロリータバイブルの編集長さんの本なので、相次いで決定版的な本が出版されたのだなあ。ロリータブームも落ち着いて久しいかと思いますが、一回りした今だからこそ歴史や知識をまとめる気運があるのでしょうか。

どちらの本にもヴィヴィアンの85年のミニクリニコレクションからのロリータへの影響が触れられていて、やはりそうなのだなあと納得したり。
古賀令子『「かわいい」の帝国』にもありましたが、パンクでセクシーなヴィヴィアンを日本の女子が「かわいい」と換骨奪胎し、ミニクリニやハリスツイードコレクションから影響されてできた型が現在のロリータの基、というのはリアルタイムで見てきた方たちからしても実感なのだろうなと。
ロリータだけではなく、80年代はヴィヴィアンから日本のファッション界への影響が絶大だったということだと思います。特にDCブランド。裏原系や今のハイブランドにまで繋がるしね。


あとちょっと驚いたのが『ロリータ・ファッション』のあとがき。私が偶然つい数日前に見つけて保存したオリーブの中原淳一特集について書かれていたから。野ばらちゃんに加えて丸山敬太さんとマッセメンシュの高橋正明さんがインタビューされていたので保存したのでした。
マッセメンシュ、昔から好きで。フォルムが美しいんですよね。でこの3人って私の趣味まんまみたいなメンバーではあるので、あっそうか私って「中原淳一の息子たち」が好きなのかと腑に落ちて。

ロリータは見るのは好きですしJaneも着ますが、私自身はロリータではなく。トラッドやボーイッシュがメインですが、他にそれこそマッセメンシュとかケイタマルヤマとか金子功さんKENZOなんかも嗜好の中にはあると思います。そして彼らはみんな中原淳一の影響を公言しているのです。それは後から気づいたのですが。
中原淳一は日本の少女文化やガーリーファッションの巨木の幹みたいな存在ですから、ロリータも広い意味で影響下にあると思いますが、「息子たち」はいわば直の二代目というか。なるほど私はそこが好きなのか、と今更ながら納得したのでした。



映画「ジャンケン娘」のワンシーン。中原淳一がデザインした雪村いづみちゃんの衣装のすべてと舞台セットが好きすぎる。私の好きなガーリーは、詰まるところこれなんだろうなあと思います。

20240707

クウネルとオリーブ

に履きたいサマーウールのハーフパンツに合うかな、と思って靴下屋でソックスを買いました。意識してなかったけど私は今はグレーが気になっているのか。ライン入りのやつがちょっとスポーティで気に入ってます。

ハーフパンツも今年買ったものなのですが、お店でウールだな?秋冬?と一瞬思ったけど店員さんによると春物らしい。確かに薄いしサラサラ素材。北海道なら夏でもいけそう。しかしこれサイズがなかなかのギリです。形が気に入ったから買ってしまったけど1ミリ太ったらアウトそう。大丈夫なのか私。

 
足元つながり。この靴は数年前に買ったCatworthのかわいいやつなのですが、普段の私にはちょっとよそゆきガーリー感なもので未使用のまま積読ならぬ積履?になっていまして。で最近いやこれエナメルだし使わないとそのまま劣化するんじゃ、と引っ張り出して使うことにしたんでした。
Catworthってダンスシューズのメーカーなのでサイズさえ合えばかなり履きやすいです。リボンで結ぶデザインなのも横幅の調整が効いてよいかも。レペットとかもそうだけどダンス系ならではのプレーンなデザインって好きです。無駄がなくてつるんと綺麗で。




まに行く隣町のカフェのスコーン。素朴なお店なのですが手作りのケーキ類がどれもおいしいしスコーンも正統派でクロテッドクリームとジャムをたっぷり添えてくれるし、好きなお店です。お値段もお手頃。
こういう感じのスコーンをぽんと出してくれて、アールグレイをポットでたっぷり淹れてくれるようなお店ってなんだかんだすごく貴重だよなあ。街中でも紅茶専門店以外だとほぼない印象。

あとこのカフェ、クウネルの創刊当時からの00年代のバックナンバーがずらっと数十冊揃っているんですよ。当時リアルタイムで読んでいた号もありますが、今改めて読むと新鮮で、こんな人が出てたんだ!ということも多いので行くと眺めてしまいます。

