20251128

眠る灯り

ンテリアは昔から好きで、まあ趣味のようなものなのですが、このところはベッドサイドをちょこちょこいじるのにハマっていました。
ちゃんとしたサイドテーブルを買って専用の照明も付けてみたいなことって、今までやったことがなかったんですよね。椅子とかでも普通に代用できるし特に困ってもいなかったので。でも一度ベッドサイドの定番のセットみたいなものを改めてコーディネートしてみたいなあと思い。


サイドテーブルは選び始めると意外と難しくて結構混乱しながら探してたかも。つまるところベッドの横で台として使えるものなら何でもいいわけですけど、故に候補は無限にあるという。軽く数百は商品画像を見た気がする。
で自分は多分ヴィンテージでちょっと重みがある雰囲気のものが欲しいかな?と見当をつけて、最終的にイギリスの古い木製のものにしました。あんまり外連味のないロクロ脚、みたいな感じが気に入っています。

ライトは壁付けのブラケットタイプにしました。これもヴィンテージの真鍮製で、アメリカのものです。アームの形がちょっと変わっていて好きです。
本来はシェードをかぶせるものだと思いますが、ロウソク型の電球が見えるのも燭台っぽくて好きなので、しばらくこのままでいこうかなと。ちなみにこの電球レトロな形ですがちゃんとLEDなのです。シャンデリア球ってやつですね。
最初はテーブルランプも良いなあと探していたのですが、いろいろ見るうちに壁に取り付ける道具っぽさが自分は好きかなと思い、この形に。部屋が広ければベッドの両サイドに二個シンメトリーに設置するのもやってみたかった。
ベッド周りのインテリアってやはり欧米の文化だからか、美意識が基本的にシンメトリーの美なんだなと、今回いろいろ見ていて改めて思いました。サイドテーブルもライトも二個セットが基本の世界というか。私はスペース的に無理なのでベッドの逆側は壁ですが。

あと今回ベッド周りをいじっていて感じたのが、ベッドメイキングって簡単なのに部屋全体のインテリアとしてのビジュアルにかなり効果があるんだなあということです。
と言っても私ができるのは好きな枕とクッションを重ねて置くとか、シーツ類のシワを伸ばすとかその程度なんですけど、それでも単純に見栄えや気分が違う。海外の人たちがマナーのようにベッドメイキングを気にする理由がなんとなく分かりました。日本で言うところの「布団を上げておく」「座布団重ねておく」的な感覚なんだろうな。


とりあえず一通りは揃った、かなあ。とはいえこういうのって厳密には終わりがないですよね。またちょこちょこといじっていくと思います。
あと、私は基本的には金属!ヴィンテージ!理化学!博物館!みたいな趣味の人間なのですが、ベッド周りに関しては例外的に?結構乙女感覚が出てくるんだなとも思いました(笑)。わりとホッコリ感あるような。自分がそう思っているだけだろうか。眠る場所だからですかね。布が多いコーナーゆえもあるかも。



いでに(?)オススメの海外のインテリア系動画をいくつか貼っておきます。

今一番気になるインテリアコーディネーターはこの人かも。クラシカルと装飾性と全体のバランス感覚とがすごい。どこかファンタジックな雰囲気もあります。
こちらも気になるコーディネーターさん。この動画は女優のエマ・ロバーツ(ジュリア・ロバーツの姪ね)のおうち訪問なのですが、この邸宅全体のコーディネートをしたのがPierce&Wardという女性二人のデュオです。クラシカルで装飾的なところはBeata Heumanと共通するものがありますが、もう少し今っぽいひねりが効いている感じかな。 

 海外のインテリア紹介を見ていると「うちは本当に狭いのですが……」と説明している家が日本の一般的な住宅の二倍くらいあるのだが?? みたいなことが普通にあるじゃないですか(笑)。
Apartment Therapyは海外の1K的な間取りとか本当に結構狭めのおうちもたくさん紹介しているので、日本人もわりあい参考にしやすいのではないかと。ちなみに、世界の中でも日本のアパートをしのぐレベルで狭いかもといえばパリの屋根裏部屋かも。でもおしゃれ。


Roman and Williams 
ちょっと番外編。これという動画があまり見つからなかったのだけど、Roman and Williamsは個人的に好みすぎるインテリアコーディネーターなので紹介したくて。ご夫婦です。超がつくくらいの大物なので仕事は多岐に渡りますが、一番好きなのは彼らのスタジオかな。
こういう嗜好のインテリアの極点、という感じがする。私はもちろん大好きです。



 あとインテリアユーチューバーさん系もまとめて。 
映画「ミーン・ガールズ」(懐!)にも出演していたという俳優さん。でありつつすごく洗練されたライフスタイル全般を紹介している方。絵もカリグラフィーも陶芸もDIYも服も料理もなんでも器用にこなしてしまう。自室のアンティークのベッドが素敵。
クラシカルかつシックな趣味でおしゃれな方。なのですが壁紙全部貼った後に「やばい、これ好きじゃないかもしれん……」と青くなりながら全部一からやり直してたりとか、なんだか人間らしくて魅力的。 
趣味の良い方だなあと。元プロップスタイリストさんらしい。小物の合わせ方とかスリフト(リサイクルショップ)の活用方法とか、感覚的にかなり共感するものがあります。好き嫌いについてサクサク意見するのもキャラが立っていて面白い。
モデル兼インフルエンサーさん?でいいのかな。男性です。この方のセンスもとても好き。若いのにひとつひとつの物を選ぶ目がかなり鋭い方とお見受けします。


