20250216

小部屋の欧州

今一番気に入っているバッグ。確か一昨年の終わり頃?に購入したもの。私は何かにひと目惚れして衝動的に欲しい!となることって実はあまりないのですが、このバッグは偶然通りがかったポップアップ店舗で見かけてあっこれ欲しい!となりまして。コンパクトでシンプルな封筒のようなデザインと青の革の深い風合いに惹かれました。なんでもベルギーのタンナー会社の革なのだそうな。
結局その時すぐには買わなかったのですが、数か月後に改めてまたポップアップを訪れてやっぱり欲しい~と思い購入したのでした。KASANEというハンドメイドのレザーブランドのものです。地元のブランドですが道外でも取り扱いがあるみたいです。

コンパクトですがマチがあるので最低限必要なものは一通り入るし、デザインが私の服に合わせやすいので大事に愛用しています。あとこれしっかりした革なのにすごーく軽いんですよ。硬めの紙みたいな軽さ。ラクです。
私はカジュアルやボーイッシュみたいな服をよく着るんですが、そこに上質な革のバッグがひとつあると締まるし年相応になるんですよね。普通の服をちょっとファッションにしてくれるというか。で青というのも自分っぽい気がして、とっても気に入っています。


最近の愛用品その2。なんかこの写真色が分かりづらいな。水色です。
そろそろ手袋を新調したいなあとなった時、そういえば手袋って毎日のように使うのに意外としっかり選んで買ってきていない?と思いました。なんかパパッと買ったものばかりだった気がする。それで特別困ることもなかったしなあ。
そんなわけで、人生初のちゃんと選んで買った手袋かも。ロバート・マッキーというスコットランドのニットブランドのものです。昔からあるブランドなので存在は知っていましたが買うのは初めて。ウール100で長く使えそう、コートとの色合わせがしやすそう、高すぎない、あたりを条件に探したらこれになりました。スコットランドらしい鮮やかな柄のものも多いブランドですが、これはわりとおとなしめかも。
暖かいし合わせやすくて使いやすいです。サイズが大きすぎず指先が余らないのも嬉しい。


これは愛用品というか少し前に部屋に新入りした土星です。100年くらい前のドイツの図版だったかな。右側は以前から飾っている絵で、鳩山郁子さんのセーラー羊少年のハガキを額装したものです。かわいい。

20250116

少女趣味としてのコム・デ・ギャルソン

銀粉蝶『カンタン服でいくわ ~銀さんの春夏秋冬~』
女優の銀粉蝶さんのスタイルブック。数年前『大人になったら、着たい服』で私服姿を拝見してお洒落な方だなあと思っていまして、その後この本の出版を知り、気になって当時結構すぐに購入した記憶があります。読むとやはりとても好みで。

私の昔からの勝手な印象に、「ガチのお洒落な大人はコムデギャルソンをいかにもなギャルソン的にせずに着こなす」というのがありまして。ギャルソンを個性的というよりも、トラッドにさらりと着る人って玄人だなあと。
銀さんはまさにそのタイプだと思います。私服のギャルソン率が高いのですがあくまでカジュアル&トラッドな着こなしです。で、おおほんとのお洒落な大人の人だ……!と。

コムデギャルソンといえば。もちろんザ・アヴァンギャルドなパリコレブランドですよね。しかし、1981年のパリコレ進出より前にあたる本当の初期は、むしろ女学生の制服のようなデザインのブランドだったと当時を知る方たちの話や文章で見ます。つまり今よりもシンプルで少女的な印象のブランドだったのでは。
銀さんがギャルソンに出会ったのもその頃で、鈴屋の「REI KAWAKUBO」コーナーでひと目惚れしたそうです。つまりブランド名がコムデギャルソンになる前。本当のブランド最初期ですね。
そして実は、ギャルソンでは今も少年少女的なワンピースやパンツやシャツはずっと定番アイテムでもありますよね。丸襟も多い。今でもギャルソンの根底はガーリー&トラッドなのだと思います。コレクションでどれだけ前衛的であろうとも。
ギャルソンのワンピースを着る銀さん。シンプルで丸襟で制服っぽくて王道な、大人のガーリー。赤カーデ×グレー×黒小物の色合わせもかわいい。

Jane Marpleのデザイナーの村野めぐみさんも初期のギャルソンがお好きだったそうです。
中村のんさんの過去の記事より。村野さん、とってもシティガールだ。あの「ゴローズ」の元店員さんでもあります。
中学の卒業式で(!)着たギャルソンの「リセエンヌの制服のようなセットアップ」が、デザイナーを目指したきっかけとのこと。Janeのデザイナーさんが初期のギャルソンに影響を受けたというのは、意外なようでいて個人的には納得なのです。共通点はつまりガーリー&トラッドでは。村野さんの来歴はこちらの記事も。
銀さんと村野さんは、初期の制服的ガーリーなコムデギャルソンをリアルタイムで着られていた方たちなのですね。


