20230617

神様兼親爺

キミは知っているか。スマホに防災速報アプリを入れていると札幌では今ひたすらヒグマ注意報が出続けることを。↑は最近の履歴。クマと地震とクマとクマとクマ。なんか冗談みたいでもありますがまあ本当です。

北海道民というのは基本的にクマに対する警戒心は持ってて、単にかわいい動物だと思っている人は多分ほぼいないのですよね。春には毎年どこそこの町の誰々さんが襲われたとか亡くなったとかいうローカルニュースがテレビで流れていて、みんな普通に子供の頃からそれを見て育っているので。鹿児島における桜島の噴火ニュースとか、東北地方の豪雪予報みたいな感じだろうか。兵庫県のY口組ニュースとか?(違?)

にしてもアプリの速報履歴がヒグマで占められる状況はさすがに珍しく。近年クマの活動地域の云々とか駆除の云々とかで人里に降りてくることが多く、札幌市内での目撃情報も増えているようです。
市街地としか言いようのない場所で出社中に襲われて140針の大けがをした方もいまして。これは本当に用心のしようもないと思う。東区ってまったく普通の住宅地で、札幌の中でも中心部寄りのほうです。東区で人がクマに襲われたのは明治11年以来143年ぶりだとか。

でつまり住宅地に突然現れるクマって予測が困難なのですよね。大雨や雷なら予報を見ての気をつけようもありますが。なので出先でえっ今近くにクマいんの!?という場合のためにアプリでどんどんヒグマ情報が出されるということなのだと思います。地震雷火事ヒグマ。そういえばクマのことを山親爺ともいいますが。

千秋庵の山親爺はおいしいですが。雪の結晶モチーフなのも好き。千秋庵は最近別の製菓会社の傘下に入りまして、ちょっとスタイリッシュにリブランディングされてオシャレっぽくなったりなんだりしています。





最近気になるブランドのS.S.Daley。デザイナーはイギリス人のスティーヴン・ストーキー・デイリー、1996年生まれ。若! 若いけどちゃんとした服で、ファンタジックさのあるトラッドという感じでかわいい。博物画とかマリンみたいな要素もあって。こういうの好きなんだよな~。サムネイルのやたらクールな紳士はそれもそのはず、イアン・マッケラン卿。
 
世界観はあるんだけどちゃんと着られそうな、リアルクローズ感覚もあるのも若いデザイナーさんらしい気がする。

20230606

耽美のおしごと

最近衝撃を受けたのがGUのメンズの革靴。値段の安さもすごいですが、履いてみると木型が異常にいいのです。な、なんで……?ってちょっと戸惑うくらい。
特にメンズの革靴の木型が欧州の老舗靴メーカーみたいな細身のきれいな形で。私が持っているフランス製のサービスシューズとかにかなり近い。なぜなんだ。どこかの老舗靴メーカーの偉い人が木型ごとヘッドハンティングでもされたのだろうか。ファーストリテイリングなら普通にあり得そうで怖い。

店頭で見て一番すごいと思ったのはリアルレザーダービーシューズ?かな、外羽根のレースアップシューズ。デザインも超王道である種洗練されているし、他の何倍もする革靴が全然合わないけどこれは合うっていう人がいっぱいいる気がする。なぜなら木型がすごいから。メンズですが大きめサイズの女性は試してみても良いかもです。

上の写真は私が買ってみたメンズの本革グルカサンダル。元が安いのに更にセールでとんでもない値段だった。レースアップほどのぴたっと感はないですがこれも良い形。安いので質感の良さとかを求めるものではないですが、適度なラフさがスペインとかギリシャあたりの安めの革サンダルっぽくて妙に雰囲気はあります。




アナスイの部屋、アナスイの部屋すぎて好き。こういう部屋に住んでなかったら逆にちょっと嫌だもんな。イメージ的に。 
アナスイって日本であまりに商業的成功を収めていて数十年そこらじゅうに存在しているので、むしろあまり意識しなかったりもしますけど、中華趣味とガーリーを違和感なく組み合わせてひとつの型としてあらゆる層にまで届けたという意味では完全に前人未踏の人ですよね。その能力の一端が、このマキシマリズムの中でも当然バランスと質が保たれている室内からもうかがい知れるというか。完璧主義なんだろうなあ。



もうひとりのクラシカル完璧主義マキシマリストといえばディタ・フォン・ティース。この人のお家も昔からすごい。ディタとアナスイってアメリカ生まれアメリカ育ちのアメリカ人なんだよな。意外ってこともないけども、典型的アメリカン趣味では全然ないよね。

アメリカの(意識的な)ガーリー&非ミニマム&クラシカルの人は、「敢えてのキッチュ」みたいな感覚がキーポイントなのかなという印象があります。特別クラシカルでなくてもソフィア・コッポラとかもガーリーの根底にどこかキッチュ感覚があるイメージ。ある種の生真面目な自己ツッコミ感覚と言い換えてもいいかもしれない。欧州人だとガーリーでももうちょっとゆるっと素っぽいような。



  コシミハルさんのツイッターで私服姿を見られることに気づいたぞ。今も本当に少年のようだなあ。コルセットのマダム・クルーナーと永遠の少年がまったく矛盾なく共存しているのがコシさんという感じ。耽美とはそういうものということでもあるだろうし、コシさんが特別というのもあるだろうし。

20230525

街の残像

豊平館にはカフェスペースがあります。シンプルに古い洋館の中でお茶が頂けますというだけの場所ではあるのですが、結構お気に入りです。静かだし。ロリータさんとかクラシカルなファッションのお嬢さんに合いそう。
豊平館は照明のシーリングの装飾がきれいです。部屋によって描かれている植物が違って、この部屋は薔薇。

カーペットも薔薇。
 
カーテンも、この写真だと見えにくいですが薔薇の柄です。つまりこの部屋は薔薇の間なんですね。と数分経ってから気づきました。薔薇だらけでも色調も抑えめで華美でなくまとまっているのが昔の立派な洋館らしいなあと。


森田たまや吉屋信子、その他さまざまな作家が大正~昭和初期あたりに書いた札幌についての随筆や小説を読むと、大抵すごくヨーロッパ的で美しい街だなあ的なことが書かれているんですよね。当時イギリス人に「日本にもこんな街があるんですね」と言われただとか。
昔はその意味がいまいち分からなくて。まあ碁盤の目みたいで整ってはいるかもだけど別に普通では?と。ビルばっかりだし。
しばらくして分かってきたのが、つまり札幌の街並みは高度経済成長とか札幌オリンピックのあたりで相当変化したのだということです。黒澤映画の『白痴』にも映し取られたような、開拓によって欧州的な洋館が立ち並びつつも素朴な街の姿が、昭和中期を境に現代的なビル街に再開発されたと。
で私は再開発以降のビル街の札幌しか知らないので、大正や昭和初期の札幌の描写を読むと??となっていたというわけですね。昔は小樽みたいな感じだったのかな。

昔の洋館や建物は北海道開拓の村でも見られますし、中心部なら時計台や旧道庁もありますが、中心部から近めで気軽に行ける洋館のひとつが豊平館かなと思います。
豊平館のある中島公園はかつて博覧会が開かれていた場所でもあり、北極塔(もうないですが)や天文台(今もあります)もあって好きな場所です。小堀遠州の茶室・八窓庵もあったりします。森田たま等が言うところのかつての札幌の面影を残した場所といえるでしょうか。



『白痴』(1951)のワンシーン。当時の札幌の街並みが少し見られます。


 
少し前に庭のチューリップが盛りでした。フラワーアレンジの技術がないので全部短く切ってわさっと入れるという方式を採用しております。