上の写真はこの日パラパラめくっていておっとなった蝦名芳弘さんの記事。オリーブの元編集長で、しかも1983年に女子大生路線からリセエンヌ・少女路線に変わった頃の編集長という人です。そう、少女路線の最初は淀川美代子さんではなく蝦名さんなのです。
しかもその後マガジンハウスを退社して骨董店を開かれていたと知り、一体どういう方なんだろう??って昔から気になっていて。その骨董屋店主としての姿が記事になっていて興味深かった。この頃のクウネルてやっぱなんかこう、独特の鋭さだなあ。

↑これが少女路線に変わった1983年のリニューアル第一号。この表紙を初めて見たときに私ちょっと驚いたんですよね。というのも右のモデルさん、セーラーだしパンツスタイルだし少女だしショートカットだし、つまり少年装(という言葉は当時ありませんが)じゃん!と。オリーブが少女路線になった最初の号のしかも表紙に、既に少年っぽい格好の少女が載っていて、しかもその服がセーラーなのだなあと。

ちなみに少年装っぽいコーディネートでいうと、マガジンハウスを更に遡って70年代のアンアンにもそういうスタイルは見る印象です。ニッカボッカの探偵少年みたいな感じとか。もちろん女性のモデルで。この会社が作る雰囲気のひとつの様式みたいなことなのかも。

20240608

ハイエンド・オリーブ・ボーイ

イ・ヴィトンの2025春夏メンズプレコレクション。
これもう1987年のOliveに載ってるオリーブ少年ですって言われても驚かない。ベレーにジャケットにロゼットにハーフパンツにリボン付き靴下(!)にTストラップシューズ。でモノトーン。もはや俺か?俺なのか??くらいの感じがする(笑)。値段が0ふたつくらい違うでしょうけども。

デザイナーはもちろんファレル。ファレルとかキム・ジョーンズ(ディオール)とか、この辺りの裏原というかNIGO一派的な人たちって、日本人みたいな洋服の趣味だなと思います。いや洋服作ってる西洋人に対して日本人みたいっておかしな感想なのですけども。でも本当にそう思う。で軒並みハイブランドのデザイナーになっているという。
確か『AMETORA』にも書かれていましたが、裏原ってつまり「DCブランド+アメカジ(トラッド)」ですよね。それが30年後の今、ヴィトンやディオールやKENZOのメンズ服として出現しているみたいな感じがします。高級少年トラッド服。

そういえば、NIGOはオリーブ少年であったことを自認しています。Oliveを読んだのがファッションに目覚めたきっかけなのだそうな。80年代の少年だなあ。今のKENZOも少年少女的なDCブランド服みたいだしね。
つまりNIGOって元オリーブ読者のパリコレデザイナーなんですよね。しかもそのブランドがDCブームやガーリーの先祖でもあるKENZOという。円環っぽさがあるな。

Sleeping Beauties: Reawakening Fashion (amazon) 
 裏原で思い出した。今年のメットガラのカタログの表紙が、アンダーカバーの薔薇が入ったドレスです。メットガラの今年のテーマが「The Garden of Time(時の庭)」で、この標本的ドレスがドンピシャだったようで。コレクション発表時に印象的でブログ書いてたんだった。
ジョニオさんはヴィヴィアンが日本でショーをしたときのモデルでもあります。 当時まだ文化の学生だったらしい。そしてもちろんNIGOの相方ですな。

 


チュラグラッセ UVプロテクションベースMT (夏限定商品 2024ver.)

リピート購入品。なんか私コスメというと日焼け止めのことばかり書いているような気がする。まあ選ぶときにある程度シリアスになるのって日焼け止めくらいではある。敏感肌なので合わないと肌にダイレクトに影響するアイテムなんですよね。逆にいうとここが合っていればその上に塗るものはわりとなんでも大丈夫。

ナチュラグラッセのこれは今まで使った日焼け止めの中で一番かもというくらい気に入っています。使い心地が軽くて、一日経ったときの肌への負担感が薄いのです。
そもそも日焼け止めってある程度の負担はありますよね。敏感肌用やオーガニックであれ。それは紫外線防御の必要悪として受け入れているのですが、この商品は私にはその負担感がなぜかだいぶ少なくて、使い続けても辛くないのです。

ミントの香りが好きなのも使いやすさにすごく関係していると思う。ミントって日焼け止めとしては珍しいのかな。去年コスメショップでなんか良さそう~と買ったので夏限定なのも後で知りました。で2024版が出るのを待ってリピート購入。
ちなみに配合するミントが今年変わりました!とサイトにあってへ~と思っていたら、北海道産の和ハッカになったそうな。地元の名産品すぎてちょっと笑ってしまった。なんなら個人的ルーツくらいの近さ。使い心地は特に変わらないけど、しいていえばスッと感が若干強まった、ような?

