写真でこう見ると博物館に並んでる植物標本っぽい。というか実際ものとしてはほぼ植物標本ですね。
北見ハッカ通商のハッカ飴。ハッカの葉の形になっていてかわいい。
子供のころから見慣れた商品です。私が住んでいた地域や親戚の家が多い地域って多分、日本有数のハッカと縁の深い場所なんですよね。なので他の地域でのハッカとの距離が逆にわからないのですが、物心つく前からハッカを使った飴やクッキーやミントオイル等々が身の回りにごくごく普通に存在していました。スーパーで買う大福とか饅頭みたいな感覚。
なのでこの飴もあああれだなあという感じ。味は昭和のハッカ飴のそれ。「ミントキャンディー」とは明らかに違う、素朴なおいしさです。松本隆が書くところの薄荷キャンディーはどっちの味なんだろうな。都会の人だから舶来のミントキャンディーのほうかなあ。
栗野宏文『モード後の世界』
ファッション界にはお洒落な方というのはもちろんたくさんいると思いますが、話すこと書くことをきちんと聞きたいなと思う方となるとそんなに多くはないのかもしれず。私にとって、そしておそらく他の服が好きな人たちにとっても話を聞きたい対象の筆頭であろう存在が栗野さんではないかと。
私ももう十年以上憧れているのかな。栗野さんは長くFIGAROでエッセイの連載をされていたのですが、いつか書かれたものをまとめて読んでみたいなあとは思っていて。今回初の著作を出されたということで読みました。
中身はやっぱり好きだったなあ。面白かったです。私のブログを読んでくれてるような方なら好きかも。いちいち納得するしかないことを淡々と書かれている感じ。この現実的なところが私はすごく好き。ファッションってつまるところ客観性のものではあるでしょうしね。
そしてすごく読みやすいです。意識的にある程度誰にも分かりやすく書かれているんじゃないかな。平素かつ冷静というか。意外と敷居は高くない本だと思います。
個人的には「戦後と草食系男子」の章が面白かったです。栗野さんも草食系を自認されるとのこと。そのあたりが世界にも類を見ない日本人のファッション感覚に関係するのではないかという内容。
戦後の日本人男性のモデルは明仁上皇の草食系男子感にあるのではとか、日本でずっと人気のジャニーズ事務所の子たちは中性的でジャニー喜多川はガチの戦争体験者で反戦の人だよねとか。そこまでちゃんと見ているのだなと。視点の持ち方があくまで市井の商人としてのそれなんですよね。そこが好き。
『モード後の世界』というタイトルも好きで。栗野さんは去年の時点で「モードは終わった」と題されたインタビューをされています。「神は死んだ」みたいだ。これを踏まえてのタイトルだと思う。このインタビューも面白いのでおすすめ。
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