20250718

資材ノ館にて

屋のカーテンレールを作成。私の部屋、古いからかなんか妙な作りで絶妙にカーテンレールが取り付けにくいんですよ。でこれまでは窓枠の内側に取り付けていて、特に不便があるわけでもなかったんですがもう少し上に移動させたいなあとずっと気になっていて。

しかし上に移動させるにしても、横の壁に作り付けのクローゼットがあって、上の戸と下の戸の間の5センチ幅くらいしかレールが付けられそうな余裕がないという。
既製品でそこに収まるサイズのものもあるにはあるんですが、自分でパーツを買って作った方が良いだろうと思い。カーテンは短めのが一枚なので強度はそれほどいらないし、そもそもデザイン的に凝ったものより「ただの棒」みたいなやつのほうが好きなんですよね。

で、ホームセンターで金属のポールと、それを壁に留める首長ゲンコというものを3つ購入。
こういうの。本来はタオル掛けなんかを作るのに使うような感じのもの。ネジも付属してたけどちょっと短めだったので、念のためもう少し長さのあるネジを別に購入。
取り付けはただドライバーでグルグルやって終わりなので簡単なんですが、今の時期は夕方でも室内であれこれ動いてると暑い。汗だくになってしまいました。こちらもまあまあ暑いこの頃です。
壁の通気口とほんの少し被るような被らないような位置に取り付けたので、欲を言えばあと5ミリ下でもよかったかなあ。まあいいか。直すのも別に簡単なのですが面倒である。

しかし私はどうも、ホームセンターで売られているこういう素気のないパーツ類が好きです。余計な装飾がなくて数十年前から同じ形状で売られているような、ただの資材!みたいなものがやたら好き。デザインとして美しいと思うし。
最終的に欲しい完成品はどういうものか?を細かく洗い出して、それに合うサイズや素材をパズル的に頭の中で組み合わせて、適したパーツを見つけて調達するまでが一番楽しいかもしれない。こういうパーツ類って無限にあるし緻密な工業製品でもあり、こんなの作りたいな~というのに使えるものは大抵存在しますし。安いしね。
ホームセンターの資材館とか意味もなく延々見て回れるタイプの人間です。そういえば、V系バンド色々な十字架の「LOST CHILD」という曲を見かけた時、これ自分のことかな???と若干思った。ネジというか資材好き的な意味で……。MVに電影と少年CQのルアンちゃんが出演してます。




ンテリア関連の動画を見るのが好きなのですが、これは最近見つけたフォルナセッティ一族のお屋敷案内。あの女の人の顔のお皿のブランドね。親子による会社なことはなんとなく知ってましたが、どんな人たちでどんなお家なのかは見たことがなかったのでじっくり見られて楽しい。当然というべきか、すごく高度で濃厚なクラシカル美邸宅という感じだ。

20250603

すてきな模造真珠

術の森美術館の「コスチュームジュエリー 美の変革者たち」を見てきました。監修されているコスチュームジュエリー研究家の小瀧千佐子さんも以前から個人的に気になっていた方で、札幌でも見られるんだ! と思い行ってきました。 

コスチュームジュエリーとは、平たく言うとダイヤモンドやエメラルドのような宝石が使われていないジュエリーのことです。ファッション的・モード的な、デザインやボリュームに富んだものが多いのも特徴。
実際、今回見た一番の感想が「でっかい!」だったかも。展覧会に映える大きめのものが選ばれていたとは思うのですが、にしても全体的にでかい。宝石や金銀を使わず、デザインに振り切れるからこそ、思い切った大きさに作れるということでもありますね。


あとなんだか面白かったのが、宝石でないとはいえどれも高級品ではあるわけですが、庶民の私にもどこか見覚えのあるくらいの高級感でもあったことです。
これが王族や貴族の宝飾展だったらば、わ~見たことない豪華さ!という感じだったと思うのですが、コスチュームジュエリーは私でも知らなくはないなという高級感なんですよね。素材感とか細かい作りの部分も。もちろん十分立派なのですが。
私が持っているような手頃なヴィンテージジュエリーたちの、元ネタがこれらの作品たちなことも多いのだろうなとも。トップデザイナーが作り、当時の多数のメーカーがその真似をして一般向けに大量生産されたであろうものたち。これは今のファッション界も同じ構造ですね。


シャネル・スキャパレリ・ディオールという20世紀モード史の巨匠のコスチュームジュエリーが一堂に会しているのも今回の目玉だと思います。
作品としてとにかく美しかったのはスキャパレリ。特にメタルでできたリボンモチーフのネックレスとかサーカスモチーフのものたちが好きだったなあ。高級素材ではないからこその、そこを逆に活用したデザインを、コスチュームジュエリーの初期にして既にして理解しきって作られた作品たちに感じました。それこそシュルレアリスム的というか。


