20250902

アートの箱

幌も例年よりは確実に暑い夏ですが、他の地域の気温の凄まじさを見るとこちらの気温くらいで文句は言えないのかしら、となるこの頃です。いやでもしかし暑いよなあ。今の札幌で昔の東京の夏くらいなのでは。
昔の北海道の夏なんて暑いどころか明確に寒かったですからね。中学生の頃に新聞のファッション関連の記事で「北海道は夏でも気温が上がらないので本州で売れるような涼しい服があまり売れない」みたいな内容を読んで、確かにそんなの着たら寒いよね~と思ったのを覚えてます。今からするともはや別の国の話のようだ。地球、ヤバいのね……。


上の写真は道立近代美術館です。「金閣・銀閣 相国寺展」を見てきました。内容をほとんど知らずに行ったのですが、伊藤若冲、また伊藤若冲、ついでに伊藤若冲、それから狩野探幽、で長沢芦雪、あと円山応挙、みたいな感じで私でも知っているような人の絵がガンガン出てくるので後半はほとんど疲れてました(笑)。いやもちろん作品は素晴らしかったんだけど。生の文化作品って連続で大量に見ると濃いよね。
国宝の天目茶碗も来ていたのですが、いわゆる一般的な茶碗の半分くらいの大きさだったのが面白かったです。茶箱用みたいな小ささ。歴史的な立派な茶碗ってちょっと困惑するくらい大きいものが多かったりするので、あの小ささはなんかかわいかった。


私は近代美術館の何が好きって建物自体が好きなんですよね。昭和中期に建てられた美術館としてはある種一般的な、ごく王道の建物だと思いますが、細部まで丁寧に作られていて綺麗だなと思います。資材もお金がかかった感じがするし、いつもちゃんと手入れされてるし。
ロビーは吹き抜けの回廊になっていてそこがとても好き。この二階部分には喫茶室もあります。やはり回廊型の本郷新美術館も好きなので、私はなんかそういう形の美術館が好きなのだろうか。
設計は太田實という人だそうです。今知った。




リス=紗良・オット「ナイトフォール」

最近一番聴いているアルバム。AppleMusicをうろうろしていて見つけました。ピアニストのアリス=紗良・オット氏のことは一応知っていたのですが、きちんと聴くのは初めて。なんとなく聴き始めたのですがとても好みでした。
夕暮れ、光と闇といったものがコンセプトのアルバムで、確かに全体的に音色が暗くて静けさと重さがある。その暗さが良い!という感じ。選曲もシック。私の好きな(みんな好きな)サティのグノシエンヌも入っています。その表現もまた色彩が暗くて良い。私の今まで聴いたグノシエンヌの中で最もシリアスかも。
しかしアリスさん、ピアノがめちゃくちゃ上手い。いやプロのピアニストつかまえて何言ってんねんて話ですが、プロにしたってめちゃくちゃ上手い。めちゃくちゃ上手い人の演奏特有の、音色からサーッと脳内にひとりでに景色が広がるような感覚を味わえるアルバムです。

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