20250413

たのしい質実剛健

アクア・アクア オーガニックスイーツリップC シュガープラム(上) 
パブリック・オーガニック 精油カラーリップスティック フリーリーブラウン(下) 

色付きリップクリーム2つ。
日焼け止め+眉+口紅くらいで出かけることが多い人間なのですが。ある日ふと、この程度のメイクで口紅に落ちにくさや質感までは求めないし、しかもほぼ毎日ならばタール系色素やカルミン不使用のものでいいのでは?と思いまして。人生で食べる口紅の総量ってなかなか相当だろうしなあと。

とはいえ特に自然派な人間でもないし、せっかく塗るなら普通の口紅に近いような発色の良さは欲しい。というわけでいろいろ調べてみて買ったのが上の写真の2つです。結果、どちらも気に入って、以来メインのリップとして日々使っています。

アクア・アクアは正統派のナチュラルコスメという感じ。柑橘系の香りが良いし発色はしつつも強すぎません。重ねるほどに色は出るので躊躇せずグリグリ塗って調節すると良いです。色によって成分が若干違うのですが、シュガープラムはタール系色素・カルミン不使用。
パブリック・オーガニックはリップクリームとは思えないほど発色が良いです。色出しもオシャレ。香りが強めですが精油系だし個人的には大丈夫。使いやすい上に約800円というお手頃価格でオススメですが、数量限定品なのが玉に瑕。タール系色素・カルミン不使用。

なんかどっちも色が似ている。こういうブラウン系が好きで。色付きリップクリームだと少ない系統の色ですが、この2つは結構ちゃんとブラウンだと思います。
あ、どちらもいわゆる色持ちは特にしません。リップクリームですしね。それを承知の上で使うものって感じかな。そのぶん唇は全く荒れません。
ちなみに今は普段使いはこの2つで満足していますが、もう少しちゃんとメイクしようかなという日は普通の口紅も全然使います。落ちにくいのも便利だし、色出しや質感の絶妙さなんかはやっぱり違うよねと。


 
こちらもようやく春の気温になりまして。ブーツから普通の靴に変わったりしています。
この靴は数年前にシューフィッターさんの店で選んでもらったメフィストというブランドのものなのですが、基本的にはおじさんとかおじいさんが履く靴ブランドです。一番有名な愛用者はおそらく宮崎駿。私の世代の女性となるとまあまあゼロに近いのかも。私もオシャレとかではなくほぼ完全に実用として買いました。

そんなメフィストですが、先月?のPOPEYEで小特集が組まれていました。なんでもNYのシャレオツな男性たちに密かに人気があるそうな。おお、と思いつつ実は意外でもなかったかも。というのもこの靴、妙に服に合わせやすいし、若い人に受けそうな「あえての」感もあるなあと思っていて。ボリューム感と革の質感がポイントなのかな。
そして中高年向けのちょっと野暮ったい健康靴や革靴を若いお洒落な人たちが敢えてピックする感覚って、マーチンやビルケンやハッシュパピーの昔からむしろ定番の行為でもあるわけで。メフィストもそんな雰囲気がある。「掘り出す」ってある意味ファッションの一番楽しいところでもありますしね。

20250216

小部屋の欧州

今一番気に入っているバッグ。確か一昨年の終わり頃?に購入したもの。私は何かにひと目惚れして衝動的に欲しい!となることって実はあまりないのですが、このバッグは偶然通りがかったポップアップ店舗で見かけてあっこれ欲しい!となりまして。コンパクトでシンプルな封筒のようなデザインと青の革の深い風合いに惹かれました。なんでもベルギーのタンナー会社の革なのだそうな。
結局その時すぐには買わなかったのですが、数か月後に改めてまたポップアップを訪れてやっぱり欲しい~と思い購入したのでした。KASANEというハンドメイドのレザーブランドのものです。地元のブランドですが道外でも取り扱いがあるみたいです。

コンパクトですがマチがあるので最低限必要なものは一通り入るし、デザインが私の服に合わせやすいので大事に愛用しています。あとこれしっかりした革なのにすごーく軽いんですよ。硬めの紙みたいな軽さ。ラクです。
私はカジュアルやボーイッシュみたいな服をよく着るんですが、そこに上質な革のバッグがひとつあると締まるし年相応になるんですよね。普通の服をちょっとファッションにしてくれるというか。で青というのも自分っぽい気がして、とっても気に入っています。


最近の愛用品その2。なんかこの写真色が分かりづらいな。水色です。
そろそろ手袋を新調したいなあとなった時、そういえば手袋って毎日のように使うのに意外としっかり選んで買ってきていない?と思いました。なんかパパッと買ったものばかりだった気がする。それで特別困ることもなかったしなあ。
そんなわけで、人生初のちゃんと選んで買った手袋かも。ロバート・マッキーというスコットランドのニットブランドのものです。昔からあるブランドなので存在は知っていましたが買うのは初めて。ウール100で長く使えそう、コートとの色合わせがしやすそう、高すぎない、あたりを条件に探したらこれになりました。スコットランドらしい鮮やかな柄のものも多いブランドですが、これはわりとおとなしめかも。
暖かいし合わせやすくて使いやすいです。サイズが大きすぎず指先が余らないのも嬉しい。


