20240717

VivienneとJUNICHI

本野ばら『ロリータ・ファッション』
鈴木真理子『ゴシック&ロリータ語辞典』

ロリータ・ファッションについての本を2冊読みました。嶽本野ばらちゃんの本とゴシック&ロリータバイブルの編集長さんの本なので、相次いで決定版的な本が出版されたのだなあ。ロリータブームも落ち着いて久しいかと思いますが、一回りした今だからこそ歴史や知識をまとめる気運があるのでしょうか。

どちらの本にもヴィヴィアンの85年のミニクリニコレクションからのロリータへの影響が触れられていて、やはりそうなのだなあと納得したり。
古賀令子『「かわいい」の帝国』にもありましたが、パンクでセクシーなヴィヴィアンを日本の女子が「かわいい」と換骨奪胎し、ミニクリニやハリスツイードコレクションから影響されてできた型が現在のロリータの基、というのはリアルタイムで見てきた方たちからしても実感なのだろうなと。
ロリータだけではなく、80年代はヴィヴィアンから日本のファッション界への影響が絶大だったということだと思います。特にDCブランド。裏原系や今のハイブランドにまで繋がるしね。


あとちょっと驚いたのが『ロリータ・ファッション』のあとがき。私が偶然つい数日前に見つけて保存したオリーブの中原淳一特集について書かれていたから。野ばらちゃんに加えて丸山敬太さんとマッセメンシュの高橋正明さんがインタビューされていたので保存したのでした。
マッセメンシュ、昔から好きで。フォルムが美しいんですよね。でこの3人って私の趣味まんまみたいなメンバーではあるので、あっそうか私って「中原淳一の息子たち」が好きなのかと腑に落ちて。

ロリータは見るのは好きですしJaneも着ますが、私自身はロリータではなく。トラッドやボーイッシュがメインですが、他にそれこそマッセメンシュとかケイタマルヤマとか金子功さんKENZOなんかも嗜好の中にはあると思います。そして彼らはみんな中原淳一の影響を公言しているのです。それは後から気づいたのですが。
中原淳一は日本の少女文化やガーリーファッションの巨木の幹みたいな存在ですから、ロリータも広い意味で影響下にあると思いますが、「息子たち」はいわば直の二代目というか。なるほど私はそこが好きなのか、と今更ながら納得したのでした。



映画「ジャンケン娘」のワンシーン。中原淳一がデザインした雪村いづみちゃんの衣装のすべてと舞台セットが好きすぎる。私の好きなガーリーは、詰まるところこれなんだろうなあと思います。

20240707

クウネルとオリーブ

に履きたいサマーウールのハーフパンツに合うかな、と思って靴下屋でソックスを買いました。意識してなかったけど私は今はグレーが気になっているのか。ライン入りのやつがちょっとスポーティで気に入ってます。

ハーフパンツも今年買ったものなのですが、お店でウールだな?秋冬?と一瞬思ったけど店員さんによると春物らしい。確かに薄いしサラサラ素材。北海道なら夏でもいけそう。しかしこれサイズがなかなかのギリです。形が気に入ったから買ってしまったけど1ミリ太ったらアウトそう。大丈夫なのか私。

 
足元つながり。この靴は数年前に買ったCatworthのかわいいやつなのですが、普段の私にはちょっとよそゆきガーリー感なもので未使用のまま積読ならぬ積履?になっていまして。で最近いやこれエナメルだし使わないとそのまま劣化するんじゃ、と引っ張り出して使うことにしたんでした。
Catworthってダンスシューズのメーカーなのでサイズさえ合えばかなり履きやすいです。リボンで結ぶデザインなのも横幅の調整が効いてよいかも。レペットとかもそうだけどダンス系ならではのプレーンなデザインって好きです。無駄がなくてつるんと綺麗で。




まに行く隣町のカフェのスコーン。素朴なお店なのですが手作りのケーキ類がどれもおいしいしスコーンも正統派でクロテッドクリームとジャムをたっぷり添えてくれるし、好きなお店です。お値段もお手頃。
こういう感じのスコーンをぽんと出してくれて、アールグレイをポットでたっぷり淹れてくれるようなお店ってなんだかんだすごく貴重だよなあ。街中でも紅茶専門店以外だとほぼない印象。

あとこのカフェ、クウネルの創刊当時からの00年代のバックナンバーがずらっと数十冊揃っているんですよ。当時リアルタイムで読んでいた号もありますが、今改めて読むと新鮮で、こんな人が出てたんだ!ということも多いので行くと眺めてしまいます。

上の写真はこの日パラパラめくっていておっとなった蝦名芳弘さんの記事。オリーブの元編集長で、しかも1983年に女子大生路線からリセエンヌ・少女路線に変わった頃の編集長という人です。そう、少女路線の最初は淀川美代子さんではなく蝦名さんなのです。
しかもその後マガジンハウスを退社して骨董店を開かれていたと知り、一体どういう方なんだろう??って昔から気になっていて。その骨董屋店主としての姿が記事になっていて興味深かった。この頃のクウネルてやっぱなんかこう、独特の鋭さだなあ。

↑これが少女路線に変わった1983年のリニューアル第一号。この表紙を初めて見たときに私ちょっと驚いたんですよね。というのも右のモデルさん、セーラーだしパンツスタイルだし少女だしショートカットだし、つまり少年装(という言葉は当時ありませんが)じゃん!と。オリーブが少女路線になった最初の号のしかも表紙に、既に少年っぽい格好の少女が載っていて、しかもその服がセーラーなのだなあと。

ちなみに少年装っぽいコーディネートでいうと、マガジンハウスを更に遡って70年代のアンアンにもそういうスタイルは見る印象です。ニッカボッカの探偵少年みたいな感じとか。もちろん女性のモデルで。この会社が作る雰囲気のひとつの様式みたいなことなのかも。