20240603

クラゲ培養ラボ

先でちょっと時間があり、そういえば近くに水族館あるなあと思い出して行ってきました。AOAO SAPPOROは大通のビルの中にある水族館です。上の写真はクラゲの水槽。ちょっと宇宙船の窓みたい。
 
この施設はコンセプトが結構練られていて、水族館というよりは全体的に理化学の実験ラボのような雰囲気です。入って最初にあるコーナーもこういう実験器具の棚があったり。
 
水槽の生物に合わせてひとつひとつ本が組み合わせて置かれているのも面白かった。これはサカサクラゲと小川洋子『からだの美』。他にはシマウミヘビとミシェル・パストゥロー『悪魔の布』とかもありました。なるほど。
 
こういうSF映画に出てくるような変わった形の水槽が色々あります。
 
これはスタッフ以外立ち入り禁止の部屋。なんだけど外から見られるようになっている。職員さんが生き物の世話をしていました。
 
ペンギンもいます。陸地のデザインがかわいい。夏に来ると涼しくてよさそう。夏休みはお客さん多そうですが。


札幌の施設って、なぜか昔からちょっと理科的だったり工業的だったり近未来っぽかったりするデザインやコンセプトのものがわりと多い印象があります。モエレ沼公園とかサッポロファクトリーとか、札幌国際芸術祭もそうかも。まあ寒いからそういう雰囲気が映えるのかなあ。あともしかすると北大という存在の影響もあるかもしれない。

理化学や博物系のものを売っているヴィンテージショップや雑貨店も結構多いような。トレンドを別にしても昔から一定数ある気がします。逆にすごくガーリー!みたいなものが他の街に比べると少なめなのかも。全体的に中性っぽいというか。
洋服も、たとえばアナトミカの札幌店はあったりするしARCH(genre)みたいな店もできるけど、キラキラふわふわのガーリーなショップは多くないかもなあと。そういえば。



ールタウンの「サイゴンフレッシュ」で飲んだチェー。南国の果物がなにがしか色々入っていて甘くておいしかったです。ドリアンありのバージョンも選べたんだけど勇気がなくて今回はなしに。このお店はバインミーがメインなので今度はそっちを食べてみたいです。
チェーってものすごく久しぶりに飲んだ気がする。もしかすると前世紀以来。雑貨店のチョロンにカフェがあった頃の。なつかしい。

20240510

老舗ガーリー

のチューリップ。春だなあ。とか言ってる間にもはや初夏では?みたいな気温になったりして一年が早すぎる。
後ろの右側の箱は最近買ったイギリスのヴィンテージのブリキ製で、抹茶を点てる道具を収納する茶箱にしています。全然本格的なものではありませんが。
私の部屋はすごく物量が多い方ではないと思いますが、なんだかんだとよく分からない雑貨やガラクタたちがこまごまあります。多分、「物が色々ある」と「整理はされている」が両立している状態が好きなんだと思う。博物館的なことですかね。



し前に買ってよく使っているマグカップ。ウェッジウッドのクイーンズウェアというシリーズのものです。
これ、多分ウェッジウッドの食器の中でも最も手頃なシリーズなんじゃないかなあ。マグなら1000円台とかで買えます。業務用のホワイトコノートも同じくらいかな?
手頃なだけあって気を遣わずに日常使いしやすいマグです。デザインもかわいらしい植物の装飾がありつつもどこか素朴で気取らない感じ。いい意味であまりウェッジウッドっぽくない製品かも。

そんな手頃さでありつつ、実はウェッジウッドの中でも特に古いシリーズのひとつだそうで。クイーンズウェアという名前からも分かる通り英国王室のクイーンのお気に入りのデザインだったのですが、クイーンといってもエリザベスでもヴィクトリアでもなくその更に昔、1761年から在位したシャーロット王妃を指すのだそうな。つまり約260年前から売られているという。
 
