20240916

倫敦少年・露西亜少女

し前に東京で開催されていた高田賢三展。私はもちろんというか行けていないのですが、動画を見ていておおと思ったものがあり。 
この探偵少年みたいなルック、女性が着ているしクラシカルだし少年っぽいですよね。しかもこれ、四谷シモンさんデザインのマネキンなのだそうな。納得。更に言うとシモンさんの作品で「女性が着ている」少年的な服装のものは初めて見たかも。 
ちなみに四谷シモンさんは私が知る限り、最も早く少年×靴下留めを作品として作られた方です。(それについて書いた過去ブログ

数年前に見た1970年のananの創刊号にもまさに探偵少年っぽいコーディネートが載っていて、この時代に既に少年っぽい着方がグラビアで作られていたのだなあと印象に残っていまして。女性が着ている少年的なファッションとしては80年代のオリーブより更に遡ります。でどっちもマガジンハウス。
ロンドン特集。ユリさんは体型がめちゃくちゃ少年なんですよね。これはどのブランドの服かとか分からなかったのですが。現地調達か、金子さんの服かな。KENZOだったりしたのだろうか。

そういえばピンクハウスに代表される金子功さんの服ってすごく少女的だけれども、ミューズとして着ていたのは長身で少年っぽいユリさんだったというのも特徴な気がします。
ラルフローレンの花柄ワンピとかに通じる感覚かも。ローラアシュレイとかね。服はロング&フリルで女性的だけどモデルは長身サッパリ系アメリカーナ、みたいな。

 
このあたりのガーリーさもすごくKENZOを感じます。上とかほとんどアイドルの衣装みたい。これは80年代初頭かな。
KENZOはサンローランとの同時代性もとても感じる。民族衣装的なところとかカラフルさとか。同世代のパリのトップデザイナー同士、影響を与えあっていたのだろうと思います。サンローランのパリシックに中原淳一少女印と木綿の素朴さをプラスしたのがKENZO、みたいなイメージもある。
そして文化の同期である金子功とKENZOさんとは、パリと東京に分かれた双子のような対称でもあるかなと。さまざまな面で。どちらもフォークロア+日本的ガーリーの代表例であり、DCブームの先駆けであり。


KENZOのガーリーなドレスを着る1981年のイザベル・アジャーニ。カンヌ映画祭らしい。
KENZOはパリのブランドなので、ライセンスではないピースだと日本よりむしろ欧州のほうがヴィンテージも残っている印象があります。Etsyとかでよく見る。


KENZOさんって改めて考えると、一人の若者が船でパリへ渡って単身デザイン画を売り込んでトントン拍子に取り立てられて店出して仏版ELLEの表紙飾ってパリコレ出て即ブレイクして世界的超有名デザイナーになって日本でも国中あらゆるところに服やグッズが溢れて、という、いや昭和のファッションもの少女漫画でもそんな展開編集者に却下されるよ! な人生を地で行った人なんですよね。モード版大谷翔平。もちろん本人の才能と寝る間も惜しむ努力あってこそでしょうが、わりと普通ではなさすぎるな。