「壁から出てる古い何か」みたいなものが好きでつい撮ってしまいます。電線とか計器とか。
昔、船のコンテナや建物の壁のシミとか錆ばかりを撮るという写真家さんがテレビで紹介されていて(誰だったんだろう)、写真といえば人とか風景を撮るものだと思っていた当時の自分にはそういうものを撮る人がいるのか!と印象的で、影響された気がする。
吉田一穂詩集。好きでたまに読み返すんですが、以前気に入って書き抜いていた部分が手持ちのこの本のどこを探しても見つからなくて!?となった。別の吉田一穂の本の一節だったのだろうか。「白鳥古丹」買わなきゃダメかな。
若いころ喧嘩で北海中学を退学になったとかならないとかいう人ですが、なんだかそれも納得の気の強さを文章から感じます。北国の詩人というようなイメージからすると豪気というか。でも繊細でもあるという。
ちなみにこの岩波文庫のは買おうと思ったときに絶版だったのでちょっとプレミアがついた状態でまあいいかと買ったら直後に再版されました。ありがち。なので今買いやすいのでよろしければぜひ。
『不眠症の人口都市は心臓のディナモと肺の触つた泡沫喘音の騒音をたてる狂噪世紀病者である。綜合に於ける二律相反を虚構する騒擾の渦それ自体として無目的に無軌道に振動し躍動する零の回転・地下鉄の上にある形而上学の街が終末の拍子を急ぐ。』
「ヘイトフル・エイト」
面白かった。セットが種田陽平さん。昔時間潰しに映画館でなんとなく見た「不夜城」の新宿の街のセットに引き込まれたのを思い出します。
タランティーノは画面は過激に見えても芯というか善悪のラインみたいなところがやたら真っ当なのが独特だなあと思います。才能ある映画監督って大抵あえて微妙に外したラインを提示する印象なので、ちょっと変わってると思う。
ヘイトフル・エイトも悪人しか出てこない血だらけの話なのに妙に清潔。過激だからこそ作品の骨格の清潔さが強調されるともいえるのか。思えば20歳の頃「パルプ・フィクション」に驚いたのも、画面は新奇なのに主張がえらくまとも……!?っていう衝撃だったような。
なのでタランティーノ作品を見るとフムフムと納得し、同時に頭のどこかでこんなに納得できる映画ってどうなんだろう……?と考えてしまう自分がいます。好きといえば好きだけど、と。まあそういう監督って他にいないしやっぱり好きなのかもね。
ちなみに一番好みの作品は、うーん「ジャンゴ」かな。主人公がイケメンだし(そこか)。クリストフ・ヴァルツが乗ってる馬車の歯の形の飾りがかわいいし。アカデミー脚本賞受賞作ですが、個人的にはヘイトフル・エイトのほうがまとまってる気もする。
三池崇史のほうのジャンゴ。は見たことないんですが。サブちゃん歌うますぎ。タランティーノも出てます。
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