これは愛用品というか少し前に部屋に新入りした土星です。100年くらい前のドイツの図版だったかな。右側は以前から飾っている絵で、鳩山郁子さんのセーラー羊少年のハガキを額装したものです。かわいい。

20250116

少女趣味としてのコム・デ・ギャルソン

銀粉蝶『カンタン服でいくわ ~銀さんの春夏秋冬~』
女優の銀粉蝶さんのスタイルブック。数年前『大人になったら、着たい服』で私服姿を拝見してお洒落な方だなあと思っていまして、その後この本の出版を知り、気になって当時結構すぐに購入した記憶があります。読むとやはりとても好みで。

私の昔からの勝手な印象に、「ガチのお洒落な大人はコムデギャルソンをいかにもなギャルソン的にせずに着こなす」というのがありまして。ギャルソンを個性的というよりも、トラッドにさらりと着る人って玄人だなあと。
銀さんはまさにそのタイプだと思います。私服のギャルソン率が高いのですがあくまでカジュアル&トラッドな着こなしです。で、おおほんとのお洒落な大人の人だ……!と。

コムデギャルソンといえば。もちろんザ・アヴァンギャルドなパリコレブランドですよね。しかし、1981年のパリコレ進出より前にあたる本当の初期は、むしろ女学生の制服のようなデザインのブランドだったと当時を知る方たちの話や文章で見ます。つまり今よりもシンプルで少女的な印象のブランドだったのでは。
銀さんがギャルソンに出会ったのもその頃で、鈴屋の「REI KAWAKUBO」コーナーでひと目惚れしたそうです。つまりブランド名がコムデギャルソンになる前。本当のブランド最初期ですね。
そして実は、ギャルソンでは今も少年少女的なワンピースやパンツやシャツはずっと定番アイテムでもありますよね。丸襟も多い。今でもギャルソンの根底はガーリー&トラッドなのだと思います。コレクションでどれだけ前衛的であろうとも。
ギャルソンのワンピースを着る銀さん。シンプルで丸襟で制服っぽくて王道な、大人のガーリー。赤カーデ×グレー×黒小物の色合わせもかわいい。

Jane Marpleのデザイナーの村野めぐみさんも初期のギャルソンがお好きだったそうです。
中村のんさんの過去の記事より。村野さん、とってもシティガールだ。あの「ゴローズ」の元店員さんでもあります。
中学の卒業式で(!)着たギャルソンの「リセエンヌの制服のようなセットアップ」が、デザイナーを目指したきっかけとのこと。Janeのデザイナーさんが初期のギャルソンに影響を受けたというのは、意外なようでいて個人的には納得なのです。共通点はつまりガーリー&トラッドでは。村野さんの来歴はこちらの記事も。
銀さんと村野さんは、初期の制服的ガーリーなコムデギャルソンをリアルタイムで着られていた方たちなのですね。


銀粉蝶さんのことは舞台出身の女優さんと知ってはいました。がどういう方か詳しくは知らなくて。この本で「ブリキの自発団」という劇団の創立者であることを知りました。ブリキの自発団はうっすら気になってはいて、あっそうか!とここで繋がりました。


ブリキの自発団は1980年代の映像がYouTubeにまるっとあります。昔の舞台映像は残りにくいから貴重だ。まさにノスタルジックな少年少女的な感じ。頭が地球儀?やお月様になっている。この雰囲気、私は当時見られたら好きだったろうなあ。
左は片桐はいりさん。衣装が少年でかわいい。

演劇と少年。少年的ファッションの女性には演劇関係の方が多い印象があります。他の服飾ジャンルと比べても明らかに率が高いような。トラッドでマニッシュという意味では、銀粉蝶さんも大きくくくるとそうかな。
たとえば私が芸能人で私服で靴下留めをした方を初めて見たのは多分、二十年くらい前の森永理科さんです。森永さんは月蝕歌劇団。コシミハルさんは東京グランギニョル。ケラさんの奥様の緒川たまきさんは鉱物マニアのタルホ好き。
男性ですがアートとしての少年×靴下留めの元祖かもしれない四谷シモンさんは状況劇場。あと靴下留めといえば『1999年の夏休み』は脚本の岸田理生さんが劇作家ですよね。

かつてのポンキッキーズのメガネ少年の山田のぼるくん。中の人の高泉淳子さんは遊◎機械/全自動シアターの俳優です。舞台上の少年のキャラクターがそのままの姿で毎朝全国テレビに出ていたのがのぼるくんです。
維新派とか少年王者舘とか、多数の女性が少年を演じる劇団も少なくないですよね。まず単純に女性は声や身体的に少年役を演じやすいのは大きそう。オペラのズボン役となると相当歴史が長いのでは。


『カンタン服でいくわ』で特にわかる!となった箇所がありまして。銀さんは「少女趣味のつまったマニッシュが好き」なのだそうです。とてもわかる。私もカジュアルやトラッドやボーイッシュだったりしますが、自分のその基盤は少女趣味にあると思っています。
少女趣味としてのギャルソン、演劇と少年的装い、ベースにあるトラッド。昔から私の中で何かしら通底するものを感じていたそれらの要素を、実際に繋ぐ存在が銀粉蝶さんかもしれません。