私がこの食器を知ったのは松山猛のエッセイ本でした。松山猛というと私の中では台湾茶と腕時計の人、あと「ワーズワースの庭で」の人というイメージですが、古い洋食器などについてももちろん詳しいのではないかと。
本のタイトルは『めるかと』だったかな?(※訂正。『松山趣味』でした。)ロンドンの蚤の市で手に入れたというクイーンズウェアの話が出てきて、なんとなく気になって頭に残っていたのでした。しばらく後に偶然店で見かけてあっこれ本で見たやつだ!となり購入。
松山猛の本に載っていたのはカップ&ソーサーですしそれが王道なのだと思いますが、私はマグばかり使う人間なのでマグに。260年愛されているだけあってか、かわいらしくも不思議に懐の深い使いやすい製品です。




秋ちゃんのYouTube、日本のガーリー・ストリートファッションをど真ん中で歩いてきた人ならではの知識の層や彼女ならではのセンスがあって、見ていて楽しいです。
ヴィヴィアンもパンクもJaneMarpleもMILKも古着もオリーブもセブンティーンも、まさにその現場でリアルタイムで着てきた人だもんなあ。CUTiE等ファッション誌の読者モデルがキャリアの最初という人ですし。
なおかつ今もそういう服を着てテレビやメジャーなフィールドで活躍し続ける有名人でもあるという。同じような存在って彼女以外には全然いないのでは。篠原ともえも近いけど、ともえちゃんは今はプロのデザイナーですしね。

私は単純に彼女のお洋服を着るセンスがあるところが好きです。何を着てもちゃんとオシャレに仕上げる点は外さないのが。
ヴィヴィアンにしろピンクハウスにしろJaneMarpleにしろ、一歩間違えると何とも言えず面白い感じになってしまう服ではありますよね。面白いのもそれはそれで魅力たりうる服でもあるのですが。
でも千秋はコーディネートや着こなしがある種の冷静さに貫かれていて、常にバランスの取れた「今」の着方になっている。そして私はそういう服の着方をする人が好きなんだと思います。服への俯瞰があるというか。
それは千秋が根本的に賢い人だからもあるでしょうし、タレントという職業上でもあるでしょうし。ぱっと見浮世離れしつつ地に足がついているといいますか。客観力がめちゃくちゃあるんだろうなあ。

そういえば持ってます。発売当時の記憶もありますが、1998年ということはもう26年前なのか……。若き日のイガリシノブさんもスナップで載っている。

20240410

春のミニマル

THREE チーキーシークブラッシュ 08 ETERNAL TRAVELLER 
長いことチークを買っていないな? と思ったので新調してみました。THREEは好きですがチークは初めて。ナチュラルでちょっと日焼け肌っぽくなる色です。このシリーズでは一番薄い色じゃないかな。
チークはここ数年はベージュ系が好きです。色を加えるというより頬の面積を埋める感覚でしょうか。チークって無かったとしてもメイクとしては一応成立してしまうものでもありますけど、うっすらとでも入っているとやはりなんとくバランスが締まるので面白いなあと思います。 

パッケージが想像以上に薄くて小さい。よくできてるなあ。プチプラのミニサイズのチークより小さいくらいでは。 
THREEの商品ってデザインも中身も相当しっかり練って作られてるんだろうなあと、素人目にも分かる精巧さがあるなと思います。そこが好き。デパコスですし安いブランドではないですけど、質から言えばむしろ結構安いくらいなのでは。 
今までパッケージデザインを手がけた人だと吉岡徳仁、平林奈緒美、nendo等がいるそうな。錚々たるという感じですね。大物デザイナーを度々呼んで作ってもらうこういう感じ、ちょっと昔の資生堂のようでもあるなあ。


なのでスニーカーなども始めました。VANSのエラです。半年くらい前に買ったもの。北海道の冬にスニーカーはなかなか危険なので雪が解けたところでおろしました。
VANSって好きなんですけどオーセンティック派だったんですよね。あのドシンプルな「ズック」ぽさが好きで。
初めてエラをちゃんと履いてみて思ったんですけどあれですね、エラのほうが楽ですね(笑)。クッションが効いてるし全体的にフカフカしてるし。さすがスケーター御用達。

わりと久しぶりに白いスニーカーを履いたのですが、やっぱり便利だなあと。この世で最も合わせやすい靴って白スニーカーだと思う。同率でローファーとかプレーントゥの紐靴かなあ。女子なら黒のバレエシューズも入るかしら。