20170619

ドイツ鉱物幻想


『ノヴァーリス全集2』

断章とされるだけあってか断片・散文的ですが、ポツポツ拾い読むとやはり文が美しいしどこかユーモアも感じられて楽しいです。
ノヴァーリスの文章は天文や鉱物や化学と、文学や幻想とのシームレスなつながり感が無二だなあと。硬質なものと軟質なものを無理なく混在させて書けてしまう特殊技能の持ち主に思えます。わが道を行く人だけに何言ってるかよくわからなかったりもするんだけど(笑)なぜか無意識に納得しながら読む感覚。
 私は好きなもののルーツを辿るとドイツに行きつくことがとても多いのですが、ドイツロマン派の鉱物幻想もそうかも。というかまさに大元のひとつかな、歴史から言っても。

「天体は化石なのではないか。おそらくは、天使たちの。」
印象的な一節。天体が天使の化石……ロマンチックとか宗教的とかの前にほー初めて聞いた情報ですという感じ。


あとノヴァーリスとは別ですが、最近見つけてほおお~となった文章。
植田実『真夜中の庭』
  < 鉱物は、ロマン派の詩人や作家の想像力を刺激した新しい素材としてよく知られる。その不思議な美しさは、20世紀の幻想作家たちの心もとらえた。ドイツの小説家パウル・シェーアバルトは、まさに「すばらしい色ぞめのガラス」の建築を夢見たひとりだった。その夢想はブルーノ・タウトやミース・ファン・デル・ローエなどの建築家に受け継がれ、計画案や現実の建物として地上に出現した。今日、私たちにとってなじみ深い鉄とガラスの高層ビルの源流は、じつはドイツの幻想的表現主義的建築家たちのスケッチから始まっているのである。>

現代の高層ビルはドイツの鉱物幻想から来ていたのだ……!? でも分かる気も。ブルーノ・タウト『都市の冠』を読んだとき、水晶館(クリスタルハウス)の周りを宝石たちが囲むように市役所や劇場や図書館や水族館が並ぶ人工都市、というようなイメージですごく「こっち」(どっち?)っぽい趣味の人だなあと思った記憶が。それは夢想的でもあるけれど現代の鉄とガラスの高層建築と確かにつながる感じもします。単純に鉱物ってビル群みたいだし。
あと私は昔からアールならヌーボーよりデコ派なのですが、アールデコもあの直線的なデザインは鉱物から来ているとも言われるそうで。なんかそういう嗜好なんだろうね。




野 賢一さん 『古き良きエスプリが漂う、クリエイターのお宅』 
ビームスの青野賢一さんという方が書かれる文章が数年前から気になっていて。お家を紹介されている記事を発見。さすが美的な空間だなあ。このサイト、イデーだけあって取材されてる方たちのインテリアがほんとにおしゃれすぎてオトナすぎてすごい。

「未知の記憶」を呼ぶサイダー 
こちらは青野さんのスワンサイダーと稲垣足穂について書かれた素敵な文章。スワンサイダー、見た目もかわいいけどなんといっても味がおいしいと思う。 

ソーダといえば。テレビで見たのですが、今年のお祭りの夜店のトレンドが電球型のビンに入ったソーダなのだそうで。韓国から来た流行で、中高生が飲むんだって。インスタ映えってやつですね。その電球の中に青や緑のソーダが入っていてLEDでピカピカ光るさまが、作る人や買う人はまったく意図せずしてどこかタルホの世界の感じがするようでほお~となりました。夜店だし。「電球ソーダ」という字面からもう。






メラロールにあった写真など。もう結構前のなんですが。爪はなんかこういう数本キラキラと数本カラーっていうのをやってみたかったときの。わりと気に入ってました。グレーは本当はマットネイルなんだけどツヤありにしたかったので上からトップコートかけてます。
服はいつもながら普通で。普通の服で生きています。ジャックパーセルって世界一合わせやすい靴の一つな気がする。

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