銀粉蝶さんのことは舞台出身の女優さんと知ってはいました。がどういう方か詳しくは知らなくて。この本で「ブリキの自発団」という劇団の創立者であることを知りました。ブリキの自発団はうっすら気になってはいて、あっそうか!とここで繋がりました。


ブリキの自発団は1980年代の映像がYouTubeにまるっとあります。昔の舞台映像は残りにくいから貴重だ。まさにノスタルジックな少年少女的な感じ。頭が地球儀?やお月様になっている。この雰囲気、私は当時見られたら好きだったろうなあ。
左は片桐はいりさん。衣装が少年でかわいい。

演劇と少年。少年的ファッションの女性には演劇関係の方が多い印象があります。他の服飾ジャンルと比べても明らかに率が高いような。トラッドでマニッシュという意味では、銀粉蝶さんも大きくくくるとそうかな。
たとえば私が芸能人で私服で靴下留めをした方を初めて見たのは多分、二十年くらい前の森永理科さんです。森永さんは月蝕歌劇団。コシミハルさんは東京グランギニョル。ケラさんの奥様の緒川たまきさんは鉱物マニアのタルホ好き。
男性ですがアートとしての少年×靴下留めの元祖かもしれない四谷シモンさんは状況劇場。あと靴下留めといえば『1999年の夏休み』は脚本の岸田理生さんが劇作家ですよね。

かつてのポンキッキーズのメガネ少年の山田のぼるくん。中の人の高泉淳子さんは遊◎機械/全自動シアターの俳優です。舞台上の少年のキャラクターがそのままの姿で毎朝全国テレビに出ていたのがのぼるくんです。
維新派とか少年王者舘とか、多数の女性が少年を演じる劇団も少なくないですよね。まず単純に女性は声や身体的に少年役を演じやすいのは大きそう。オペラのズボン役となると相当歴史が長いのでは。


『カンタン服でいくわ』で特にわかる!となった箇所がありまして。銀さんは「少女趣味のつまったマニッシュが好き」なのだそうです。とてもわかる。私もカジュアルやトラッドやボーイッシュだったりしますが、自分のその基盤は少女趣味にあると思っています。
少女趣味としてのギャルソン、演劇と少年的装い、ベースにあるトラッド。昔から私の中で何かしら通底するものを感じていたそれらの要素を、実際に繋ぐ存在が銀粉蝶さんかもしれません。

20241214

記憶の建物

よく行くスーパーがある日グッドデザイン賞を受賞していた。よく行くスーパーがある日グッドデザイン賞受賞していることあるのか。
確かにお洒落というか、古い工場をリノベーションした施設で雰囲気が好きですが。というとなんか意識高い店ぽい?ですが、スーパー自体はすごい普通です。あと小さい。そこが好きなのですが。


グッドデザイン賞、北海道は明らかに施設や建物が多いと思うんですが、まあ単純に土地が余って、いや余裕があるのが大きいんだろうなあ。過去に大賞を受賞しているイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園とか、そもそもあの土地の広さがなければあのスケールにならないわけですし。

そういえば最近モエレ沼公園の建設に携わった方の本を読んだのですが、「イサム・ノグチが途中で亡くなられたために建築がスムーズに運んだ面もあるのではないか」的なことが書かれていて、なんだか納得してしまい。
これ、個人的にも昔から不思議に感じていて。あの巨大な施設を、いかにも癖の強そうな天才を擁して官民で作り上げるって絶対難しそうだけど、よくスムーズに完成できたなあと。実際イサムは過去にも、一度立てた計画を途中で何度も変更して現場が中断されるようなことも結構あった人らしく。アイディアが浮かんじゃうんでしょうね。
がモエレ沼は、イサムがランドスケープや根幹の哲学のような大筋を決定した直後、つまり計画全体の初期に亡くなっています。結果、他の人では替えの利かない重要な芯の部分は天才に作ってもらった上で、その後の建設自体はサクサク進められたのでは。結果的にですが。納得。



このスカートJaneのドンルなんですけど、マジで20年は経っている気がする。着る回数が多くはないしデザインや長めの丈が年齢選ばないし、気づけばそれくらい経っていたなあという。若い頃に買ったのにドンルというのもなんだか自分ぽい。(※ドンル=Jane Marple Dans Le SalonはJaneの大人ライン。シンプルめやカジュアル系が多い) 改めて見るとレースが繊細だなあ。

とはいえJaneはスカートより圧倒的にパンツを持っていました。少年的なトラッドなデザインでクオリティにも納得できるものってあまりなくて、結果的にJaneが多くなっていたんですよね。セールや中古でも買っていたのでそんなすごい合計とかにはなっていないと思う。パンツはガーリーなJane界ではニッチなので、むしろお手頃に入手しやすくもあったかも。

Jane Marple札幌店はその昔MALSA2というファッションビルに入っていて、上のスカートはそこのお正月セールで買った記憶があります。MALSA2はケイタマルヤマも入ってたしルミノアのボーダーやエルベシャプリエも揃ってたし、謎のサイバーパンクみたいなお店もあったし、面白いビルだったなあ。1階は広いトランスコンチネンツの店舗だったはず。THE90年代だ。