20260504

夏のスワトウ刺繡

年ふと改めて好きになり、ちょっとずつ集めているものがありまして。それはスワトウ(汕頭)刺繍。中国の刺繡ですね。かつて日本で流行したものでもあり、昔は百貨店の一階にスワトウ刺繍のハンカチコーナーが設けられていた記憶。贈答品の定番でもありました。皆さんのお家にもひとつふたつ仕舞われていたりするのでは。


そもそも最初は特にスワトウ刺繍を探していたわけではありませんでした。去年の暑すぎる夏、東南アジアの市場のおばちゃまが着ていそうな、前開きの素朴なブラウス的なものを探していまして。初期のCOCUEとかをイメージしつつ。
色々見るうちに、そういえばアジアならスワトウ刺繡の開襟ブラウスとかも昔からあるよなとふと思い立ち。元々スワトウ刺繡は好きだったのもあり。それって私の欲しいものなのでは?と。
で見つけたのが写真の2つです。右のクリーム色のものはシルク100、左の白はリネン100です。天然素材のものが多いのも嬉しいところ。どちらもおそらく昔の中国ブランドのもの。とても気に入っています。

私は趣味がわりとトラッド・マニッシュ寄りなので、刺繡やレースは好きではあっても頻繁に着るものではなく。が、スワトウ刺繍はアジアのものということもあってか、どこか女性的すぎないさらっと風通しの良い感じが性に合う気がしています。「着やすいガーリー」というか。古着のデニムに合わせるのも好きです。
↑桐島かれんさんの『ホームスイートホーム』という本を読んでいたら、偶然似た感じのスワトウ刺繍のブラウスが出てきてちょっと驚きました。同じように開襟でシルク。デニムに合わせるのがお好きというのも同じ。かれんさん、昔からセンスが好きな方なのでなんだか嬉しい。 


これがきっかけでスワトウ刺繍のことが気になり、検索したり本を探したりしたのですが、まとまった資料が意外なほどに少ないのですよね。日本であれほど流行・流通した品にも関わらず、歴史本みたいなものがほぼない。一番詳細だったのは香港の産業の歴史?について書かれたウェブサイトかも。翻訳機能で無理やり読んだりして。
どうやら確かなのは、スワトウ刺繍は19世紀に西洋の宣教師によって刺繡のデザインや技法が中国に伝えられ、発展したものだということ。つまり西洋と東洋がミックスされたもので、その雰囲気がおそらく私が好きな理由でもあり、日本や世界の人々に愛された理由のひとつでもあるのだと思います。混ざるとなんかイイ、ってやつね。
そして改めて気づいたこと。家には古いスワトウ刺繡のものが結構ある。なんならベッドヘッドになんとなく掛けていた布もよく見るとおそらくスワトウではないかと。気づかず使っていました。眩しいときにカーテン代わりに窓に掛けたりもしていました。
これもおそらく昭和の頃の親戚からの頂きもの。古いのですがデザインが好きで、勝手に自分のものにしていた。

定番中の定番、ハンカチ。これも大昔に頂いたもの。可憐すぎてハンカチとして使ったことはありませんが、たま~に棚の上に敷いたりしていました。下書きの鉛筆の線が見えるのが、子供の頃から面白いなあと思っていたな。考えてみると、人生で初めて知った刺繍の名前というのも多分、スワトウ刺繍なんですね。