なんだか海外の動画ばかりになってしまったのですが、特に他意はないのであります。というか日本にもインテリアが素晴らしくて好きな方はたくさんいるのですが、そういう方たちってほぼ動画にはなってないというのが主な理由な気がする。雑誌で見る感じというか。
日本の方でいうとこぐれひでこさんとか昔から憧れだなあ。今のおうちももちろん素敵ですが、以前住まわれていた青い床タイルのおうちはもはやちょっと伝説的かも。
これ、日本国内ですよ。都内だよ!

20251121

FUKUSO探検

FUKUSO(服装) 1972年2月号 

最近気になっている雑誌。1970年代のティーン女子向けファッション誌です。監修は田中千代。70年代に休刊になっています。まるっと半世紀くらい前の雑誌ですね。 
この雑誌かわいいんですよ。私は全く存在を知らなかったのですが、確かスタイリストの中村のんさんが若い頃好きだったと仰っていたのを何かで読み、へ~そんな雑誌があったのかあと気になっていて。で買えそうな値段のものを見つけたので入手してみました。ちなみに古書界隈では結構人気があるのか、そこそこの金額になっている物が多い印象。 

まず写真がかわいい。ガーリーなのです。基調が「少女」という感じ。かつちゃんと当時風のイマっぽさもあって、後年で言うところのCUTiEとかあのあたりっぽい雰囲気もあるかも。初期ananのティーン版的でもあるかな。ヒップな感じといいますか。

よく出てくるブランドはMILK(原宿ミルク)、BIGI(菊池武夫)、鈴屋、ヴィヴィド(森英恵)等々。いわゆるマンションメーカーも始まってすぐの時代なのでブランドという括りもまだ曖昧なくらいの雰囲気があります。デザイナーの名前だけが載ってたりとか。しかしMILKの、ガーリーにおける当時から今に至るまでの不変の強さってすごいな。
そして「コム・ド・ギャルソン」も。「デ」でなくて?なのですが、つまりデかドかの表記も定まっていないくらいのブランド初期から取り上げられていたということですね。その更に前が「レイ・カワクボ」なのだと思う。
まだ服を自分で洋裁するのも一般的な時代なので、型紙や田中千代のテキストも載っています。「ポップなティーン向け装苑」という感じもあるかも。

菊池武夫さんのページ。とってもガーリー。


ツィギーの映画『ボーイフレンド』にちなんだページ。今も活躍する伊藤佐智子さんのお名前も見えます。私も昔からとても好きなスタイリストさんです。
FUKUSOは全体的にイギリスっぽい空気を感じます。アイビーというよりフレンチというよりロンドン。きちっとしたジャケットやチェック柄も結構出てくる。表紙もそうですね。


ガーリーといえばセーラー。セーラー&ハーフパンツ&ソックスって本当に不変の組み合わせなのだなあ。左のセーラーワンピはもちろん(?)原宿ミルク。


これもどちらも原宿ミルク。全体的に写真が凝ってますね。手をかけて作られていた雑誌なんだろうなと感じます。


ヘアメイクのページ。リボンとかついてていわば定番の少女風ヘアメイクという感じなんだけど、70年代的にアップデートされていてオシャレ。


この女性はどなたかというと1972年当時の「コム・ド・ギャルソン」のデザイナー川久保玲さん。お若い!のももちろんですが、個人的におお、となったのは川久保さんが着ている服。セーラーなんですよね。しかもシンプルで制服っぽい。のだけどファッションとして着ているというのもちゃんと分かる。若き日の川久保さんが制服的なセーラーを着ているというのは、個人的になんとも納得するものがあります。ギャルソンってそうだよね、という。

初期のギャルソンが画期的だったのは、「少女の日常着だったアイテムをファッションとした」点ではないかと、私は以前から思っています。
日常着とはつまり普通の服のことです。ハレというよりケのほうの服。それこそ制服とか、セーラーとか、レースやフリルのないシンプルな丸襟のブラウスとか、グレーのプリーツスカートとか、シンプルなウールのジャンパースカートとか、そういうものたち。
それらって本来は狭義の「ファッション」ではなかったと思います。昭和中期あたりにはお母さんがミシンで縫ってくれたような普段着ですよね。ましてやモードでは全然ないわけで。
それらを敢えてファッションとして捉え直して、十代二十代以上の女性も着られるブランドとして成立させたところに、初期コム・デ・ギャルソンの斬新さがあったと想像します。その感覚は現代のガーリーファッションの源流ともなったと思う。
そして日本的トラッドとも言えるそれらのアイテムは、実はギャルソンで定番として何十年も売られ続けているものたちでもあると。そういうブランドではと思います。