その一方で、もしも今日パッとこの中のどれかを身に着けて出掛けなければいけないとしたら、咄嗟にスキャパレリよりシャネルのネックレスか何かを掴んで行くかもなあと思ったのも事実。なんか壊れにくそうだし(笑)。シャネルはファンタジーではなく現実のためのアイテムを作った人ですよね。この2人がライバルであったのも納得。シャネルのジュエリーだとビザンチン系のゴツゴツっとしたものたちが好きでした。色遣いが独特。

長すぎる模造パールのネックレスとツイードのシャネルスーツ。どちらも現在に至るまでシャネルのアイコン中のアイコンですね。私も結局1920年代のパールのネックレスを二連三連にみたいなのが永遠に好きだもんな……。

 
ディオールのドレスとパリュール(ジュエリーのセット)。1950年代のものなのでまさしくニュールック時代。このドレスは実物がすごく小さくて、昔のレディの華奢さを感じました。ドレスの黒とジュエリーの水色という組み合わせが上品。


スミレモチーフも色々。下のガラスの葉のものは私が持っているヴィンテージのスミレっぽいイヤリングを思い出しました。使いたいんだけど落とすのが怖くてほぼ使ったことがない。

このあたりは高級モードブランドともまた違って、アメリカのトリファリ、ケネス・ジェイ・レーン、ミリアム・ハスケル等のコスチュームジュエリーブランドのものです。これらのブランドは私も昔からよく見かけるので知っています。つまり華やかなものもありつつ大衆向けでもあって、小さいものなら今もネットオークションやヴィンテージショップ等で数千円から入手できるはず。高級でもあり身近でもある、それがコスチュームジュエリーなんですね。

 
トリファリの生き物ブローチシリーズ。かわいい。上はルーサイトの透明系、下はエナメル彩。海の物モチーフのジュエリーも好きです。マリンだし、博物でもあるし。あとなぜか昔からホタテっぽい貝柄デザインのジュエリーが好き(笑)。


手前から、ルーサイトの船のブローチ、ベークライトのブレスレット、セルロイドの櫛。このあたりの20世紀初頭の素材やデザインが好きです。「一昔前の科学」ぽい素材や存在感のアイテムがどうも好きなんですな。


 
SPURの小瀧さんの以前の動画も。コスチュームジュエリーについて分かりやすく解説されていて、コレクションも見られます。

20250524

ガーリー・テキスタイル

のスミレ。スミレはやっぱりこの首が「くねっ」となっているところが好き。この花瓶は見た目が気に入って買ったのですが、使うと何を挿しても不思議と様になるなあと思います。作家さんものなので形とかが計算されているのだろうか。

 
スミレといえば、スミレ柄のハンカチはなんとはなしに集まっていくつか持っているな? と思いました。特にコレクションしているわけでもないですが、親戚からもらったり、これスミレだよーと教えてもらったりもして。多分ハンカチの柄としてはまあまああるモチーフなのもあるかも。「スミレのハンカチ」という存在自体が物としてなんかかわいいもんな。


これもそこまで意識はしていなかったけれど集まったハンカチシリーズ。ケイタマルヤマ。ケイタさんは世界の伝統的ないろいろな柄を、日本的にガーリーに今っぽくテキスタイルに昇華させるのが上手いなあと思います。

ガーリー寄りの洋服ブランドで、テキスタイルをブルーミング中西とか川辺製のライセンス商品のハンカチやスカーフとして一般層にも流通させるデザイナーの系譜ってある気がする。KENZO→アツキオオニシ→ケイタマルヤマ みたいな。KENZOは70年代からかな。ピンクハウスも入るかも。デパートの1階で買う感じのね。
昔から日本のファッション界の大きな要素として生地作りがあって、それこそギャルソンからミナペルホネンからユニクロまで、生地・素材開発を抜きには語れないですよね。その中でわりあい「絵」「柄」のテキスタイル創作に特化した系統が、KENZOさんや金子功さんやケイタさんではと。絵柄自体が特徴なので価格帯の違うライセンス製品化にも向いている。
あとこういうガーリーなテキスタイルを創作する志向って、現在のロリータブランドとかにも繋がる気が。デザイナーが手掛けたオリジナルプリントが尊ばれる感覚というか。

ケイタマルヤマの歴代のテキスタイルをデザイナー自ら解説するページ。私は96年のエッフェル塔柄のワンピースを今も持っているのですが、大石卓さんという方のイラストだと30年越しに初めて知りました。なんだか嬉しい。

 
普段使いに今一番愛用しているのはリバティのハンカチかな。これはイオンのハンカチ売り場で見かけて購入した川辺のライセンスものですが、主張しすぎない美しい柄、使いやすい生地感、お手頃価格、と三拍子揃っていてやはり餅は餅屋だなあと。しかもリバティ社にはこの数万倍の柄が存在するわけですからね。