20250924

鉱物の茶箱

抹茶の茶箱です。わりとお茶を点てたりする人間です。本格的にではなく本当にただ点てて飲んでるだけですが。
その流れでお茶道具を詰めて持ち運ぶ茶箱というものを知り、自分用のをひとつ組んでみたいなあと思い。のんびり道具を集めていったので一年くらいかかっていると思います。もっとかな。

シルバーの蓋つきのガラス瓶は金平糖の振出にしようかと買ったのですが、大きさ的に茶入れ向きかも。イギリスのものだったような。後ろにあるブリキの箱もイギリス製です。どちらもヴィンテージ。
青い試験管みたいなものはブルジョワ社の香水イブニング・イン・パリの古い瓶。これも振出になるかなあと思ったんですが、口が狭いので超小さい金平糖しか入らなさそう。茶巾筒に見立てた白い瓶と菓子入れに見立てた箱も古いもので日本製です。
茶碗はカフェオレボウル、茶匙はジャムスプーンです。このふたつのみ新品の作家さんもので、私にも買えるお値段で合いそうなものを探しました。
どれも見立てで本来の用途とは違うんですが、そこを考えるのが醍醐味でもあるかも。メルカリやネット検索を駆使しました。

自分的に出色は茶筅筒(真ん中右の茶筅が入ってるガラスの)。茶筅筒って多分、茶箱の道具の中で見立ての代用が最も難しいのです。形状が特殊ですし。で古いものや作家ものを探したり、自作する方も多いようです。私も長いこと適当なものが見つからず。
数か月経ったある日、近所の閉業間近のアンティークショップのインスタをたまたま眺めていたら、画面の隅に小さく小さくこれが写っていて。えっ何かわからないけどサイズと形状的に茶筅筒にぴったりでは……!?と。後日お店を訪れたらまだあった。結局それがそのお店での最後の買い物に。家で手持ちの茶筅に嵌めるとあつらえたようにピッタリでした。こういうことってあるんだな~。ちなみに、本来はおそらく理化学用品の漏斗的なものではないかと。

茶箱に一応名前もつけました。「鉱物の箱」です。最初は特にテーマもなくなんとなく集めていたのですが、その途中である日ふと、ああ私は鉱物のような茶箱を作りたいんだなあと感じ。最終的にかなり自分っぽい箱になった気がします。
とはいえまだ本当の完成はしていなくて、道具を包む布を考えたり、ちょこちょこいじって中身は細かく変えていくと思います。完璧に完成だ!と思える日は来ないのかもしれないなあ。


★堀内明美『旅する茶箱: 匣はこ 筥ハコ 匳HAKO』
茶箱に関する本はいろいろあるのですが、堀内明美さんの本はどれも素敵なのでおすすめです。眺めているだけでも楽しいですよ。

★多田けい子『44の茶箱あそび 小さな箱から広がる物語』
多田けい子さんの茶箱もセンスとアイディアに溢れていて見ごたえがあります。


ふくいひろこさんの茶箱の連載がウェブで読めます。

20250902

アートの箱

幌も例年よりは確実に暑い夏ですが、他の地域の気温の凄まじさを見るとこちらの気温くらいで文句は言えないのかしら、となるこの頃です。いやでもしかし暑いよなあ。今の札幌で昔の東京の夏くらいなのでは。
昔の北海道の夏なんて暑いどころか明確に寒かったですからね。中学生の頃に新聞のファッション関連の記事で「北海道は夏でも気温が上がらないので本州で売れるような涼しい服があまり売れない」みたいな内容を読んで、確かにそんなの着たら寒いよね~と思ったのを覚えてます。今からするともはや別の国の話のようだ。地球、ヤバいのね……。


上の写真は道立近代美術館です。「金閣・銀閣 相国寺展」を見てきました。内容をほとんど知らずに行ったのですが、伊藤若冲、また伊藤若冲、ついでに伊藤若冲、それから狩野探幽、で長沢芦雪、あと円山応挙、みたいな感じで私でも知っているような人の絵がガンガン出てくるので後半はほとんど疲れてました(笑)。いやもちろん作品は素晴らしかったんだけど。生の文化作品って連続で大量に見ると濃いよね。
国宝の天目茶碗も来ていたのですが、いわゆる一般的な茶碗の半分くらいの大きさだったのが面白かったです。茶箱用みたいな小ささ。歴史的な立派な茶碗ってちょっと困惑するくらい大きいものが多かったりするので、あの小ささはなんかかわいかった。


私は近代美術館の何が好きって建物自体が好きなんですよね。昭和中期に建てられた美術館としてはある種一般的な、ごく王道の建物だと思いますが、細部まで丁寧に作られていて綺麗だなと思います。資材もお金がかかった感じがするし、いつもちゃんと手入れされてるし。
ロビーは吹き抜けの回廊になっていてそこがとても好き。この二階部分には喫茶室もあります。やはり回廊型の本郷新美術館も好きなので、私はなんかそういう形の美術館が好きなのだろうか。
設計は太田實という人だそうです。今知った。




リス=紗良・オット「ナイトフォール」

最近一番聴いているアルバム。AppleMusicをうろうろしていて見つけました。ピアニストのアリス=紗良・オット氏のことは一応知っていたのですが、きちんと聴くのは初めて。なんとなく聴き始めたのですがとても好みでした。
夕暮れ、光と闇といったものがコンセプトのアルバムで、確かに全体的に音色が暗くて静けさと重さがある。その暗さが良い!という感じ。選曲もシック。私の好きな(みんな好きな)サティのグノシエンヌも入っています。その表現もまた色彩が暗くて良い。私の今まで聴いたグノシエンヌの中で最もシリアスかも。
しかしアリスさん、ピアノがめちゃくちゃ上手い。いやプロのピアニストつかまえて何言ってんねんて話ですが、プロにしたってめちゃくちゃ上手い。めちゃくちゃ上手い人の演奏特有の、音色からサーッと脳内にひとりでに景色が広がるような感覚を味わえるアルバムです。